第参話「鳴らない、電話」

 やなタイトルである。友達が少ない人間にとって心地のいいフレーズではない。

 そもそも、この時代の中学生でケータイを持ってる奴は結構限られていて、もちろん持ってる奴は陽キャばっかだったな。(当時は陽キャなんて言わんけど)

 もちろんハイロック少年はケータイもポケベルももってなかった。なんなら家の電話は黒電話だった。(貧乏だなぁ……)


 さて、この辺の話が完全にうろ覚えだ。

 どういう回だっけ、たしかトウジに殴られる回だったと思う。


 ああそれでシャムシエルと戦って、操縦席にトウジとケンスケを乗せるんだ。

 そしてミサトさんの命令を無視して、使徒を倒した結果、すっごい怒られたから家出をするという話だったな。


 この一話に詰め込んでるなあ。

 これねぇ本当にシンジ君がかわいそう。シンジ君としてはいやいやエヴァに乗りながら、なんとか最初の使徒を倒すわけよ。これはもう絶対褒められる案件だし、手放しでほめてもらえるはずだった。

 ところが、待ってたのは、初号機が暴れまくった結果、トウジの妹がケガをして入院するという事実である。

 そして、シンジはトウジに殴られてしまう。

 なんという理不尽……かわいそすぎる。乗りたくもないものに乗せられて、自覚のない現象に対してまで責任をおうことになる。

 

 まさか第3話ですでに社会の理不尽さを訴えるとはなあ、通常のロボットアニメならまだ、いやあロボットつえーだけで主人公の葛藤なんて後の話なんだけど、3話目ですでに一般人への被害を描いちゃうとかひどいね。


 これまた社会風潮としてもよくある話、企業の中でいやいやながらも会社の命令を遂行した結果、とんでもない事態を引き起こして社会から総叩きにあうみたいなこと。

 最近だとレンタル着物の「ハレノヒ」の社員はかわいそうだろうね。彼らは一生懸命営業したのだろうに、社長の悪意のせいで、多くの20歳の女性に迷惑をかけてしまうことになった。現場では、そうとう顧客の人に責められただろう。でも彼らはそんなに悪くないんだよ。

 

 そういや俺はパチンコ屋でバイトしたことあるけど、やっぱね怒られるのよ。「出ねーぞ」って、でもさ、そんなんバイトに何の責任もないし、まあでもお客さんが店員に文句言いたい気持ちはわかるんだよなあ。


 世の中にあるどうにもならない理不尽さ。そんなものすべてを詰め込んだのが、この第3話なんですね。

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