経歴

竹下と中沢はサイバーセキュリティー課に向かった。


「失礼します。資料を見たいのですが。」

「ああ、どうぞ。」

いとも簡単に通された。

つい数日前までは

「捜査権のない方をお通しするわけには……」などと濁らせていたのに比べれば大きな進歩だと言えよう。


「高松総監が亡くなられてから、僕たちの立場が逆転したような気がするんですが。」

と中沢は言ったが竹下は聞こえないふりをした。


では、と言ってパソコンを借りた。

ちなみにこのパソコンを使うことによって前科者の詳しい内容が丸わかりなのだ。

因みに警察関係者もわかる。


「井村剛……と。」

「一人目の被害者ですね。」

「傷害の前科がありますね。」


「では二人目の森さんは?」

「ええと、前科はありませんね。」

データなしと表示されている。


「一人目、二人目の被害者の接点は同窓であること。

では、元総監はどうでしょう?」

「総監と他の二人は、年齢差も大きいですし、偏差値とかもかなり違うでしょう。

接点なんてありますかねぇ?」

「そういったことを言うのは調べてからです。」

高松達也、と打つと情報が出できた。


「もちろん前科はありませんし、住んでいるところや学校も全く違いますね。」

「ほら、言ったでしょ。竹下さん。」

まあ、と竹下は中沢を鎮めた。

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