第46話

「え!田村チーム!?僕たち県選抜って聞いてたんですけど。」

「ああ、毎年恒例だな。騙されてたんだな。」

「あの人いたずら好きだな。」


「とりあえず、ちょっとやってみるか?1on1、そこのハーフでかいの。」

「え、僕ですか・・・」


ハルヒがコートに出されて、1ono1がスタートした。

デフェンスするがなんなく崩されてシュートされまくっている。

「もっと脇しめて!そう、腰落として。」

オフェンスをしてる人からアドバイスうけながらプレーしている。

「そう、こうきたら、そこで手をのばす!」


「あいつ、1on1って言ったよな。」

「ああ、もう指導になってるな。」


「脚に力いれろ!お前、見た目だけか。もっと活かせ。

でかいって最大の武器だぞ。絶対ここ通さないって体で表現するんだ。」

「そ、そんなこと言われても・・・」


ピーっとホイッスルが鳴った。


「そこまでだ、整列!」

「あ、八木先生。この人たちってもしかして、」

「ジョー、今から紹介する。」


「勝手にはじめるなって言ったでしょう。まったく。」

「すみません、つい。」

「自己紹介、お詫びもかねて君たちからね。」


「さっきは悪かったな。

東海大学バスケ部所属、俺は黒田。隣から、前田、大林、白木、後藤、小木。」

「全員、大学生。」

「しかも東海大学って、」

「何強いの?」

「何言ってんの、全国1位だよ。」

「1位!?」

「そうだ、田村コーチのもとで教わってる。」

「え!」

「コーチに、地元でチームに入れたい奴らがいたから見てくれって。」


ひそっと八木先生に

「東海大学って関東ですよね。僕たち東海地区じゃ・・・」

「お前ら何時間車乗ってたんだよ。」

げ、まさかここ関東なのか。

東海地区の中学生のために、自分のチームまで連れてきちゃうのか。

「何も、無謀でじゃないぞ。俺はもともと東海圏出身だし、今回は上手いやつが揃ってるって聞いたのと、

教え子が弟子とったって聞いてこりゃいても立ってもいられなくてな。」


弟子って。

「それ俺らのこと!?」

「まだ中学生かもしれないけど、もう中学生だ。あっという間だぞ。俺らも中学は全国ばらばらだったし。」

「そうそう、俺なんて福岡だし。」

「強いやつらは、強いところに集まる。」

「そう、だから、」


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