二の重

「ぶりは出世を願う…けども。」

「出世、な。」

「うん…こちとららは別に。」

うま。」

「あ!こちとらの分も残して!?」

 ぶりは大きさにより名が変わる出世魚である。

たいは、」

「めでたい!」

「フッ。」

「やめて鼻で笑わないで恥ずかしいからやめてごめん本当にやめて。」

「いいんじゃないか?」

「その爽やかな顔かっこよくてムカツク。」

 めでたい、と語呂合わせ。

 恵比寿えびす様が持つ魚である。

 ハレの食卓に相応しいとされ、使われてきた。

海老えびは言わずもがな。」

 長生きの象徴と言われる。

 長いヒゲをはやし、腰が曲がるまで長生きすることを願う。

「こんなもんかね。海老だけは食べれた…。」

「次食うぞ。」

「あんたって本当、どんだけ食べるのさ。虎太コタもだけど。」

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