掟


 この蒸気都市を眺められる場所に、ユエルとライエの墓はあった。寄り添うように。

 ミリエの墓は、あの約束の場所にあり、人知れず、静かに佇む。


 兄妹の別れは永遠に続く。 



 いつまでも、蒸気都市は止まらない。


 いつからか、蒸気都市にはある『掟』ができていた。

『いつの日も、どんな時も家族を大切にし、共に生きていかなくてはならない』

というもの。


 人々はいつも、その『掟』を大切にし、守っていった。彼らの話もまた、語り継がれている。大切な人を決して失わないために。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

蒸気都市の掟 翠翁 @Motino

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ