9話 伝説

次の日、総司は、戦闘訓練場に居た。

すると一人のクラスメイトが総司に話しかける。


「よぉ、総司。お前昨日なにやってたんだ?一人だけサボりとかずりーぞ」


そう話しかけてきたのは、クラスメイトの一人、名前は真田 武留さなだ たける。総司の数少ない友達で小さい頃から高校二年生までずっと一緒だったそして唯一【LoF】で総司がトッププレイヤーだと知っている人物なのだ。


「武留か…いや昨日は、ちょっとな…」

言えない…昨日、三人も嫁にしたとは言えない…言ったら殺されそ…てか言ったら「お前、非リア同盟を破る気か?死ね!」っていって襲いかかってきそうで怖いわ…



そう昨日は、一日中正座させられたお陰で足の感覚がなくなり立てなくなってベットの上でセリア達に看病されながら最高の一日を過ごした。


美少女三人に囲まれながら…つってもセリアと千春の二人だけがほとんどだ。ティアは、女神としての仕事があるらしく長い時間は、居られなかったから。


「なんだよケチくせーな」

「悪かったなケチ臭くて」


そんなやり取りをしていると総司がチラッと千春な方を見る。すると千春がそれに気づいたのかニッコリと笑い手を振るそして総司も手を振り返す。


そのやり取りを見ていた武留が総司の肩にいきなり腕を回し武留の顔をまで引き寄せるそして。


「おい総司…お前我らが女神に何した…?」


武留が低い声で言う。


「ナニモシテナイヨ…」


言葉がカタコトになる総司。


「おい、言葉が、カタコトだぞ。何を隠そうとしてる」

「……」


総司が黙るそしてそれを見ていた千春が総司達に近寄る。


「ソージくん!何してるの?」


そう言って千春が総司の腕に抱きつきニコニコと幸せそうにする。


それを見た武留がわなわなと口を開けポカーンとしているそして。すると総司は、「あ、やべ千春離れて」と言おうとしたがもうそ遅かった。


「そ、総司ぃい!!この裏切り者がぁ!!リア充しねぇ!!」

「ちょ!待てって!」


そして我に返った武留が槍を握り総司に襲いかかる。総司は、千春を抱えたままそれを軽々と避けた。


「おまっあぶねぇーよ!怪我したらどうすんだ!」

「うるせぇ!裏切り者は、死ねぇ!」

「うお!あぶね。てめぇ千春に当たったらどうすんだよ!千春危ないから離れてて」

「はーい」


千春を離れさせ総司も負けじと剣を取り応戦する。そしてキン!キン!と甲高い音が鳴り広がるそれを聞いたクラスメイト達がだんだんと「なになに」と言い総司達の周りに集まる。


「ふん!なかなかやるじゃねえか」

「お前もな!ふっ!」

「っ!」


そんなやり取りをし総司と武留は、だんだんとギアを上げていく。


「せりゃ!!」

「シッ!」


キン!


総司が武留の槍を弾き距離をとる。


「ふははは!おもしれぇ!やってやろうじゃなねぇか!次は、本気で行くぜ…!」

「上等だ!俺も本気で行かせてもらう!」


そう言って武留と総司は、もう一本武器をとりそれぞれ構える。総司は、剣を二本持ち武留も槍を二本持つそしてそれを見た千春は、思った。


真田くんのこの構え…見たことある……まさか”ユキムラくん”?


千春がそう思った時だった。


──刹那


ズバァン!!!


と、ものすごい音とともに一瞬で砂が舞うそして二人はぶつかった。


そしてだんだんと砂ぼこりがなくなり皆が総司達を見る。そこには、蒼と紅のオーラを纏った二人が鍔迫つばぜり合あいをしながらそこに居た。


それを見たクラスメイト達が驚く。そこに居たのは、蒼のオーラを纏いそして黒コートを着た総司そして紅のオーラを纏い赤い軽装鎧を着た武留が居た。


その姿を見たクラスメイト達が驚きそして誰がくちをた「…蒼黒紅蓮」とそれを聞いたみんながまた驚く。それは、【Lord of Familia】というゲーム内で誰もが耳にした事のある姿だったそしていつしか彼らは、こう言った─



──<蒼黒の剣神>─<紅蓮の槍神>──



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る