第2話 経緯

「ごめんね?でも、今日はバス運休なのになんでバス停に?」

メイさんに聞かれたので、事情を説明。

「あら、そうなの。人間界も世知辛い世の中なのね。だから、みんな元気無いのね…。私も、無職よ。飼い猫になれなかった「負け組」ね。」

猫界もみんな世知辛いんだなとつくづく思った。

「メイさんはどうやって生活を?」

一呼吸を置いて

「じゃあ、来る?人間には激狭かもしれないけど。」

メイさんに連れられ、メイさんの自宅(現在)に着いた。

そこは、思ったよりも広く整った部屋だった。

「めっちゃ、綺麗ですね。広くて居心地良さそう。」

「そう言ってくれると嬉しいわ!ちょっとでも乱れてるのは嫌なのよ。だから、いつもこうやって、綺麗に整えているの。」

顔を赤らめながら話すメイさん。


「私ね、野良猫になってすぐに妊娠して産んだんだけど、すぐに死んじゃって…。その時、絶望感と罪悪感を味わったわ。」

メイさんにそんな過去があったのか…。なんか、自分の置かれている環境・境遇が馬鹿らしく感じた。

「メイさん。メイさんのおかげでなんか、色々と吹っ切れました。ありがとうございます。」

とメイさんに言い、一旦その場を去った。

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