第7話

杉山 望帆 side


「あ゛?」


スマホがチカチカ光るからなんだろうと思ってみると、桐山のヤローから連絡が来ていた。

なんであいつ私の連絡先しってんの。気持ち悪。教えた覚えないし。



『こんばんわ。桐山諒です。

連絡先は情報屋に聞いた。すまん、急ぎなんだ。

千坂さんに手紙を返すのを忘れた。

だから、伝えといてくれ。

アレルギーは特にないと。

千坂さんのために、頼んだ。』


内容を見ると納得した。

あのくそ情報屋のヤローか。確か名前は……、田中、田中臣哉。

で、なんだっけ。

璃乃に伝えてって?


桐山の願いを断る→璃乃が悲しむ→桐山のこと嫌いになる→私の方を向く☆*。

……なんてことにはならないかなー。

つかそもそも璃乃が悲しむのが嫌だな。

璃乃に連絡しようか。


プルルルルルルル、プルルルルルルル、ガチャ

「もしもし」

「もしもし璃乃?」

「なぁに夜遅くに。」

「桐山から伝言預かったからさ。」


『桐山』なんて名前を出すのも嫌なんだけど、顔が見えない電話だから名前を出すしかない。

ほんとやだ。あいつ嫌いなのにいー。

でも、璃乃の声は少し嬉しそう。

帰り道少し落ち込んでたから、あいつから手紙が返ってこなくて。

癪だけど、感謝。


「アレルギーは特にないってさ〜。」

「そっか。わかった、ありがとね望帆。」

「んーん、いーよ!!パウンドケーキいつ作るの?」

「日曜日かな。望帆来る?」

「行く!!!!!!!!!」


デートの約束だぁい!!!!!!!!!

やったね!!!!!!!!!

今だけ桐山に感謝!!!!!!!!!

そのまま何時にどことかを決めて電話を切った。

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