ニートが野良猫に恋をした

@noritaka1103

第1話 出会い

「あー、今日も駄目だった。歳で落とされてる気がするんだよな…。将来が不安すぎる!!」

これで、10社連続の不採用通告。それまでは、銀行員として働いていたが「不況」の煽りを受け退社。それ以降はこの有様である。

現在は、友人の家で居候をさせてもらっている代わりに料理・洗濯・買出しをやっている。


「どうだったんだ?…そうか、残念だったな。でも、切り替えていくしかないでしょ。」

ここは、大学の先輩の一軒家。その縁で部屋を貸してもらっている。

「先輩、ちょっと気晴らしに出かけて来ます。」

と言い、先輩の家を出た。


「山の方に行こうかな?涼しそうだし。…ここは猛烈に暑いけど。」

気候に文句を言いながら、山のほうへ足を運ぶ。

数分で、着ていた服が汗でびしょ濡れになった。

「すぐ戻る予定だったのに、結構歩いてしまった。」

一旦、バス停のベンチで休憩をする。

…数十分後、身体に衝撃を感じて目が覚めた。

「寝てた…のか。で、ぶつかってきたのは…猫?」

「ごめんなさい。お休みのところ、起こしてしまい!」

寝ぼけているのか、ただの空耳なのか?しかし、明らかに猫のほうから「声」が聞こえる。

「え?あー大丈夫です。ご心配なく…。」

と、普通に返事をする。

「え!?」

猫が驚いた表情?と驚いた返答があった。

「あなた、猫の言葉分かるんですか?」

正直、この猫は何を仰っているのか?と思った。さては、まだ起きてないんだな!と思い、自分の顔を思いっきりつねった。

「痛い!!え?じゃあ、現実…。」

徐々に、状況を掴んで理解。

「あぁ、えっと…僕は川原木です。近くに住んでます。」

何故か、自己紹介を始める。

「あたしは、善能寺メイよ。よろしくね。既に分かってると思うけどメスよ。歳はヒミツ!」

メイさんも自己紹介を始めた。



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