第13話 武器と防具

「武器と防具をどうしますか」

「武器と防具ですか?そのようなもの必要なのでしょうか」

「はい、この世界は治安がいいとは言えません。皆さんそれなりの武器を持ち防具を着けています」

「そうよ。私も防具をつけているのよ」

「見た目では普通のドレスに見えるけど」

「このドレスは耐魔法と耐物理衝撃の効果を持った魔道具なのよ。王族や貴族なら当たり前にそういう服を着用しているわ。これが私たちの防具よ」

「そうなんだ」

「タカシさんの服も耐魔法と耐物理衝撃の効果を付与できないかしら。ミオさんいかがですか」

「そうですね。2着程度なら明日の朝までにできます。残りの服は後程ということで、上下とも2枚の服を預かっていいですか」

「よろしくお願いします」


服を上下2セット出し、ハルさんに運んでもらった。

事務所横のオートマタの修理工場で作業ができるらしい。

「それと、この帽子とコートにも耐魔法と耐物理衝撃の効果を付与されていますからお持ちください。2重3重の防御ができます。魔法使いでないタカシさんは身体強化は使えませんからしっかりと防御しなくてはいけませんよ」

「そうすると盾も欲しいわね。盾の指輪なんかないのかしら」

「ありますがタカシさんは魔法が使えないので市販のものではだめでしょう」

「そうか。今のままでは使えにないわね」

「本部に依頼して作ってもらうようにしますね」

「ここから本部までだったらいらないか」

「ええーと、よくわかっていないんだけど」

「そうですね。これを見てちょうだい」


ユミさんが左手を突き出すとそこに半透明の板のようなものが出てきた。


「これを障壁とか魔法の盾というのよ。耐魔法と耐物理衝撃の効果があるわ。防御魔法ができれば作れるわ。そして魔力に強さと魔法の能力によって強度が変わるのよ」

「便利なものですね」

「それで防御魔法のできない人は盾の指輪を使って魔法の盾を作るのだけど、タカシさんは魔法が使えないから操作方法を変えないと使えないのよ。その改良を『賢者システム』本部でやってもらうわけ。わかったかしら」

「わかりました」


「それでは武器を考えましょう」

「私はこれよ」


ユミさんは見せてくれたのは短剣だった。


「短剣ですか」

「ただの短剣じゃないのよ。魔法が強化される魔法杖の役割も持っているわ。で姉さんは」

「これです」

「魔法の杖?」

「はい、ですが剣でも受け止められる強度を持っています。打撃にも使えます。これ以外にも短剣を持っています」

「私たち二人とも剣や刀もそれなりに使えるのよ」


二人とも強いんだね。


「私はあまり人を傷つけないものがいいのですが」

「ならこれはいかがですか」


ミオさんが見せてくれたのは短い棒と銃?

棒には鍔がある。

 

「こちらの棒のようなものは伸縮警棒です。スタン機能があります。気絶でなく麻痺させることも可能です。調節機能が付いています」

「無力化させることができるというわけですか」

「はい。こちらの銃はゴム弾を使用します。ゴム弾には魔法でのスタン機能のものと拘束機能のものがあります」

「銃などは撃ったことがありませんよ」

「これから体術や武器の使い方などを練習しましょう」

「あ、はい。ところで銃などを持っていて大丈夫なのでしょうか」

「ええ、大丈夫です。銃の携行をもうすでに申請してあり世界連邦から許可が出ています。剣や警棒は許可申請も登録も必要ありません」


武器は今はこのくらいでいいということで改造してくれた車を見に行った。

カーナビやパソコンなどはこの世界でも使える仕様に改造されている。

ハイウェイの出入りの認証システムも取り付けれた。

もとは燃料電池と充電との併用という特別仕様車だったが、それに加えて魔力発電機というものがつけられていた。

魔力車と同じ方法で魔力を蓄えられる。

さらに専用のトレーラーハウスをけん引するようになっていた。

トレーラハウスには120cm×180cmの広さを持つ収納の魔道具が設置されていた。

食料や水など様々なものを収納してくれたの事だ。

最大200tの荷物が収納できるということだ。

まあ、設置されている場所の関係で1つ当たりの大きさと重さは限られてくるのだが。

トレーラハウスにはトイレとキッチンもある。

ベッドも4つ設置できる。

私の車は7人乗りだがベットは3つしか設置できない。


「これなら野営が楽ですね」

「野営はやりたくないですよ」

「パーキングエリアでも泊まれるわよ」


ナツさんとユミさんも免許は持っていた。

旅ではミオさんだけが私についてくる予定だったがナツさんとユミさんも加わったことでハルさんも同行してくれることになった。

明日5人でこの車で出発するわけだ。


夕食は中華定食を食べ、今日はゆっくりと休むことにした。

休む前に書斎で情報をチェックした。

私の巻き込まれた災害から私のいた世界に時間は1日も経っていないのが不思議だ。

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