物語る「声」の魔法

ファンタジックな題材や道具立て、巧みな展開はもちろんですが、特に驚かされたのはその語り口です。「作者」ではなく「語り部」として物語をかたっているような、名も知らぬ遠い国の昔話を翻案しているかのような、静かに整った文章。それでいて行間から滲む、甘さ、苦さ、物悲しさ、そして残酷さ。大人でも(もちろん子供でも)楽しめる、現代の童話だと思います。

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