私、照れたり遊んだり。

なぜか祐樹くんが黙ってしまった。

やっぱり、祐樹くんの知らないところでお義母さんと仲良くなるのはまずかったのかな。

拗ねた?


「えっと、祐樹くん?どうしました?」


「いや、その、お袋と桜ちゃんの仲が良ければ、将来的に……良いことだなって……」


言いながら照れているのか、尻すぼみになる祐樹くんの声。

言われてる私も顔が熱い。

だって、将来的にって、つまり、け、けっこん、とかってことで……


恥ずかしさを誤魔化すように手でパタパタと扇ぎながら時計を見ると、既に12時を回っていた。


「祐樹くん、時計を見てください。明けましておめでとうございます。」


「へ?……あ、ほんとだ。明けましておめでとう。今年もよろしく。」


「はい、よろしくお願いします。」


やっぱり祐樹くんは気づいていなかったらしい。

そんなところも祐樹くんだなって思う。

可愛い。……ただの惚気だよね。


それから、私たちは取り留めもない話題をころころ変えながら話した。

「最近寒さが厳しい」とか、「おせちってあんまり美味しくない」とか。


私の家の話もした。

祐樹くんが呟いた「いつか挨拶に行かないと」という言葉に二人揃って赤面したのは言うまでもない。


そんなこんなでそろそろ1時半くらい。

電話の向こうで祐樹くんがウトウトし始めた。

相槌が単調になってるから、わかる。


「祐樹くん、そろそろ眠いですか?」


「うん……」


ちょっと遊んでみよう。


「祐樹くん、好きですよ。」


「うん、俺も桜ちゃんのこと大好きだよ〜」


寝ぼけているのか、祐樹くんが直接的に愛情表現してくれた。

いつも照れて、結局言ってくれないから……

えへへ。嬉しい。


「祐樹くん、そろそろ切りますよ。」


「うん……切る……」


「ちゃんとベッドに入って寝てくださいね。」


ちょっと母親みたいになってるけど、祐樹くんが風邪を引いてもらっては困る。

だって、私が家に帰ったら、一緒に神社に行こうと思っているから。

本当はこの電話で誘おうと思ったのだけど、切り出す前に祐樹くんがウトウトし始めた。


「祐樹くん、おやすみなさい。」


「おやすみ……」


その後祐樹くんがちゃんとベッドに入ったのか気になりながら、私は台所へ行った。

かなり喋ったから喉も渇いたし、何より電話のせいで眠くない。

テレビ見ようっと。


------------

あけましておめでとうございます。今年も今作品をよろしくお願いします。と言っても番外編は三ヶ日の間に終わってしまいますが……リクエスト受け付けてますよ!

それから、新作のお話。ちょっと思うところがありまして、10万字目指そうと思うのです。きちんとプロット作りからやります。そのため、新作が投稿できるのは何年後になるか……

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