第3話お先真っ暗

・小話・

第2話から1週間。1週間ってとても早いですよね。

今回の見所は、雫の新しい技ですかね。まさかの新しい技を出すのが、

主人公ではない! 事件ですねw


この小説には、隠された仕掛けがあります。暇であれば探してみて下さい。


では小話は、ここまで。

本編をお楽しみください!

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心の中にあった悲しみは、怒りという炎へ、変わっていった。

ごうごうと音をたて燃え上がった炎は、なにを考えたのか自分でも分からないが、外へ出ようとさせた。


玄関のドアを開けるとそこには、

雫がいた。

忘れ物を届けるために来てくれたらしい。


「忘れ物」

をいう前に俺の顔色に気付いたのか首を傾げて


「どうしたの?顔色悪いよ。」

「関係ない」


一瞬だけ目があったが、すぐ逸らし、歩き始めた。


家を少し離れている所で雫の声が

した。鋭く入る様なその声は、技名だった。


「濃霧」(のうぎり)

<<解説(以降省略)

雫の技。

対象に半径5mの濃い霧を発生させる。>>


濃い霧によって、目くらましをくらい

一瞬止まった。

その一瞬で雫が、俺の背中に抱きつき、耳元で囁いた。

「何も分からないけど、悩みがあったら聞いてあげるから。」


その優しく囁かれた言葉は、心の中にあった炎を癒し、沈め、逆に安心感を与えてくれた・・・



「うっ・・・・うう〜」

獣のような、がらがら声をあげ、

2,3度まばたきした後、目を開けた。


俺は、全く見慣れない部屋で寝ていた。

部屋は、花の様ないい香りがする。

おまけに、女の子っぽい物が多い。

例えば、抱き枕や、ぬいぐるみなどがあった。


何処だここ?


全く知らない部屋で寝ていたのだ、

当然出てきていい疑問だ。


疑問と戦っていると、


「ふぁ〜」


誰かの声がした。

音のした方向を見るとそこには、雫がいた。

椅子に座ったまま、思いっきり、腕を伸ばして伸びをしていた。


それを見てわかった。ここがどこなのか。


そうここは、雫の部屋だ。

わかったと同時に新しい疑問が出てきた。


なぜ雫の部屋にいるのか

という疑問だ。


雫は、気持ち良さそうな大きな伸びをした後、大きなあくびを終え、まだ眠たそうな目でこっちを見た。


「ん〜ん〜

あっ‼ 目さましたんだ、

良かった。全く起きないから

心配したよ。」


さっきまで眠たそうだったのに、それも嘘の様に、パッと椅子から立ち、俺の右手を握った。


全く起きない?


まだ疑問が解決できていないのに新しい疑問が出てきてしまった。


「あのさぁ、色々教えてもらっていいかな。あのあとなにがあったかを。」

「そうだね。その代わり君もね。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そっか・・・。そんなことが・・

ごめんね。何も知らないのに、首を突っ込んじゃって。」


雫は、申し訳ない様に下を向いて目を逸らした。


「いやそんなことないよ。むしろありがたい方だから。」


後半は恥ずかしくだんだん声が小さくなっていったが、俺からしたら本当にありがたい方で、もしあのままだったら自分でもどうなるか分からなかったからだ。


静かなしんみりとしたいい雰囲気の中


「バタバタ、ドタドタ、ガチャ」

この雰囲気に1番あっていない奴が、慌ただしく入ってきた。


「おぅ火炎。起きて良かったな。心配したぜ。」


言葉の割には、全く心配していない感じがしたが、素直に嬉しかった。


「あのなぁ提案があるんだが、決めるのは火炎、お前自身でいいから。聞いてくれ、俺は、頭悪いからよー、ない頭絞って考えたんだけどな、あいつに復讐しに行こうぜ。」


とうとう響喜の奴頭が壊れたか。

そう思ってバカにしたが

「うん。そうしよう。」

と、同意していた。

心の中からぽっとその言葉が出てきたのだ。


響喜の言葉により俺らは、お先真っ暗な冒険へ出るのだった。



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