第2話 蛇の眼


ーハンバーガーショップー


「先輩、お待たせしました。」

「今日は練習休みなの?」

「はい!久々の放課後休みです!」

サキはソロアイドルだから会える日が玉にしかない。それでも懸命に会おうと頑張っているところが彼女の優しさの証明とも言えるだろう。

「ジェイ先輩は来ないんですか?」

「あぁ、ジェイはジムに行くらしいよ。せっかくサキが休みだというのにもったいないねぇ。」

「でも強くなるために鍛えてるのは凄いですよね。私も先輩達に負けないように強くならなくちゃ。」

むしろその何でもポジティブに捉える精神が私は凄いと思う…

「というか…サキはそんだけしか食べないの?」

トレーに乗せられたハンバーガーはどう見ても1ドル(日本円で100円)タイプの一つとカップサラダしかない。

「やっぱり私はまだここの食事には慣れてないんですよ…アイドル活動もありますし、何よりここのハンバーガーが一つ辺り294.9カロリーもすると聞きますし。」

「か、カロリー計算しっかりしてるんだね…」

まぁここら辺は流石と言うべきか…

「それで…前回はどんな事件だったんですか?」

「ん?あぁ、またエキドナが脱走して街で暴れてたってだけだよ。」

「そうなんですか…あのエキドナがまた…」

あの後、エキドナはより脱走しにくい刑務所に送られたんだとか…頼むから今度はもう少しマシになってもらいたいね。

「そんで、これ食べたらどうする?」

ミルクシェイクを飲みながらサキに聞いた。

「ジェイ先輩を迎えに行きますか?」

「それも悪くないかな…」

シャカッ…

「ポテト、食べる?」

「あ、ちょっとだけ頂きます。」


ージム前ー


「何だ、お迎えか?」

「サキの提案であんたを迎えに来たの。」

「おっ…そうなのか!わざわざ悪いな!」

さて…ここからどうしようか。

ビシャッ!

「うげっ…何これ?チラシ?」

風で私目掛けて飛んできたのは何かのチラシだった。

「占い屋のチラシか…ま、興味ないし。」

チラシには「蛇の眼であなたを占います」というような謳い文句が書かれていた。蛇の眼でってそれ何なんだろう?

「ラック刑事のところに行かねぇか?サキもいるんだからちょっと顔見せ程度にさ。」

「ついでに「飯行こうぜ」とか言わないでよ。」


ーロサンゼルス市警本部ー


「何だ、お前達かよ。」

完全にジェイと同じ反応だ…

「今日はサキが休みだからちょっと顔見せしようと思ってよ。」

「そうか…色々とお疲れ様、サキ。」

「はい、ありがとうございます。ラックさん。」

「それで、今は何をしてるんです?」

「とある連続誘拐事件のことを調べててな。何でも「蛇の眼」とかいう占い師を疑っている。」

蛇の眼…!さっきのチラシのやつだ!

「それ…さっきそのチラシを見たんですよ。」「最近ここらで出来た占い屋を睨んでいてよ、そこの占い師「ネーク・コブラ」に誘拐容疑がかけられている。」

誘拐?でも誘拐してるなら店内捜索ですぐ判明すると思うんだけど…

「どうやら、彼女に占いを頼んだ一部の客が店に行って以降、行方不明になっているということが発生してるらしい。」

「事情は分かった。今後、その事件について何かあったら連絡をお願いします。」

また一つ…大事な活動を引き受けてしまったか。

続く。

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