自由民主・資本主義陣営(不完全)

●アメリカ合衆国

・ノースロップ A-9 "サンダーホッグ"(Northrop A-9 Thunderhog)

 本世界観ではハンス・ウルリッヒ・ルーデルがドイツ空軍に在籍し続けた為、A-10サンダーボルトは開発されなかった。しかしナチス・ドイツ空軍で採用されたユンカース社製近接航空支援用攻撃機に対抗し、同様の運用思想を持つ攻撃機の開発が求められた。その結果、史実では不採用に終わったYA-9が必然的に採用された。

 操縦特性では史実のA-10に勝るものの、防弾性やGAU-8 アヴェンジャーを発射した際の安定性に欠ける。その為、固定武装はGAU-8の他にGAU-9 30mmリヴォルバーカノンやM61 20mmガトリング砲への換装が可能と成っている。

 採用後の運用は史実のA-10を代替する形であり、量産型のA-9A、前線航空管制仕様のOA-9A、近代改修型のA-9C(GAU-12 イコライザーを搭載)等の派生型が存在する。

 因みにソ連のSu-25は、同じくユンカース攻撃機の対抗馬である事以外そのままである。


・スターム・ルガー P85/U.S.M9ピストル(Sturm, Ruger P85)

 史実のスターム・ルガーP85そのものだが、本世界観ではベレッタ92Fに替わって、コルトM1911の後継となる米軍制式採用自動拳銃の座に就いている。

 本世界観ではドイツ及び同盟諸国・占領諸国間とアメリカの国交が途絶してしまっている以上、これらの国で開発された自動拳銃はM9トライアルに参加出来ず、実際に参加したのはコルトSSP、S&W M459、ブローニングBDA9、そしてルガーP85のみに留まった。

 史実との差異は、先ず開発自体がM9トライアルに間に合っている事と、同社のP93以降に設けられていたスライド・セレーションがP85の時点で既に設けられている位である。


・コルト/パラ・オーディナンス M1911A2 / SOCOM Mk23

 本世界観ではH&K社が存在しない為、史実ではH&K Mk23に敗北したコルト社製試作拳銃がU.S.SOCOM=アメリカ特殊作戦軍の特殊作戦用制式自動拳銃として採用されている。この時点で冷戦は終結し米独間の国交も回復しているが、前述の通りH&K社が存在しない以上USP系列も存在していない。

 史実のコルトMk23はダブル・イーグルをベースとしており、要求性能を満たす為にグリップを延長しているが、本世界観に於ける本銃はダブルイーグルではなく、コルト社が提携したカナダのパラ・オーディナンス社製M1911クローンモデルのP10-45がベースと成っている。その為、銃本体の後部デザインは元のM1911に近い形状に戻っている。デコッキングレバーはラドム VIS-wz1935と同様、スライド後部に位置している。

 USPベースのMk23程の過剰な高性能さは持っていないものの、従来のM1911と大して変わらない操作性は特殊部隊員達から好評だった。


・コルト M17A1/A2 M5A1カービン、M27 IAR

 H&K社が(ry、HK416に相当するガスピストン式AR-15系列はコルト社が独自開発した事に成っている。

 ただしM27以外はアメリカの財政問題から全て更新するだけの軍事予算が確保できず、優先的に特殊部隊等に配備されているに留まっている。


・ブローニング・アームズ LAR-53(Browning Arms Light Automatic Rifle model 1953)

 史実のFN FALに相当する。

 ブローニングの弟子のデュードネ・ヨシフ・サイーブの設計で、当初はハーネル突撃銃に対抗して280ブリティッシュ弾を使用するモデルが開発されたが、競合相手のEM-2ジャンソンライフルに敗北する。

 その後基本設計を流用した308口径版を米軍向けに開発されたが、米軍は既に7.62mm口径自動小銃としてスプリングフィールドM14(及びAR-10も一部)を採用していた上に、本格的な突撃銃として後のAR-15の研究が始まっていた為、これも採用されず、結局英連邦及び南米諸国で採用・配備されるに留まった。


・ブローニング・アームズ GPMG-60/U.S.M240(Browning Arms General Purpose Machine Gun 60)

 史実のFN MAGに相当する。

 本世界観ではベルギーがドイツに占領されている都合上、FN社の技術者が米英等に亡命した事で同社の各銃器は英語圏で開発される事と成った。特に、を始めとするFN社の存命技術者達は、ジョン・ブローニングが存命中だった頃の名残でブローニング社に移籍している。


・ブローニング・アームズ SAW-74/U.S.M249(Browning Arms Squad automatic weapon 74)

 史実のミニミ軽機関銃に相当する。


・キャデラック・ゲージ ストーナー64/U.S.M208

 可変銃であるストーナー63の軽機関銃仕様の再設計型。63の特徴だったシステム・ウェポンではなくベルト給弾式のみで、銃身とストックの迅速な交換が可能である事を除けば純粋な5.56㎜口径の軽機関銃である。可変は出来なく成った反面、構造が単純化され、生産性と信頼性・耐久性が向上している。これはXM207として採用された63Aライトマシンガンの分隊支援火器としての性能を欲したものの、63の複雑な構造から来る信頼性の薄さに難色を示した為、この様な形の銃に再設計された。それでも根本的な信頼性の低さは解決しなかったと言われる。

 後年により信頼性の高いSAW-74/U.S.M249が採用されるまで、特殊部隊を中心に配備された。


・ナイツ・アーマメント・カンパニー PHG-80(Knight's Armament Company Polymer Handgun model 80)

 ナイツ社が鹵獲されたワルサーVP71を参考に開発した、軍用ポリマーフレーム自動拳銃。米軍からの信頼は勝ち取れなかったものの警察を中心に採用され、ポリマーフレームの実用性を世界に認知させた。

 史実に於けるグロック17に相当します。外見は一部S&WシグマやコルトAA2000、Law Enforcement試作拳銃の意匠を含みます。


●イギリス(※原案:H6345氏)

・ピストル

 現史通りエンフィールド・リボルバーNo.2 Mk.Iからブローニング・ハイパワーL9A1に更新

・サブマシンガン

 こちらもスターリングSMGに更新。

・歩兵銃

 SMLEはL8として308口径に改造されたが、これらはインドを始め諸外国・途上国に払い下げられた。

 米ブローニング・アームズ社からLAR-53(Light Automatic Rifle model 1953)をL1A1 SLRとして採用するが、此方はバトルライフルとして採用。

 StG44及びStG49に対抗した突撃銃としてジャンソン・ライフルNo.9 Mk1(EM-2の制式量産型)が採用されているが、日本軍及び米軍と異なり280ブリティッシュ弾はNATO制式弾でも標準実包でもないので、配備は精々英本土に限定されている。

 なお、本世界観ではオーバーロード作戦の時点でMkb42及びMP43の量産・配備が既に行き届いていた(これが連合国と枢軸国の引き分けにも繋がる)為、米軍側も終戦後から独自の突撃銃の研究・開発を早期に開始しており、ジャンソン・ライフルはその米製新型突撃銃及び実包の完成・制式採用までの繋ぎという側面も強い。

・軽機関銃

 史実どおり308口径のL4A1ブレン軽機関銃と、LAR-53の分隊支援火器であるL2A1軽機関銃を導入している。

・汎用機関銃

 7.62×51mmNATO弾仕様のL7(ブローニング GPMG-60)を採用。

・マークスマンライフル(選抜射手銃)

 ジャンソン・ライフルNo.9 Mk2(EM-2版L86)が、L2A1と共に運用されている。

・狙撃銃(英軍では基本的に小隊内の狙撃班のみが使用)

 L42A1がSMLEを改造する形で50年代に、Parker-Hale M82が60年代に採用。

・対戦車ロケット砲

 PIATの後継としてM20スーパーバズーカを輸入。


●中華民国(※原案:H6345氏)

 史実の自衛隊や韓国軍、中華民国国軍の様にアメリカ式装備の導入を進めた方向と成る。

 陸軍歩兵は1960年前半でもM1ヘルメットの国産品とODまたは濃緑色の戦闘服にM2カービン及び53式自動歩槍(史実の57式に相当するがほぼベレッタBM59)を採用しており、個人装備もベルトとサスペンダーの組み合わせが一般的である。1970年代からM16タイプの小銃を導入(64/65式自動歩槍かそれベースのオリジナル)、タイガーストライプ・パターンの模倣品の迷彩服導入。90年ごろには史実の95式の位置づけのブルパップスタイルのライフルを一部の部隊で導入(SAR-21やヴェクターCR21の様な代物)。

 AKMのコピーライフル(56式に相当しますが、輸出が目的で国軍での使用例は限られます)も生産する。RPKに相当するAKベースのLMGもバリエーションとして製造。ドイツ規格の弾を使用するM14やAK、AR-15も開発する。


 陸軍のAFVは大戦後にM4シャーマン系列をアメリカから輸入した後、M46/47なども導入されたが、1950年代後半にはM48のライセンス生産を開始するなど、ソビエト地上軍への対抗として惜しみない地上兵器配備が行われた。装甲車にはM59~AIFV25までの各種箱型APCが。またIS重戦車への対抗としてM103重戦車も少数導入がされた。

 80年代当時の日本軍主力戦車または1世代前のものに搭載されてる戦車砲を搭載・車体はM48・砲塔は74式ベースの戦車や、M113の車体に日本の4輪偵察自走砲(フランスのAML90の様なもの)の砲塔が搭載されたものなどが開発された。

 この時、日本製の箱型装輪装甲車(82式指揮通信車の兵員輸送車版)を元に後に国産6×6装輪装甲車の開発が開始される。


 空軍は当初イギリス系とアメリカ系の機体が導入されていたが、1960年当時はF-100やF-106、F-104、A-4などアメリカ製一色となった(70年代にはコストの問題でF-5をライセンス生産する。その後、F-20に近い国産機も開発)。国産機に関してはF-86Dのノックダウン生産から始まり、F-86の独自改良機「殲撃44型」から開発が始まったばかりで、日本どころかソビエトにもまだ追い付いていない。

 B-29やB-50といった戦略爆撃機がC-97と共にアメリカから払い下げられたが、日本からの政治的圧力から爆撃能力は撤廃されており(そもそも有った処で帝國空軍機に撃墜されるが)、全て空中給油型・偵察型・救難機型として運用された。また、数機は早期警戒管制機として「空警壱號/KJ-1」に改造された(史実では文革により開発中止)。


 ヘリコプターに関してはアメリカのシコルスキーS-55/58、H-3、CH-47にイギリスのウエストランド・リンクス、ウエストランド 30といった2ヵ国の物を導入する。当然国内でライセンス生産やコピー品、模倣品開発も行われている。


 海軍に関しては大戦終結で余剰になったアメリカ海軍の艦艇が供与され、1960年代より国産艦艇の導入が始まる。仮想敵軍を日本海軍とし、大型艦よりガンボートやミサイル艇を主力として運用する方針で軍備が続いている。


 80年代には日本との融和政策が進み、日本との兵器共同開発が実現している(現実のアメリカの中国への接近と同様に)このころから独自の兵器色が出始める。


・63式軽戦車(63式轻型坦克)

 M47をベースに開発された軽戦車。1950年中頃に中国軍にもM41軽戦車が配備されたが、中国軍はM41の攻撃力と防御力に納得しておらず、ソビエトとの国境周辺には配備しなかった。しかし河川地域や山岳地帯ではM46/47は運用し辛いという事から、M47より軽くM41より強力な戦車を求める様に成った。当初中国はアメリカにM41とM47の中間的な戦車を求めたが、アメリカ側はこれには応じず導入を断念、中国側は国産での開発に切り替えた。

 設計は車体がM47、砲塔をM41ベースで開発されたと言われている。試作車は1959年に完成、61年に正式化。正式化後は西北地区や西南地区雲南省を中心に配備された。

 主砲は43口径90mm砲M41。装甲厚は最大で80mm程。重量は30tクラス。エンジンは4ストロークV型8気筒空冷ガソリン。


・殲撃44型(歼-44/J-44/F-86F セイバー)

・殲撃47型(歼-47/J-47/F-86D セイバードッグ)

・殲撃48型(歼-48/J-48/F-100 スーパーセイバー)

・殲撃51型(歼-51/J-51/F-104 スターファイター)

・殲撃52型(歼-52/J-52/F-106 デルタダート)

・A-4 スカイホーク

・F-5E/F タイガーⅡ

・F-16 ファイティング・ファルコン

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架空戦記用 大日本帝國軍 現代装備 資料集(妄想) ※読者参加・二次利用可 コノザワ @konozawa

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