三の重

「れんこんは見通しが、」

「お前は食わずとも良いだろ。」

「あ!またこちとらのを!」

 穴があいていることから、将来の見通しがきくように願う。

「里芋さん、美味しいよね。」

子孫繁栄しそんはんえい、だったな?」

「あんたって、そういうもんばっかりに食いつくのどうにかしようよ。狼さんは嫌いじゃないけど。」

 子芋がたくさんつくことから。

「八つ頭もどうせ知って、」

「子孫繁栄。」

「はいはい。」

 頭となって出世するように、また、子芋がたくさんつくことから子孫繁栄。

「くわいは?」

「めでたい…と、子孫繁栄。」

「そうか、そうか。そんなに、」

「違うから!そう思ってんのあんただけだから!」

 大きな芽が出てめでたい。

 また、子球がたくさんつくので子孫繁栄。

「ごぼうさーん。」

「お前のさん付けって可愛いよな。」

「才造が素直になってて怖いなぁー。」

 根を深く張り、代々続くことを願う。

「重箱で叩いてやろうかな。」

「正月に物騒だな、おい。」

「そんな逃げなくてもいいんだよ?旦那♡」

「たとえ空であっても痛いんだぞ、嫁。」

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