俺の友達 2話 sid~イケメン顔の竜磨~


精一杯の強がりと、私の自己満足です。


後悔は無い。


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 (3年の、先輩・・・・・・・・)


 酷く強面をした男数人が身につけていた制服に記された、『Ⅲ』の文字。この学校特有の学年を表す文字であり――彼等が先輩だと証明していた。

 俺と誠也は勿論1年で、死角で見えない女子も恐らく1年だろう。


 今の時期で、先輩が目に付けるのは一番下の1年が大本だと思っている。


(無理だろ・・・・・・・・・・・?)


 状況は絶望的だ。むしろ、先程までの相手が男、という情報だけの方が冷静で居られた。どういうことだ!?先輩との不祥事ともなればアイツは生徒指導どころでは済まない。

 下手をすれば教育委員会での議題になる可能性すら在る。そんな状況に、どうして・・・・・・・・・・・・。


「もう一度問います。貴方達は、何をしているんですか?」


(え・・・・・・・・・?)


 さっきの先輩達の言葉が聞こえなかった――いや、それはありえない。自分の考えを自分で否定して、俺は首を振った。聞こえないわけが無い。

 誠也よりも離れた位置に居る俺にすら内容が明白に届いたのだ。誠也に届かないはずがない。


「ああん?うるせぇんだよさっきから!」

「見てわかんねぇのかこのガキ!」


 怒りが、誠也へと注ぎ込まれた。

 その中で、何も喋らずにただ男達の瞳を見据える誠也。ちょうど反対側に立つ誠也の瞳は、一瞬の揺るぎも無く意志を宿していた。


――体中を、雷鳴が駆け抜けるように震えが襲った。


 それは、畏怖か、恐怖か、尊敬か、羨望か、嫉妬か。言葉に纏められない複雑な感情が合わさって混ざって―――


「かっけぇな・・・・・・・ちくしょぉ!」


 えないと、やっていられなかった。誰にも届かない小ささで俺は自分を鼓舞した。自棄とも言う。

 けど、それで良い。


「おい!俺も1年の見方するぜ!」


 同じ1年なのに、上からの物言い。何様だって思ってるんだか。

 でも、それで良い。


「そこの女子!今すぐ逃げて職員室へ行け!」


 見れば『Ⅱ』の文字。先輩に向かってタメ口で、しかも命令口調。最悪だ。彼女の瞳には俺も先輩と同じように映ったかもしれない。

 だが、それで良い。 

 

 最後の力を振り絞るようにして少女は走って行った。呆気に取られた先輩たちが残る。

 

「先輩方?少年院への入り口が来るまで、俺達と遊んでくれないか?」


 不良の先輩に向かって、上から目線。絶対に許してくれないだろう。

 それに、誠也も俺の都合で、一存で巻き込んでしまった。後戻りは出来ないし、怪我でもしたら俺だって少年院に送られるかもしれない。


――だが、それで良い!


 誠也の顔を見れば、驚いたように俺を見つめたままだった。馬鹿だと罵ってくるか。それとも巻き込んだことを怒ってくるか。それとも、いつもと変わらずに1独りで居るか。

 けれどそれは、全てが終わった後だ。



 先輩達は、何も言わなかった。けれど、不良同士の息の合った思考なのか、半分に分かれて俺と誠也の方へと歩き出す。

 怒りに満ちた、殺気まで感じるような恐怖。まるでのような・・・・・・・・・・・・・・・・・。


(・・・・・・・・・・・・・・・・なんだっ・・・・・)


 突如笑みを浮かべた俺に、今度こそ先輩は反応を示した。歩いて来るのは3人。誠也には2人。3人の屈強な男。しかも先輩で不良。でも――


(誠也のの方が怖かったよ)


――視界が、一気に開けた。


 まるで雲の隙間から差し込む陽射しのように恐怖が解けていく。この先輩達の怒りは全て、小学1年生の感情だ。

 自分の思い通りにいかないから拗ねる。拗ねて逆ギレして、そしてまたそれを繰り返す。


(なんだ)


 怖くなんかない。先輩だからなんだったんだ?目の前の男は――



「ただの子供みたいだぜ?」




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・・・・・・・・・・いや、あったかもしれない。


でもまあ、偶にはストレス発散したかったから。うん。語彙力が無いのは勘弁して~。

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