第6話

家に帰って古文のノートを開ける。

一枚ひらっと紙切れが落ちてくる。

何かと思って開けば、千坂さんに渡すための手紙だった。


えっ、あっ、あーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!

千坂さんに渡すの忘れてた……………………。


連絡先、は知らねーし、千坂の友達、あの犬の連絡先も知らねえ。

しかも今日は、金曜日。

二日も会えねえ。

やらかしたかな……。

どーすっかな。きっとこれ、何かしら重要なものだよな。

どうするかな……。


ポロロンッ

「んぁ?」


スマホを見ると昼休みに連絡がきたあの悪友からだった。

あー、連絡返してなかった。

……こいつなら、あの犬の連絡先知ってんじゃね?

悪友に電話をかけることにした。

ついでに八つ当たりしておこう。


プルルルルルー……


「はいもっしもーし!!諒から電話かけてくるとか久しぶりだな!!なんかあったのか?あ、てかてめえ、昼の連絡返せよーっ!!」

「うるせえ糞ガキ。てめえのせいで手紙渡せなかったじゃねーかどうしてくれる。」

「え、それ俺のせい?俺のせいなの??相変わらず理不尽……。」

「てめえにだけな。でさ、望帆の連絡先知らねえ?」

「望帆?」

「そう、あの狂犬の望帆。」

「あぁ!!知ってる!なんで?」

「ちょっとな。今すぐ送っとけ。」

「ラッジャー!!」

「じゃあな。」


ブツッ

相変わらずうるさいあのガキは。

まぁ情報屋だし何かと使えるからいいけど。

程なくして連絡先が送られてきた。

気は進まないが、連絡をする。



『こんばんわ。桐山諒です。

連絡先は情報屋に聞いた。すまん、急ぎなんだ。

千坂さんに手紙を返すのを忘れた。

だから、伝えといてくれ。

アレルギーは特にないと。

千坂さんのために、頼んだ。』


千坂さんのため。を連呼しておけば多分無視することはないだろう。

多分……。

伝わっていますように……。

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