階段の輝く光~坂井雅樹ver.~

サービス課について3日…。


改めて遥くんがいないことを痛感する…。仕事だって真面目にやってるけど…正直キツい…気持ち的に。



落ち込む気持ちを抱えながら俺はトイレに行くために階段を上り始めていた。

…バササッ!!


…ん?何だ?


ゆっくり上がっていくと、ファイルの束が散乱していた。

…めんどくせ…こんなに踊り場全体に広がってりゃ、拾わなきゃ…。


誰だよ、落としたの…。

上の段を見上げると…そこにはッ!



…遥くんッ!?…と、誰だあのおっさん!!!!


…気安く、遥くんに触ってんなよッ…!!

イライラしながらも…手は素早く動くわけで…。

遥くんと目が合った時には、既にファイルを渡していた。


素っ気なく一言二言発すると、辛そうな顔で俺を見つめていた。俺が階段を上がって見えなくなるまで…。


…もっと話したいよ、俺だって…。

…でも、俺から振ったんだ…、今頃どうしろって言うんだよ…ッ!

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