『裏切り村』ソウ

・概要


湖と王城との間に広がる穀倉地帯を管理している村々。ここら一帯の食料を生産している。正確にはいくつかの村が比較的近い距離で点在しており、緩やかな共同体を作っている感じ。

税は比較的安く、魔王軍との戦争でも防衛のために軍を派兵されるなど、この異世界の中では優遇されてたほうだった。

魔王軍侵攻の際には他所より子供たちが疎開地として何人も送られてきたが、先祖代々農民で村人全員が顔見知りと言った閉鎖社会では、王城含めた他の都市に嫉妬しており、ゆえに保護などせず、労働力として酷使した。劣悪な環境、少ない食料、持ってきた荷物は奪われ、逆らえば殴られ、逆らわなくとも殴られる毎日に子供の多くが死亡、さらに自国が劣勢と知れば子供を他国に売り、あるいは隠して証拠隠滅をはかる。さらにさらに魔王軍が退けられてそれらの調査と責任追及が始まるかも、となれば全面無罪を条件にカンパニーへと裏切り、自国への食料供給をストップした。

現在はカンパニー参加の農業施設として食料を生産し、異世界へと輸出しており、この世界では比較的裕福な生活を送っている。

村人は表面的にはにこやかに無抵抗に接してくるが、差し出された食料にはもれなく毒が入っており、寝てたら夜中に松明を持った群衆に囲まれるなどど普通。また見慣れない最新技術は悪魔の所業か神の奇跡のどちらかしかなく、前者なら敵なので殺して壊し、後者なら殺して奪う。


・地理


周囲は広々とした畑が広がり、半分が麦で、残り半分が様々な野菜を育てている。季節感関係なく畑の成長具合がまばらで、蒔きたて、若葉、収穫前が同じ風景に同居している。

案山子と土くれの曲がりくねった道で村々は繋がっている。

木と石とでできたいわゆる中世ヨーロッパ的な田舎の家々が並ぶ。

ただしところどころに場違いな建物があり、自動販売機や公衆電話、電柱にマンホールなど、カンパニーから提供された賄賂がそこらに転がっている。そのほとんどの使い方はわかってなく、倉庫だとされる箱も中に入れる口があるだけで出し方もわかってない。

家の中も同じ感じで、チラシや空の段ボールなんかが飾られている。

村の中心には広場があり、公共の屠殺場兼処刑場となっている。


・特産


遺伝子改造作物、法も倫理も無視した改造植物を売りつけられている。普通に見れば、疫病にも害虫にも強く、手間もかからず環境を無視して良く育ち、大きく多く美味しい。ただし収穫した種から次が芽吹かない。また花粉が広がることで周囲の植物も次を枯らす。使用すればするほどこの世界の植物が滅びに向かっているが、ここの住民はそのことを理解するよりも目先の利益を優先している。

遺伝子改造された作物は人間以外は食べようとせず、それは害虫だけでなく、豚や牛、馬なども食べない。なので畜産ができず、結果、肉を得るには狩りをするしかない。それも、作物に寄り付くのは人間だけしかいない。

料理としては大鍋に切った野菜と小麦団子を入れたごった煮のみ。食材は良いはずなのに味は最悪。また肉は調理前に取り合い奪い合いになり、生のまま食われる。

村の中心にカンパニーが置いた倉庫がある。だが倉庫となっているが、実際は栄養素製造機で、中に入れた食材を分解して必要栄養素ごとにまとめたカプセルに加工する。使うためのパスワードを知っているのは❤️陣営のみ。十民もは取り出せないことに疑問もなく、指摘するやつは敵なのでとって食う。

手間いらずな作物のお陰で農機具をほとんど使わないくせに、良いものを持っている。特に鍬や斧はこの国の兵士の武具よりも丈夫。

奴隷の売れ残りの子供も若干は残っているが、世話もせず、餌もやってないのでかなり弱っている。残飯を与えて太らせて食おうと思っているが、それが知れ渡っているため、食われないよう食べないで痩せてる。

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