第34話 夢だったのかな? (5)


 だから僕は、神様に向かって。

「ぎゃぁあああっ! 止めてください! 神様ぁあああっ! 僕が死んでしまいます!」

 と、声を大にして叫んだ──奇声交じり声を出してね!


 でもね、僕の嘆願は神様には届かずに『プチン!』と、神様はハサミを入れちゃったみたいだよ?




『ううう……』


「……ん? ハッ? 何々? 体の方は……? 大丈夫みたい?」


 もしかして? 今のは夢?


 う~ん、どうやら僕は?


 販売の仕事が暇で、うたた寝をしていたみたいだね?


 そして僕の夢の中で、今目の前で大きな籠の中で山盛りに陳列をされている蜜キンカンに。僕はなっていたようだ?


 だから僕が、神様自分自身に本当に真っ二つされなくて良かったと。『ホッ』としながら思う……。


「よぉ~し! じゃ販売仕事の続きをしようか!」


 僕は独り言をこんな感じで述べると。席を立ち、目の前の蜜キンカンを一つ手に取り、ハサミで刻んで試食の用意を始めたのだ。


「さぁ~! いらっしゃ~い! 」と、通る人達に掛け声をかけながらね。




(完!)

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僕は蜜キンカン? かず斉入道 @kyukon

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