一つ目

「あったぞ‼︎やはり近くにあったんだ」


哲郎が床に描かれた、半径1メートルほどの光を放つ円を指差して走り出した。


それを追って円までやって来たジェームズも、信じられないと言った様子で、のぞきこむ。


「これが魔法陣……」


「現実味ないだろ?これ、LEDじゃないんだぜ」


魔法陣のそばにしゃがみこみ、触れる哲郎。



「大丈夫なのか!?そんな触って」


その様子に慌てるジェームズ。


「ああ、ジェームズも見て覚えておくといい。これから必須スキルになるからな」


そういう哲郎の指先、魔法陣に触れている部分が、より強い光を放ち始めた。


さらに、指を動かすとそれに沿うように光の線ができる。


「こうするとこうなる。だからここからこう動かして……」


ちょうど魔法陣の中にもう一つ魔法陣が出来上がると、


パリン‼︎


と、ガラスが割れるような音と共に砕け散った。


「これで終わりだ」


ドヤ顔の哲郎。


「そ、そうなのか……わかった」


正直何が起きているのか分かっていないジェームズだが、手順はしっかりと記憶した。




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