(2-6)対峙、退治、胎児・・・?

「それで、あいつが居なくなったてのは、どういうことですか?」


休日返上で俺は商業区の管理局へと来ていた。もちろん用事は剣心のこと。いなくなったとはいうが、状況がはっきりとしない。どういった経緯なのかはきちんと把握しなければ。


「今朝、親御さんから数日帰ってきていないって連絡がきてね、それで勝利君には連絡しないとって思ったの。私達も急成長しているパーティーには目を付けていて勝利君との関係もきちんと調べていたから。今彼を失うとこれからの未来に不利益が出てしまうわ。少々ドライと感じてしまうでしょうけど、そこはわかって頂戴。勝利君には彼の捜索を手伝ってほしいの。主にダンジョン内の捜索ね。彼が普段使っているダンジョンをピックアップしたからそこをしらみつぶしにお願い。」


「わかりました。すぐに行ってきます。」


「困ったわね。最近失踪者が多くなってきて、明らかに紅花月の仕業なのに、私達が何もできないのは歯がゆいわ。」


「水川さんのせいじゃないですよ。それに大々的に討伐隊も組む予定じゃないですか。それまでは、きちんと呼びかけをするしかないでしょう。攻略者たちには申し訳ないですが、普段より遠いダンジョンに遠征してもらうとかするしかないですね。」


「ええ、そうね。榊原さんも今そっち方面で相当忙しいみたい。私もしばらく会ってないわ。まったく、人類同士で争ってる場合じゃないでしょうに。ダンジョンの活動も活発化してきているのよ?もしかしたら大規模な、それこそ災害レベルの何かが起こるかもしれない。こんな時に、ああもう。とにかく、失踪者のリストも渡すわ、剣心君の次いでに、こちらも調べてきてくれる?」


「ええ、承りました。それじゃ、行ってきます。」


そういって俺は会議室をでて足早に建物から出た。その足で好子さんの店により、兼ねてから考えていた新しい装備を受け取り、使い方を簡単にレクチャーしてもらってから、俺はダンジョンへと足を向ける。


複数のダンジョンに連続して潜れるよう、万全の準備をし、俺はダンジョンに突っ込んだ。


そして数日。


結果は、惨敗。大人数で囲った後や、血痕などは見つけたが、それが紅花月の被害者の物なのか、それとも普通に攻略者のものなのかがはっきりしなかった。


どうやら、紅花月はダンジョンとダンジョンの間を抜けるだけではなく、他にも身を隠す手段を持っているようだ。完全に手詰まりのなか、俺達はついに大規模な討伐隊による紅花月掃討戦を迎えてしまった。


一応、奴らがいるであろうダンジョンは三つに絞られた。ダンジョンのおおよその広さを地図上で見比べ、最後に紅花月が確認されたダンジョンが他のダンジョンに接している部分を追っていき、完全に他と接しなくなるところまでが奴らの行動範囲だ。調べがつき次第検問を強化し、奴らが出られないようにしたし、事実その三つのダンジョンでは失踪者が他より多い。まるで自分たちの存在を主張しているようにも感じられる。下手をすると罠かもしれないが、それならそれごと叩き潰してやるまでだ。


作戦はシンプル。最大戦力を三等分し、そこに自衛隊員や協力者を分配する。内訳はこうだ。


第一班。俺、影光、真帆、砂月、泰平、空。そして数人の自衛隊員。

ここは俺達の意見が通った形だ。俺達は連携がしっかりとできるし、何より、個々で分けるよりも集団の方が相乗効果で高い戦闘能力を得られると説得してこの編成にしてもらった。


第二班。好子さん、神楽さん、賢太郎さんと自衛隊員が十数人。ここはおそらく一番安定感があるかもしれない。神楽さんの第一級の強さ、好子さんの破壊力、賢太郎さんのサポートと、自衛隊員の連携による殲滅力。あり一匹逃がさない布陣だな。


第三班。榊原さんと水川さんのペアに加え、普段から二人に着き従っている隊の面々。それに加えて、更に複数の自衛隊員。ここは堅実さにおいて他二班より頭一つ抜けている。戦闘力という面ではすこし劣る気がしなくもないが、銃火器というのはアドバンテージがでかく、全員がその扱いに長けているのだから、そこらへんも何とかなるだろう。


神楽さんのお弟子さんたちも本当であればくる予定だったのだが、一般人を巻き込んでいる時点でかなりの問題らしく、今以上の人員増加は現状難しいそうで、こういった形に落ち着いた。


三班がそれぞれ三つのダンジョンから突入し、敵を発見次第追い込む。出来る限り生け捕り、または殲滅をし、逃げた先でダンジョン渡りを行った場合、そのまま他班と合流という流れだ。正直、違う通路を通られた場合やそもそも奴らが見つからない場合もあるが、それは時間をかけて探索すればいいだけの話。心配事と言えば、三班同士で連絡が取れないことだが、定期的に外に出て相互に連絡を行う取り決めをした。


恐らく、敵もさすがにこちらの動向は気づいているはず。それならばきっと向こうも打って出てくるだろう。そこをあえて狙い、正面から打つ崩すのが今回の作戦だ。正直もう少し作戦を練りたいところだが、ダンジョンはいまだ未知の部分が多く、情報が不足していてこれ以上の作戦は実質遂行不可能と判断。だがしかし、こちらの戦力はそれなりに高い、作戦失敗の可能性はあるが、死傷者が出ることはないだろう。それならば時間を掛ければ、ダンジョンと外を自由に出入りできる俺達が有利だ。できるだけ戦果を残したいところだな。


「よし、時間だ。行くぞ。」


「「「「おう!」」」」


俺が指揮をとり、音頭をとる。

今から挑むダンジョンは、先日俺達だけで挑んだ、平野と迷宮が混在するタイプのダンジョン。マッピングはかなり広い範囲で行われている。


集団が隠れられそうな場所やまだ未探索な場所をしらみつぶしに調べていき、2時間が経った。そしてとうとうその時が訪れる。


互いが視認できるギリギリの範囲に広がり、足跡を調べたり、倒されたモンスターの死骸を処理していた時。


「敵襲!」


自衛隊の一人が声を上げる。


丁度窪地の底を調べていた俺達だったが、ここを囲むようにわらわらと丘の向こうから人影が現れた。


「ははは、不用意に囲まれるなんて飛んだ下策だよぉ、殺してくれって言ってるようなものじゃないかぁぁぁ。そろそろ君たちの行動も目障りになってきたところだ、潔く俺達の遊び道具になってくれたまえ。」


高らかにそう宣言したのは、大本命、神無月ラウロだった。相変わらず趣味の悪い出で立ちで、愉快そうに眼を細めるその姿は不審者のそれ。


完全にあちらが有利な地形。一方的に魔法で蹂躙できるであろうこの状況に、何の疑いも持っていない様子。


それがこちらの狙いだとも知らないで。


「真帆、一発かませ!!!!」


先制攻撃は、基本だろう?


「『華々しく、爆ぜ、散れ―――打ち上げ花火』」


威力も何もかもを捨て、ただ天高く火花を散らす、短文詠唱の魔法。

もともと娯楽で作った魔法は、今回の戦いの合図となる。


空に昇った花火が大輪の花を咲かせ、その光がダンジョン内を明るく照らす。

そして、それは飛来する『それ』の姿さえも、かき消した。


「「「ぐあああああ!!!」」」


あちこちで上がる悲鳴。もちろん、俺達側の悲鳴ではない。

窪地をぐるっと囲む丘の上、紅花月の面々が悲鳴を上げたのだ。


その混乱の発生個所は大きくわけて二か所。

一つは、降り注ぐ矢の嵐によるもの。花火の音でかき消され、存在を無にした無数の矢が降り注ぐ。明らかに一人が打ってきているはずの無い量に、まさか自分たちの包囲をさらに包囲されたのかという困惑が紅花月の一部にもたらされる。


無論、包囲などではなく、影光の能力によるものだ。それにしても、一度俺達に包囲を崩されていて対策を講じていないなんて以外と馬鹿の集まりかよ。


影光はここから離れた森から矢を射続ける。

気配を断ち、森の至るところでセットした矢をランダムに敵に放つことで射手が複数いると錯覚させるのだ。


職業称号『影法師の心得』。影光のセットしたこの称号は影操作というものを体得することができる。影を動かし、汎用性が高い行動をさせることができ、今大量に放たれている矢も、半数は影で出来た矢だ。設置型の影は、最初に命じた行動しかできないが、その分、攻撃の方向やタイミングをある程度弄ることができる。


これにより、100人はいるであろう包囲の一角を崩すことに成功する。


そしてもう一か所。影光いる方向とは逆の位置で、風が吹いていた。


砂月による、無差別攻撃だ。

盗賊然とした恰好通り、彼女は一撃離脱が主だ。両手に携えた短剣が、高速で移動する彼女の後に血の雨を降らせる。手を足を、胴を首を、眼球を内蔵を、抉り、突き刺し、切り裂く。嵐のごとく、致命傷を量産する彼女を、誰も目で追えない。


原因はまたしても花火だ。強い閃光は、彼女の得意とする人の死角を利用する技を補助する。


職業称号『心理学者の思考』。こいつを得た砂月は、まさに天啓のようにその才を発揮した。もともと影の薄かった砂月は、称号を得たことで人の視線がどこに向いているかなど、観察眼が鋭くなり、結果として大人数相手でもどこに意識の死角が生まれるかがわかるようになった。それを利用した超高速機動による暗殺術。いまや彼女は俺ですら接近に気付けないほどに隠密としての力をつけてしまった。


その二人が巻き起こす騒乱。そこに泰平と空が二手に分かれて突撃する。そして仲間が囲まれないように魔法を適宜放ち相手の配置を誘導する真帆。戦況はこちらが掌握した。なら俺のやることは一つ。


「ラウロォォォォォオオオオオ!!!!」


「キサマァァァ嗚呼ああああああ!!!」


両者、引き合うように一直線に駆ける。

俺は景気よく斧を投擲。それをラウロは紙一重で躱し、お返しとばかりにナイフを投擲した。まっすぐ俺の目に吸い込まれるナイフ。それをひょいっと人差し指と中指で挟み、逆手に持ちかえる。


接敵。


ぶつかり合う互いの得物。俺は今しがた手に入れたナイフを、ラウロは元々所持していた別のナイフを、互いに振るった。そのまま高速の打ち合いにもつれ込む。近い間合い、その間で火花が幾重にも舞い散った。


幾度となく、互いの急所を狙い、それを弾くといった攻防を繰り広げたところで、俺は次なる行動に打って出る。


「危ないなァァァもう!」


心臓を狙った突きを大きく弾き、同時に半身になる。そしてそのまま腰に携帯している血殺憤鬼を抜き放ち、その勢いで胴を一文字に切り裂きにかかった。


しかし、打ち上げられた手とは別の方、何も握っていなかったはずの手には新しいナイフが握られており、そのまま血殺憤鬼を下方に弾いた。


俺はナイフを逆手に持ち腕を交差させるような形に、ラウロが両腕を広げるような体制となった。考えることは同じ、最速で二方向からの同時攻撃だ。


両腕を開く動作で、逆手に持ったナイフを顎のごとく突き立てんとし、同時にラウロが上下から切り裂かんとナイフを翻した。


「ぐはぁっ!」


肩口と脇腹に鋭い痛み。浅くもなく深くもない傷が二本体に刻まれ、距離を空けるために後退する。


ラウロもラウロで、俺の二本のナイフが胴体を掠め、二つの赤い横線を体に描く。


「くくく、本当に君くらいだよ。この僕に傷を付けられるのは。」


「そりゃこっちのセリフだ。まったく、久々だぜ、こんな傷はよ。」


互いににじみ出る血を気にした様子もなく、互いを見つめ合い、殺意を迸らせる。

ラウロの方はどうだかしらないが、俺は『討伐者の行進スレイヤーズパレード』の副次効果で傷はある程度なら塞がる。おそらくラウロも気にしていないってことはそれなりの回復手段があるとみて間違いない。


こちらの戦況はおおむね良好。自衛隊の方々による銃撃のお陰で人数の不利を埋め、空達の奮闘と真帆の範囲攻撃でむしろ幾らかこちらが有利だといったところ。


ここでラウロが仲間の迎撃に出れば戦況が覆りかねないが、そこは俺は抑えればいいだけのことだ。


「さぁ、さっさと続きを始めようぜ?」


「全く、君は本当に邪魔ばかりしてくれるねぇ!!!!」


再び交差する得物。舞い散る火花がより一層勢いを増す。


◇◆◇◆


勝利達が奮闘している頃。第二班の面々もようやく敵との接敵を果たした。


ただし、こちらは少しばかり趣が違っていた。


「好子さん、前方任せるよ!」


「ちょっときついけど!任せなさい!」


仙道神楽の声に反応しつつ、好子は大きな木槌を振るった。地面に亀裂を生じさせ、狭い通路の前方にいる敵の足元を崩しにかかる。


第二班がいるダンジョンは延々と洞窟が続くタイプのダンジョン。他と少し趣が違う点は至る所が水晶で構築されていることだろう。魔法やマズルフラッシュが水晶に反射し、洞窟内を彩っていた。


今から少し前、順調にルームを中心に探索していた第二班。次のポイントへ向かうため数本ある通路の内の一本を選択し進んでいると、突如として挟み撃ちされた。


こちらの動きを大分前から把握されていなければこうはならなかっただろう。斥候職のレベルが低かったのが現状を招いてしまった。だが前方、後方の二方向であれば、片方を好子と神楽が受け持てば問題は無かった。そうすれば後方は自衛隊の弾幕でどうとでもなるからだ。


しかし敵もそのことは十分理解していた。そのうえで、上回れた。


「ぐわあああ!!!」


現状を打破しようと、好子と神楽で前方の集団を押し込み、通路からルームへと脱出を図ろうとした矢先、突如として壁を構築する水晶を爆砕して敵が突っ込んできた。爆発に巻き込まれて数人が倒れ、今まさに凶刃が自衛隊員の命を刈り取ろうとしたところで、刀が空間を切り裂いた。


即座に前方を好子に任せ、神楽が反転し横穴からなだれ込もうとしている紅花月の面々を潰しにかかる。最前列で剣を振り上げていた男を縦に切断し、流れるように刀を振るう。その所作は流麗で、非の打ちどころがなかった。


剣の道をひた進んできた彼を、その道の者で知らぬものはいなかった。あらゆる大会で優勝を掻っ攫い、挙句非公式に開催される異種混合試合で猛威を振るった『夜叉』。それが仙道神楽だった。最近ではやっと落ち着きを見せ、弟子を取ったり、妻子を設けたりなど、なかなかに人らしい生活を送っていたが、やはりその闘争本能は抑えきれなかったらしい。ダンジョン出現当初、野山を駆けまわり、未発見のダンジョンを確保、そのまま来る日も来る日も時間が空けばダンジョンに潜っていた。その結果、勝利と拮抗するまでのレベルを手に入れた彼は、今が正に絶頂期。


努力に裏打ちされた実力と、溢れんばかりの闘志が合わさり、紅花月に向けられた殺意は天をも突かんばかりであった。


「私怨で悪いね。少しばかり君たちはやりすぎた。思う存分発散させてもらうよ。」


とある事情により、今回の招集に応じた神楽。速く美しいその剣技とは裏腹に、迸る感情は高まり続けていた。


だがしかし、全体を見れば今の状況はいささか危うい。神楽一人が圧倒したところで、好子一人では手数が足りず、自衛隊員の面々も先ほどの爆発により数名がダウン、結果として後方の敵を抑えきるための人員が欠如してしまった。


縦に間延びしていた陣形はいつの間にか相当に押し込まれ、後一手何かあれば完全に瓦解してしまう、そんな焦りが神楽の心中にはあった。


(相手にはまだ余裕があるように見える。考えられるのは―――)


敵を切り伏せつつ、思考を巡らせていたその時だった。またしても、今度は神楽のいる場所から反対の方向で爆発が起き、その向こうから紅花月現れる。そして、事前に知らされていた要注意人物の姿もそこにはあった。


「いやはや、なんとも綺麗な瞳だ。どうかお譲り頂けないだろうか。」


紳士然とした口調で軽いお願いとでもいうかのようにそういい始めるは、おぞましい数の眼球を携えた異常者。集眼卿が出現した。


「悪いね、これは流石に上げられないかな。見えなくなると不便だから、ねっ!」


神楽は言葉を返しつつ、すぐさま反応した。集眼卿よりも先んじてその後ろからこちらへと突っ込んでくる紅花月の下っ端ども。それらを瞬く間に切り伏せつつ、何人かは背後へと突き飛ばして先ほどまで戦っていた者たちへとぶつける。


「自衛隊の方々!背後は任せますよ。ここが踏ん張りどころです。」


そう言いながらも、神楽は戦況の把握に努めつつ、集眼卿のレイピアと切り結ぶという離れ業を行っていた。


(横穴二つ、衝撃的な登場は結構だが、人員はそこまで多くない。勝利君の話だと、何やら敵の親玉は勝利君にご執心だそうだし、そちらに人員を割いているのだろう。なら勝機はある。まずはこいつをどうにかして―――)


「私相手に他のことを考えている余裕があるとお思いですかな?」


先程までの速度とは異なり、鋭さを増すレイピアの突き。雷のように鋭く変則的に迸るその冴えは、あたかも先程までは小手調べだとでも言うかのようだった。緩急の差が激しい、それは一撃の鋭さをさらに際立たせる。


「もちろん、余裕だから大丈夫さ。」


神楽は、一切動じなかった。このような技、日常で常に体験している。むしろそういった技術を高めたからこそ、己は強くなったのだから。そして、こちらは成長している。


「剣術特殊開放:第一、発動。」


勝利から教えられた剣術の先。勝利自身が体得した技は自分には不向きだが、ないよりはマシ、ということで体得してみた(というのは建前で本音はなにそれかっこいいという中二心が再発した)。


そして、特殊開放は、本人に最適な形で体得するということを学んだときに、神楽は歓喜した。身体的には打ち止め、ならばこそ、自身の描いた最強の俺を体現すべく、より剣術の修行へと励んだ成果が今。


「『観測眼オブザベーション・アイ』」


あらゆるものの情報が瞬時に目の前を駆け巡る。


鼓動、息遣い、筋肉の動き、空気の流れ、外気温、すべてが停滞することなく動くそれらをつぶさに観測、自身に最適な解をはじき出し、動きに直結させる。


スキルによる補助とは一線を画す情報の波、それらを処理し、視界に相手が動くであろうラインが表示される。それに従って、ただ刀を振るうだけ。


「ほっほ、これは、マズイですねぇッッッ!!!!」


集眼卿、本名ジェイコブ・ウィリアムは、レイピアを振るう度に強い衝撃が駆け巡りだしたことに、驚愕した。先ほどまではどこか受け流しに専念していた相手。しかし、なにやらスキルらしきものを発動した瞬間から、己の得物が耐えがたいほどに振るえるのだ。どのように技を繰り出しても、フェイントを入れようとも、すべてが動き出し時点で対応される。そして、鋭い一撃ですべてが弾かれる。


(まずいですねぇ、このままではレイピアが破壊されてしまう。おそらく決着をつけないのは周囲の状況を整理しているからでしょうね。このままでは負けてしまいますか、どうやらこの人はとても眼が良い様子。なら私と・・・一緒ですねぇ。)


「さて、そろそろ薄気味悪い君とはおさらばさせてもら―――」


「ほほほ、そういわずに、もう少し遊びましょう。」


言葉を遮り、ウィリアムは一度距離を空ける。そして何事かを呟くと、腰に付けていた眼球たちが


「第二ラウンドですね、興奮してきました。」


「こちとらそうも言ってられないんだけどね。仕方ない、来なさい。」


神楽の言葉を聞いて、ウィリアムが一歩踏み出す。その緩い一歩はおそらくブラフ、だが今の神楽はブラフを看破し、そのあとの本命の一撃すら完全に見えてしまう。そうであるなら話は早い。急激な加速、そして直前で一歩強く踏みしめスピードを殺す。さぁこい、そういわんばかりの表情で相手の足、体、顔と見て行ったとき、神楽は凍り付いた。


全ての目が、こちらを向いていたから。


「――――――ッ!!!」


相手も、こちらを観察していた。動きを完全に読まれていた、そう直感的に悟る。そして今の態勢は進むことは出来ても退くことは出来ない。一瞬の間に思考の応酬が成される。


最初の一手を打った時点で負け。返す一手で完全に仕留められる。それならばこちらも返し技を放てばよい、だがそれすらも読まれていたら?


緩やかに過ぎる時間の中で、加速した思考が駆け巡る。だがしかし時間は待ってくれない。


「ふっ!!!!」


刀が下から振るわれる。それに対し、ウィリアムは体を半身にし、紙一重で避ける。そして後ろになった手で持っているレイピアを振りぬいた体勢の神楽へと向け、鋭い突き。だがそこで神楽はコマのように回転し、廻し蹴りで強引にレイピアの機動を逸らした。だがしかしそれすらも予測済み。逸らされたかのように見えたレイピアはそのまま次の一手を放つための予備動作へと入り、切っ先をしならせて鋭く切り込んできた。飛び退き、すぐさま体を相手へと向ける神楽。両者は再びにらみ合い、互いの実力を察する。


「君、結構いい眼を持ってるね。」


「おっと、それは私に対する皮肉ですかな。それを言うなら貴方も、相当いい眼をしている。特殊開放とやらですか、気になりますねぇ。」


軽い言葉の裏には無数の戦闘シュミレーション。互いに相手の至る所を観察し、考察し、脳内で最適解をはじき出し続ける。思考の戦いは、まだ始まったばかりだった。


一方好子は、多すぎる相手に嫌気がさしていた。もういっそのことここら一帯吹き飛ばしてやろうかと、そんな危ない思考をめぐらせていたのだった。


◇◆◇◆

ところ変わって第三班。榊原達一行はだだっ広いダンジョンの中をくまなく探していた。否、平面的にはそこまで広くはないのだ。広いのは、縦。


「はぁ、隊長ー。流石に横穴多すぎませんかぁ。」


「まぁ、そういうな水川。抜け道が少ない分、他の班よりは楽な方だ。それにしても交戦が無いのは妙だな。ほぼ一本道だからここまで出会わないこともないだろうに。一体どうやって身を隠しているんだか。」


ため息が至る所で出る。彼らのいる通路は横幅が20メートルと通路というには少し広い。しかしその両端に聳え立つ高さ数十メートルの壁と、無数に空いている横穴が彼らの進行速度を著しく落とさせていた。横穴たちは至る所で繋がっており、それらをつぶさに調べていたのだからそれも仕方ないこと。更にとある事情がそこに加わり、より一層彼らの士気を引き下げていた。


「また来ますよ。」


「分かってる。総員、構え!」


隊の皆が揃って銃を構える。銃口の向かう先は上空。


「「キシャーーー!!!」」


ダンジョンに突入してすぐにこのような地形へと出会うのがこのダンジョン。ここに生息するモンスターは、壁の上の方にある巣穴から飛び出してきて襲ってくる。つまり飛行系の魔物。気を抜けば無音で迫ってくるものもいる為、気を抜くことが出来ない。またエンカウント数も多いため、自衛隊の面々はいら立ちが募っていた。


空を滑空して接近する二つの影。所謂ハーピーと呼ばれているこの種はまだ奇声を発してくれる分いい方なのだ。今回も出現早々体に複数の弾丸を受けて地へと落ちる。


「はぁ、疲れました。ずっと上向いてて首が今にも取れそうです。」


「水川、だから何度も言っているだろう、全体の士気を落とすような―――ッ!」


榊原は勝利から教わった敵意感知のスキルが発動したことで話を途中で止め、即座に後方に落ちている先ほど打ち抜いた魔物、その直上へと銃を向ける。


「キャハッ!バレちゃったね!」


にこやかな笑みを浮かべ落ちてくる小さな影。榊原は依然続くスキルの警報に従い、弾丸を発射する。


そして、そのほとんどが空を切った。


「立体機動とか、どこの漫画だ!!」


マントの下から伸びたワイヤーが壁へと突き刺さり、空中で軌道を変え銃弾をひらりと変える敵。そのまま壁を器用に走り、次のワイヤーを射出。両壁面へと届いたそれを頼りに宙に留まるそいつを見て、榊原はとある人物の名が浮かび上がる。


「貴様が千手観音で間違いないな。」


「うーん、その呼び方は嫌いだけど、一応そうだね!」


ワイヤーを器用に使い回転したり、変なポーズをしたりしつつ榊原へと返答する千手観音。隙だらけのその姿に発砲してしまおうかと考える面々だったが、榊原の指示で一気に気を引き締めることとなる。


「全員、上空を警戒!敵は上から降ってきた、仲間どもが上へいる可能性が高い!」


鋭い指示に、全員が銃口を上へと向ける。言われてみればそうだ。この小さな少年か少女かわからない者の態度に緩んだ思考が一気に警戒体制へと移行する。


しかし。


「大丈夫だよぉ。僕以外は誰もいない。だってこのダンジョンで僕の動きについてこれる人なんていないんだもの。」


そう言ってまた複数のワイヤーを両壁面へと射出し、アンカーでしっかりと固定されているのを確認する千手観音。どういった原理かわからないが両壁面を繋ぐようにワイヤーが伸ばされているため、宙に一本線が複数描かれていた。そのワイヤーへと器用に立ち、動きを止めて榊原達を見下ろす千手観音。


「さぁ、始めようか。全員経験を積んだ大人でしょ?そしたら、どんな手をしているのかなぁ。綺麗?ごつごつ?傷があったりなかったり、ぬくもりを感じさせたりしなかったり!あああ、楽しみだなぁ。」


「・・・何を言っている?」


「ふふふ、気にしないで。それよりほら、ぼーっとしてたら、襲っちゃうぞ!」


ふらと今立っていたワイヤーから飛び降りて、すぐに別のワイヤーへと飛び移る千手観音。今までと違うのは膝を折り曲げ、体重がかかったことでワイヤーが撓んだ事だけ。まるで、反動を利用して次へと飛び移ろうとしているかのような。


「散開!」


気付いた時にはその動きは始まっていた。

何気なく動いたとでもいうそれは、その軽さに反して鋭く跳ねた。


もし、ワイヤーを次々と飛び移り、反動も利用して弾丸のように不規則な動きができるとしたら。翼を持たない人の身でそのようなことができれば、それは空を制したと言えるのではないだろうか。


まさしく、千手観音という人間は、高速立体機動を体現していた。目で追うことが難しい速度ではない。しかし、目で追うことが不可能と思えるほどに、それは全方位に、縦横無尽に飛び跳ねる。首が追いつかない、全員がそう思った。否、一人だけ、完全に目で追えていた者がいた。


「曲芸だけで、どうにかなるとでも思ったのか?」


素早くアサルトライフルを背中に回し、代わりに両手で拳銃を握った。


音が両手から6つ、合計12の弾丸が放たれ。


宙を舞うピエロの動きから予測される着地点、その周辺までを含めたワイヤーのアンカー部分を悉く撃ち抜いた。


「ひゅー、やるじゃんー。よっと。」


己が宙に放り出されたというのに、悠長に榊原の芸当を褒める千手観音。勝利からの報告によれば、千里せんりという名らしき人物は、その言葉の最中、新たに懐からワイヤーを射出、今度はそれを利用して地へと降り立った。身軽すぎる挙動に、ありえないほどのワイヤーの量。話によれば更に大量の暗器を持っているらしいこの人物、どう考えてもスキルの力と思って間違いないだろう。


未だゆったりとした動作で髪を掻いたりする千里。その表情からは何を考えているのか予想もつかない。


「そうかそうかー、上から一方的にって思ってたけど、そうもいかないみたいだなぁ。」


ぽりぽりと頭を掻く手を止めて、両腕をマントの下に隠す。完全に体がマントに包まれた状態で、ポツリと言葉を漏らした。


「んじゃ、いつも通りか。」


言い終えた直後、ズバッと大きく広げられたマントの下に大量の暗器が。その全てが一斉に榊原たちに発射される。


いち早く敵意感知が反応していた榊原、水川の2人は即座に目を凝らし、銃撃を行う。榊原は体に当たりそうな物だけを的確に撃ち抜き、水川は強烈な一撃によって纏めて粉砕する。しかしその他の隊員はそうはいかない。榊原と同じように銃撃で撃ち落そうとする者、鉄の盾でガードする者、それぞれが各自で対応する。盾を持つ者はまだいい、しかし、銃撃で撃ち落そうとした者は数カ所体に傷を受けた。


最悪は、突然訪れる。


「ぐぐぅ!」


傷を受けた者が、うめき始めた。

痛みにもがき、立つことすらままならない。


「盾隊は水川を守れ!他のものは動いてあの武器に当たらないようにしろ!」


迅速に指示を出す榊原。そう言っている間にも、次弾の装填が終わったのか、ゆらりと動き出した千里が暗器を飛ばしながら肉薄してくる。


負傷者を盾の内側にいれつつ、水川を囲った盾隊。それと千里とに挟まれる形となった榊原は、暗器一つ一つを躱し、打ち落とし、やがてゼロ距離となった千里の鉈に銃剣の切先を合わせる。甲高い音とともに火花が散るなか、すぐさま刃を滑らせて千里の胴体を切り裂こうと動き出す。だがしかし、マントの内側が少し開いたかと思うと、小型のナイフが飛び出し、急遽銃剣の軌道を変えてそれを打ち払う。そのまま一歩後退し弾丸を発射するも、弾丸が見えているかのように少しだけ体をずらして躱す千里。どうやら有名になっただけはあるようでレベルはかなり高いようだ。だが榊原も自衛隊屈指の実力者。相手が高レベルなら遠距離からの銃撃は躱されるだけだと知っている。それならばと銃剣を手放し、すぐさま拳銃とナイフに持ち替え、千里に肉薄する。飛び出す様々な暗器は厄介だが、近づいてしまえばマントの下からしか出てこない為ある程度は挙動を予測し防ぐことができると判断。よって接近戦を相手に強いた。


対する千里はいまだ余裕な表情で、鉈を巧みに使い榊原の攻撃をいなしている。榊原は拳銃を攻撃の合間に発砲するも、初動を見切られすべて暗器の迎撃に回さざるを得ない状態に持ち込まれた。


両者の実力は拮抗。だが、榊原の方は限りなく不利だった。千里が攻撃の合間合間を縫って盾隊めがけ暗器を飛ばし、隙あらばそちらへと行こうとする素振りを見せる。それだけは防がねばならず進路を遮るが、今度は千里が榊原を利用して水川達の射線を塞ぐため援護射撃ができない状態となる。意図して一対一に持ち込まれた状況でさらに守りと攻めを同時に行わなければならず、榊原は防戦一方となった。


その状況を面白く思わないのは盾隊に守られた水川だ。完全に足手まといとなった自分が悔しい。その感情が彼女に前へ出る選択をさせそうになる。しかし、本来自分は長距離射撃や、援護射撃が役割であり、ここで前へ出て戦うという手段を持たない。結果としてスコープ越しに追い込まれていく榊原を見るしかなく、歯噛みをする思いだった。


「あったまってきたね。それじゃ、これはどうかな。」


恐ろしいまでに細かく速い動きで第三班の動きを完全に封じていた千里。準備運動が済んだという言葉とともに、更なる迫撃を仕掛けようとマントを翻す。


「『一手五指』」


スキル名を放つ千里。途端にマントの素材である手の皮達が蠢き、無数の手を構成する。そして、そのすべてが虚空から武器を掴み、瞬く間に千里は武器達磨となった。その光景を間近で見ていた榊原はこれはまずいと冷や汗をかく。離れる時間もなく、怒涛の連撃を喰らう羽目になった。


「くっ!!」


防ぐ、躱す、防ぐ、躱す。幾度となく繰り返す。傷こそまだないがこのままだといつ何時毒を喰らうかわからない。横をとっても背後をとっても、襲い掛かる無数の手と無数の武器。それらを飛ばしてくる様子がないだけまだましだ。正面さえ押さえていれば仲間に被害がいくことはない。撤退も視野に入れ、自分が殿を務めようかと考え始める。そして口を開こうとした矢先。


「隊長!飛んでください!!!」


その言葉、その声の主に、一番早く反応したのはやはり榊原だった。長年連れ添ってきた相棒たるその人物、信頼は並みのそれではなかった。


即座に全力で上へと飛ぶ。一般人が咄嗟に飛んだとしても人の身長程は飛べないだろう。しかしここは摩訶不思議なダンジョンで、その恩恵を受けた人間もまた超常の存在。力を込めてジャンプをするだけで3メートルもの高さまで跳ね上がる。


この時、千里の視界には、榊原しか映っていなかった。それは自身が位置取りをしていたこともあり盾隊のことは一切視界に入っていなかった。加えて高速で戦闘をこなしていたことで、その声を捉えることはできなかった。だから突如として榊原が宙へ飛んだことが滑稽にしか見えなかったのだ。状況を変えたかったのだろう、だがしかし宙へ飛んだことで完全に的になってしまった。こいつを戦闘不能にすれば自分に追い付ける人間などこの場にはいない、恍惚の笑みを見せた千里。しかし、直後視界の端に移ったそれに、体が凍り付く。


今まで盾隊により強固な陣形を保っていた彼ら。その盾が中央で割れ、寝そべった女性を露にしていた。そこからこちらへと伸びる無機質な銃身。


乾坤一擲。状況を変える一手、否、一つの弾が轟音とともに発射される。


それは空気を切り裂き、音速を超えて、小さな体―――


「あっぶないねぇ、ちょっと狙いを変えようかな?」


―――を覆い隠すマントを突き破った。


「――――――ッ!!!」


反応された。間違いなく不意打ちだったにも関わらず、後出しの反応で躱された。恐ろしいまでの反射神経。そしてボディーコントロール。榊原と打ち合う際、中腰となりより低い位置から攻撃をすることで相手に攻撃の選択肢を狭めさせていた千里。そのため相手が上に飛んだ時も中腰のまま、さらに言えば顔を上げていたためその体勢は咄嗟に動けるものではなかった。だがしかし、銃口を視認した瞬間、後ろに倒れるように重心を思い切り傾け、次いで右足で地面を少し蹴ることで自由落下の軌道を少し変え、銃弾の軌道から外れたのだ。咄嗟の行動で難を逃れた千里は、後ろに手を着き、地面に倒れる寸前で体勢をひっくり返し四つん這いとなった。そのまま今度こそ榊原を狙い打とうと顔を上げたところで―――


「よくやった水川。」


―――空中から落下してきた榊原が拳銃のグリップ部分で強く千里の頭を叩いた。

全力の一撃は容易に脳震盪を引き起こし、千里の意識を刈り取る。


一番はやく戦闘が終了したのは第三班だった。


「なんとかなったな。」


「ええ、なんとかなりました!」


「とはいえ、相手が一人だったから何とかなったと言うところだろうな。これで後ろから攻撃でもされていたら終わっていた。」


「はは、そんなこと言うから。」


今までどこにいたんだというツッコミさえ出そうなほど、上空から無数の影が舞い降りた。魔物たちは弱ったところを見逃してはくれないらしい。


「隊長がフラグを建てるから。もう!」


「冗談はそこまでにしておけ。負傷者を抱えろ!魔物は俺と水川、それと手が空いた隊員総出で処理をする!」


三班の戦いは、まだ続くようだ。


◇◆◇◆


各班が紅花月と遭遇、戦いを繰り広げる中、ダンジョンは静寂を貫いた。


誰もが眼前の戦いに集中していて、ここがダンジョン内だと忘れていた。


一班、二班は言うまでもなく、第三班のいるダンジョンでさえ、普段とは魔物の出現頻度が下がっていた。三つのダンジョンを主に使っているわけではない勝利達は、それに気づかなかったのだ。だからこそ、ダンジョンの変化に気付かなかった。


ダンジョンの入り口を管理する自衛隊の隊員。彼らの内の一人が、入り口を見てつぶやく。


「いつにも増して、唸ってるみたいだなぁ。」


それは風の音。ダンジョン内から吹く風が音を出しているだけ。それだけのはずなのに、今日は一段と、低く、恐ろし気に響いていた。


あたかも、獣が得物を狙い定めている、その瞬間を想起させる。


三つのダンジョン。戦場となっているのは偶然か必然か、すべてが第三層。

ダンジョンは、選択をした。各ダンジョンにある、とある場所、滅多なことでは発見すら困難な隠しルームと言うべきその場所達で、同時にが始まる。


急速にその胎動は早まり、限界点を迎えたところで、壁にヒビが入った。


「「「ガァァァァァアアアアア嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!!」」」


産声を聞いたダンジョンは、喜ぶように一度、小さな地震を起こす。誰にも気づかれずに、狂気は生れ落ちた。


◇◆◇◆


・ダンジョン攻略進捗状況

『不知火勝利』

・到達深度  →不知火邸ダンジョン六層攻略途中、その他、複数のダンジョンを平均して4~5層。

・討伐関連  →鬼人、アラクネ、ギガパンドラット複数討伐。

・レベルアップ→なし ※現在Level.6

・スキル   →斧術(特殊開放第三段階)・剣術:タイプ『刀』(特殊開放第二段階)『短剣』(特殊開放第一段階)・暗視・マッピング・体温一定・敵意感知・心眼・疾駆・剛力・戦気

・称号    →セット『討伐者の行進スレイヤーズパレード』・控え『討伐者』系統多数『最速討伐』『不倒不屈』『無慈悲の一撃』『剛力粉砕』『災いの種:タイプ****』


・攻略状況一覧

 各地でダンジョンに名前が付けられ始めた。

 クランが複数結成され、同時に、民間企業が攻略者たちを複数の項目でランク付けを開始した。


・【最*】系保持者情報

 『最速討伐』→不知火勝利しらぬいしょうり

 『最大射程』→水川英理みずかわえり

 『最大威力』→柳日向やなぎひなた

 『最大精度』→榊原健次郎さかきばらけんじろう

 『最多殺人』→神無月かんなづきラウロ

 『最大防御』→****  etc.

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