8話 修羅場

総司達が部屋へ行き千春とイチャつくこと数時間。そして総司は、今床に座り正座をしていた。


「で、ソウジくんこれは、どういう事かなかな?」

「はい、ソウジ様どういう事ですか?」

「そうだね、ソージくん?言い訳を聞こうか?」

「はい……本当にすいませんでした…」


そう言って総司は、綺麗なそれはもう綺麗な土下座をする。美少女、三人に見つめられながら…否!睨まれながら謝罪の言葉を口にする。




そう!今!絶賛修羅場中なのだ!!




時間は、さかのぼること三十分前。

総司が千春とイチャついて一時間がたった頃だった。突然ドアがノックされる。だが総司と千春は、イチャつくことに夢中でそのノックする音が聞こえなかった。そしてセリアがドア開け中に入るそしてセリアの目に入ってきたのは、総司と千春が抱きついたり頭をなでなでしている所だった。


「ソウジ様?これは、どういう事ですか?」


セリアが部屋に入ってニコニコとそれはもうニコニコとした笑顔で…否、それは、笑顔という名の般若が総司達を見つめていた。


「セ、セリアさん?!ど、どうしてここに!てか勝手に部屋に入らないでくださいよ!入るならノックぐらいして下さい!」


総司がそう叫ぶ。千春は、「え?なになに?」みたいな顔でセリアと総司を交互に見る。

そして


「ノックしました!それなのにソウジ様は、返信してくれなかったではありませんか!それよりソウジ様から離れてください!」


セリアは、そう言って総司と千春を引き離そうとする。


「ちょ!何するんですか!」

「何ってソウジ様が嫌がってじゃないですか!いいから離れて下さい!」


セリアが総司から千春を引き離そうとする。だが千春は、断固として離れようとしない。そして総司にしがみつく。


「い、嫌がってないもん!それよりソージくんもなんとか言ってよ!」


千春が頬を膨らませながら総司に言う。


「そ、そう言われても…ま、まぁ兎に角セリアさんお、落ち着いてね?」

「むぁ、わかりました」


総司がセリアにそう言うと素直にやめ、総司の隣に座る。


「なんでソージくんの隣に座るの!ソージくんは、私のなんだから!椅子に座りなさいよ!」


千春がそう叫ぶ。


「な、何言ってるんですか!ソウジ様は、私のです!」

「ソ、ソージくん〜」


千春が目に涙を浮かべ総司を見る。


あ、やべかわいい……じゃなくて!


「と、とにかく!俺と千春は付き合ってるから!それよりもみんな離れてよ!」


総司が離れるように言うが二人は離れようとしない。

そして千春がムゥって顔をする。


「付き合ってるじゃないもん!お嫁さんだもん!」


千春が顔を赤くしながらお嫁さんと言い放つ。それを聞いたセリアは、驚き顔を赤くする。


「ちょ、千春それは…」

「なに?違うの?」


千春がジト目で総司を睨む。


「いや、違くはないけど…」


総司がそう言うと隣からボソボソとセリアの声が聞こえる。


「わ…………………る」

「ん?セリアさん?」

「私も…………なる」

「え?もうちょい大きい声でお願いします」


総司がセリアに大きい声を出すよう言うと。セリアは、また顔を赤くして大きく息を吸い込む、そして。


「私も!ソウジ様のお嫁さんになります!!」


「「え?えぇええ!!」」


総司と千春はセリアのまさかの発言に驚く。

そして総司が戸惑いながら言う


「セリアさんな、何を言って──」

「だから私もソウジ様のお嫁さんになると言ってるのです。この世界は、一夫多妻制が認められてます。だから安心して私とチハルさんをお嫁さんにできます」


総司が言い終える前にセリアが言う。しかも二人をお嫁さんに出来るとまで言った。

そして総司は、もう何かを諦め決意した。


「わかった。もう二人とも俺の嫁だ!異論反論は言わせない!」


総司は二人を嫁にする事を決めた。

が、その時、突如総司達の目の前に眩い光が現れそして、その光の中から一人の女性が現れる金色の髪に金色の瞳そして白のワンピースの様なドレスを着たまるで女神の様な姿をしていた。


え?女神?


一瞬総司の思考が止まった。

そして…


「ソウジくん!」


そう言って総司に抱きつく、それを受け止めた総司がバランスを崩してベットへと倒れる。

それを見た千春とセリアは、ものすごい目で総司を睨んでいた。


「ちょ、誰君!」


総司がそう言うと総司の胸に顔を埋めていた女性が顔をあげる。


「うふふ、あまりの嬉しさに抱きついちゃった。うん私は女神のユリーティア!気軽にティアって呼んでねダーリン!」


ユリーティアは、そう言って総司にまた抱きつこうとするだが、それを見ていた千春達が止める。


「離れてください!誰ですかあなたは!いきなり現れてダーリンだなんて!ソウジ様は、私達の旦那様なのですから!」


そうセリアが叫ぶ。千春はうんうんと頷いている


「何言ってるの?ソウジくんは、私のダーリンだよ?ねぇソウジくん」

「……」


総司は、黙る。いや黙るしか出来なかった何故なら千春とセリアには、総司の称号について話していなかったのだ、てかすっかり忘れていた。もしもあの時セリアに告白された時にこの事を話しとけばこんな事には、ならなかっただらう。



そして今に至るのだ。


「で、どうするの?」


と、千春


「そうですねこのまま反省するまで正座でもさせておきましょう」


と、セリア


「そうね」


と、ティア


「はい……すいませんでした……」



こうして修羅場は、幕を閉じた。


次の日

総司は、昨日からずっと正座していたせいで立てなかったそのせいで訓練初日からサボる事になったのだった。


「おい、赤羽がいないぞ?誰か知らないか?」


クラスの誰かが総司が居ないことに気づくそして千春が言う。


「ソージくんなら部屋で寝てるよ」

「そうなんだ、ありがと中村さん。たく赤羽の奴初日からサボるとかねーわ」


そう言って男子生徒は、千春から去っていった。


ちょっとやり過ぎちゃたかな?でもソージくんも悪いし…でも心配だな〜一様セリアさんが着いてるから大丈夫だろうけど…でも心配。こっそり訓練を抜け出して見に行こうかな?


千春がそう思いながら初日の訓練は、始まるのだった。



その頃総司は。

ベットに横になってうなされていた。


「うぅ…痛いまだ足の感覚がなしよ…」

「それは、ソウジ様が悪いんですよ?次からは、気おつけてくださいね」

「うん」


総司は、昨日から今日の朝までずっと正座をしていた。

そのせいで立てなくなり今セリアに看病されているのだ。


次からは、正直に話そ……一日中正座は、キツイ…


こうして総司は、初日の訓練を一人だけサボりベットの上で過ごしたのだった。

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