意思

では、被害者高松達也さんの第一発見者、最後の発見者の方は?」

元参事官茶屋が挙手した。

馬場、長沢も少し手を上にあげた。


「茶屋さんは?」

「両方です。最後に見て、且つ馬場と長沢と一緒に第一発見しました。」

「時刻は?」

「ええ、10時30分頃に高松総監に二人を呼ぶように申し付けられ、その後すぐ、数分でした。

二人を連れて戻りますと、総監は既に亡くなられて………いました」

茶屋はまだ心の整理がついていないようだが、流石警官だ。


「では次に、死因と殺害方法について。

米村さん、お願いできますか?」

「あ、はい。大丈夫です。」

竹下は横にずれた。


「死亡推定時刻は先ほど述べられた時刻と矛盾はなく、死後直後です。

死因は首を切断されたことによる酸欠、大量出血など様々考えられますが、首を切られてからは数秒で死に至ります。

一瞬のことならば、まったく抵抗なしに犯行を行えます。

方法は刃物でしょう。

糸で引っ張られたのではなく、刀でスパッと切られたようです。

断面に凹凸が殆どありません。

以上です。」

捜査員の顔色が良くない。


「では、はっきりしましたね。

犯行時刻は本日午前10時30分頃。

この時間に不審な人物がいなかったか、一応捜査お願いします。」

「はい!」


「そして凶器の早急な発見をお願いします。

これは連続殺人とみて間違いありません。

身の安全だけは十分気を払うようにお願します。」

「はい!」


竹下は最後に言葉を強めて訴えた。

「ここからは私の推察になってしまいます。

それを承知の上で聞いてください。」

皆、竹下に注目した。


「今回の殺人犯は不自然な点が非常に多く、捜査は非常に難航しています。

この犯罪によって既に3名もの尊い人命が失われてしまいました。

この犯罪は今までの前例を覆すような、人智を超えた犯罪です!

皆さん、これは東京都民のみならず、日本国民、世界の人類を脅かす脅威です!

警視庁総掛かりで事件に当たるべきです。

警察庁にもためらわずに協力を要請してください。

時期に東京オリンピックも行われます。

今一度、平和な東京を取り戻してください!以上!」


「では、捜査を始めてください。」

「はいっ。」


中沢が寄ってきた。

「竹下さんにも統率能力なんてあったんですね。」

「何を。捜査のためならなんでもするのが、警察でしょう。」

中沢はおかしいといったようにか笑った。


「では、僕たちはどうしますか?」

「元の方、もう一回やってみましょう。」

そうですね、と彼は答えた。

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