電撃《新文芸》スタートアップコンテスト――2018.7.6.~2018.8.26

電撃《新文芸》スタートアップコンテスト 概要

 どうも、お久しぶりもそうでない方もこんにちは、たちばな 美言みことです。

 

 少し遅くなって開催ギリギリになってしまいましたが、今回はこちら。

 『電撃 《新文芸》スタートアップコンテスト』について考えていきたい思います。


 電撃文庫と言えば今年で25周年を迎えた老舗にして業界屈指の大手レーベル。

 そこからの新たな本を出そうというコンテストですが、先日ドラゴンブックの『新世代ファンタジー小説コンテスト』について考察した際も、「新文芸の中でファンタジー特化のレーベルを作ろうとしている」と述べさせていただきました。

 これはKADOKAWA全体で新文芸――つまり、WEB小説にかなりのウェイトを置いてきている証左でもあるでしょう。

 今後、他のラノベレーベルからもWEB小説のみを扱うレーベルが派生する可能性が十分にあります。


 これは、それだけカクヨムからデビューがしやすくなる事でもありますので、私たちカクさんにとっては朗報ですね。


 それでは、前置きはこれくらいにして早速いってみましょう!

 まずはコンテストの概要から。



 ――



《序文》「いまの電撃に足りないのはコレだ!」

・電撃文庫編集部は創刊25周年を記念しに挑戦

・オールジャンルOK、面白ければなんでもアリ

・新しさに満ちた作品を募集

・大賞受賞者には賞金30万円授与の他、書籍化を確約。さらに

・他、特別賞の可能性もあり


《大賞》

30万円+書籍化+コミカライズ

*大賞の受賞作がない場合もあります。


《応募資格》

不問


《作品形式等》

・読者選考期間終了時点までに本文が8


《スケジュール》

応募受付期間: 2018年7月6日(金) 00:00 〜 2018年8月26日(日) 23:59

読者選考期間: 2018年7月6日(金) 00:00 〜 2018年9月2日(日) 23:59

最終選考対象作品発表 : 2018年9月中旬頃 本サイトにて発表

最終選考結果発表: 2018年10月下旬 本サイトにて発表


《選考方法》

中間:読者選考によるランキング上位作品と編集部からピックアップ

(*読者選考期間中の読者による評価がランキングに反映)

最終:編集部内で最終選考を行い、大賞作品を選定


《選考委員》

電撃文庫編集部


《注意事項》

・第25回電撃小説大賞に応募中の作品は、については選考対象外

・一次選考で選外が確定した作品については、



――



 簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。


 まず目を引いたのが、大賞はコミカライズまでされている点です。


 コミカライズは原作小説が売れてから踏み切るパターンが多いですが、それは確実な売り上げを見越しての事。

 逆に言えば、今回の大賞作品は売りだすつもりがあるという事でしょう。

 

 コミックはラノベよりも圧倒的に市場が大きいでしょうし、コミックからラノベに流れる人も一定数存在します。

 また、例えラノベに人が流れなかったとしてもコミック自体の人気がそれなりにあれば作品としての知名度は上がりますし、その分、ドラマCDやアニメ化など他のメディアミックス展開もしやすくなる訳です。


 ”電撃文庫”という肩書は伊達じゃないですね。

 非常に強い挑戦の姿勢を伺えます。


 大賞賞金が30万というのは正直電撃にしては安いなと始めは感じましたが、このコミカライズ化のコストを含めて考えるとそこまで低いとも言えないかと思いました。

 まあ、公募の電撃小説大賞で大賞を受賞したら300万貰えますし、それに比べたらやっぱり安いとは思ってしまいますけどね。



 次に応募要項で目に留まったのは、『第25回電撃小説大賞に応募中の作品』の扱いについて。


 電撃文庫はいわゆる公募を行っているレーベルですが、カクヨムからの応募は現状(2018.6.24現在)できません。

 しかし、執筆した作品のデータを持っていない人の方が珍しい現状。既に応募した作品へもう一度スポットライトを当てる機会があるのは嬉しいものです。

 それでも、


「一次で落ちたし、俺の作品じゃきっと無理だな……」


 なんて考えているそこの貴方!

 少し待って下さい。


 条件としては上記の通り、『一次選考で落選した作品に限る』ようですが、それはつまり下読みの人にしか読まれていない作品です。

 下読みの人は勿論確かな審美眼を持っているはずですが、それでも人数が限られている事に変わりはありません。

 極論を言ってしまえば、その人の好みによって結果が変わってしまっていた可能性は十分に存在します。

 加えて、今回のコンテストの最終選考に残るためにはを勝ち抜けなければならない――。


 そう。

 下読みの方が評価しなかったとしても、読者が評価したら作品としては圧倒的勝者です。

 条件を満たしている貴方の作品が勝負する事に何の迷いがありましょうか。


 ちなみに、電撃小説大賞の選考過程(http://dengekitaisho.jp/novel_selection.html)を覗いてみましょう。


――以下抜粋

※第19回電撃小説大賞の本数を例にとってご紹介します

《中略》

第1次選考

応募規定に満たない作品を電撃文庫・メディアワークス文庫編集部(以下:編集部)にてチェック、除外した後、1次選考へ。約20名の第1次選考者(作家、評論家、編集者等)に配布します。

《中略》

第2次選考

1次選考を通過した633作品を、編集部で精読します。この際、編集者が2人1組となり、1作品を2人態勢でチェックします。

――以上


 このように、選考委員=電撃文庫編集部ではない段階で落ちてしまった作品を受け付けるのも、「良い作品を見逃したくない!」という想いからだと考えています。

 また、文庫には合ってなかったとしてもとしてなら合っていると感じてもらえるかもしれません。


 

 軽く要項を見てみただけでも、電撃文庫の気合いが伝わってくるようです。

 また、電撃という大手老舗レーベルが主催というだけでも注目度も高いコンテスト。


 本エッセイでは、皆さんが「これは」と言う一作を執筆できる手助けができるように情報を纏めていきたいと思います。

 次回からはその具体的な情報になりますが、まずは『電撃文庫について』言及していきます。

 

 

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