第6話:「アカネ」ドラゴン討伐に行く

アカネと王子が更に接近~


ーーーーーーーーーー

王都冒険者ギルドの会議室に

アカネとロベール第2王子、フィンセント宰相補佐、マーベルギルド長、ギンガットと数人の騎士がいた、

フィンセントの部下達がSランク以上の冒険者達を案内して来る

次々に入ってくる冒険者達、それを見てアカネはボソッと言った


「そっか・・・・Sランク以上に犯罪者が居ないなんてことは無いか・・・どうしようか・・・」


ロベールとフィンセントはそれを聞き逃さなかった


「犯罪者がいますか?・・・たとえば2番目に入ってきたものですか?」


そう言ったフィンセント・・・ばっとフィンセントを見るアカネ


「解っているのにどうして・・・」

「証拠がありません・・・」


アカネは見える基本ステータスを紙にさっと書いた


名前:バートン

種族:人間

年齢:42歳

称号:麻薬密売人、少女誘拐犯、奴隷虐待、堕落冒険者Sランク


【レベル: 60/60 】

【体力: 80000/80000 】

【魔力: 80000/80000 】

【速さ: 15m/1秒 】

【知力レベル: 58/60 】


「これは!?」

「私の鑑定スキルで見た相手の基本レベル、ちなみに一番先に来た人は」


名前:マット

種族:人間

年齢:36歳

称号:農地開拓人、冒険者Sランク


【レベル: 62/65 】

【体力: 100000/100000 】

【魔力: 100000/100000 】

【速さ: 18m/1秒 】

【知力レベル: 62/65 】


ロベールが考え込んでいる


ロベール「皆の見えるのか?」

アカネ「情報遮断のスキル起動してたり心が完全に壊れている人は見えないよ」

ロベール「凄いな」

アカネ「もうばれてるから言うけどあの草原の結界の善人判別仕様を取り入れたレベル判定水晶(試作品)を作ってきたの」

ロベール「レベル判定?」

アカネ「力の無いものが力以上の依頼を受けて死なない為になんだけど・・・犯罪人判別にも使えるかな?・・・」


呼ばれた12人のSランク以上の冒険者が席についていく


フィンセントが高位冒険者に対して


「<草原の魔法使い>から話があるそうだ、

ドラゴン討伐に対して力のない者は討伐隊がら除外する為に

力を判別する魔法具を作成したそうなのでそれについて意見を聞きたい」


冒険者達がざわっと騒いだ


「<草原の魔法使い>とは聞いた事は無いが」


そう言ったのはSSSランク冒険者と言われているバジリスク、


「国境付近の迷いの森の一部の魔素が抜けて草原になっことを知っているか?」

「ああ、聞いている異常事態で調査隊が出ると冒険者も幾人か狩りだされていたはずだ」

「その魔素の浄化を直径200Kmに渡り行ったのが<草原の魔法使い>だ」

「200㎞!?どれだけの魔力だ、王宮魔導師でさえ100メートル四方を浄化するのに魔力が尽きると聞いてるぞ」

「そんな凄い魔法使いがいるのか?どいつだ!」


バジリスクはフィンセントの周りを見渡すがそれらしい魔法使いを見つけられない

フィンセントはアカネを手指して


「彼女だ!冒険者アカネ、つい1週間前にBランク冒険者になったばかりだ」

「よろしくね、突っ込んだ質問は無しで、冒険者にいろいろ聞くのはご法度でしょ?」


少し威圧を込めてアカネは言った、

冒険者たちは目を見開いた・・・

確かに只ならぬ気配を感じて誰も何も言わない


「で、これがレベル判定水晶です」


机の上に出した水晶は円錐状の台の上に乗っており、台の下にプレートを置くスペースがあった


「水晶に手をかざすとこの魔石が埋め込まれているプレートにレベルが印字されます、

基本水晶を起動する人間と本人しか見えませんが宝石の色は誰にでも見えます、

重犯罪者は赤に

軽犯罪者、普通の人間は黄色、

善人は緑になります。

赤い人は無条件に刑務所行きですね」


「では皆さん手をかざしてください」

「ちょっと待て、犯罪者って・・・」


そう言ったのはもちろんバートンだ


「それにどの程度の信憑性(しんぴょうせい)が有るのかも解らないだろう」

「犯罪がばれるのが怖いですか?詳しい内容も印字できますよ、後ろめたいことが無いのならかざしても大丈夫でしょう?」


「宝石の色の後、書かれる内容は、名前:能力ランク:(現在レベル/上限レベル)

別名を使っている人は名前を強く念じて下さい

ランクは冒険者ランクではなく能力ランクですので

違っていても怒らないでくださいね」


黄)マット   :男: Sランク  (レベル62/65)

黄)ゲール   :男: Sランク  (レベル63/65) 

黄)マーベル  :女: Sランク  (レベル62/65)

黄)ギンガット :男: SSランク (レベル70/70)

黄)バロック  :男: Sランク  (レベル65/65)

黄)バジリスク :男: SSランク (レベル72/75)

黄)カーミラ  :女: Sランク  (レベル65/65)

黄)フェルミン :女?:Aランク  (レベル50/50)

黄)カイオス  :男: Bランク  (レベル45/50) 

黄)マリオネ  :女: Bランク  (レベル47/50)

黄)コンラート :男: Sランク  (レベル60/60)

赤)バートン  :男: Sランク  (レベル60/60)


数人がほっとした顔をしている

また、ランクが2段階も違った人は驚愕の顔をしていた


それよりもさらに驚愕の顔をしていたのはやはりバートンだった

最後にしぶしぶ水晶に手をかざしたが、プレートの石が赤くなった

フィンセイントの指示で騎士達が直ぐにバートンを囲んだ


「こんなのは証拠にならないぞ」

「えーと、麻薬密売人、少女誘拐犯、奴隷虐待か、

バリントン商会?

のバズレって言う人を締め上げれば証拠出てくると思うよ特に麻薬の方の」

「なっ!」

「これは私にしか出来ないけど水晶から心を読むことが出来るのよね~・・・あっ他の人のは読んでないから心配しないで重犯罪者だけよ」


バートンは騎士達に連行されていった


「赤)に判定されると、魔封じが発動するようにしてあるので、バートンの額に印出てたでしょう?

能力はかなり下がるよ、連行しやすいようにしてある、自白もしやすいと思うよ」

「凄いな・・・」

「あくまで、重犯罪者のみね、コソ泥やすりやちょっとした詐欺は軽犯罪扱いなので赤にはならないから、でも犯罪は犯罪よ」


そう数人の冒険者に目を向けた

冷や汗を流す冒険者が数人いた


「これを使って冒険者レベルの見直しをするといいかなと思ってる

F~Cランクは従来通りで、

Bランクは40レベル以上

Aランクは50以上

Sランクは60以上

SSランクは70以上

SSSランクは80以上

SSS超級は90以上

としてます。」

「水晶を使うのはBランク以上と言うことか」

「そう、必ず使うのはBランク以上だが

自分のレベル知りたい人もいると思うので以下は任意と言うこと、

出来たら今回の討伐はSランク以上の人のみでお願いしたな。」

「それは?どうして」

「調査の報告は聞いてる?

私独自で近くまで(500㎞圏内)行って調査した所、

ドラゴンは1体のみではないようなの」


フィンセントは報告書を出してロベールに渡した


「報告書にはその記載は無いが」

「そうか・・・私も遠隔サーチで調査したので、目標のドラゴンの半径150㎞範囲に他のドラゴンの反応があったのよね」

「半径150㎞・・・そこまでの範囲は調査外だな・・・」


うーんと悩むロベール


「半径150㎞も離れていたら大丈夫じゃないのか?」


ギンガットが言った


「竜のスピードは時速300㎞、30分で来るよ、30分で皆さんの力で竜を倒せる?」

「来るとは限らないじゃないか・・・」


バイジスクが(なにを偉そうに)と言った感じでアカネに言った


「来るよ、竜は人間には聞こえない音波で呼ぶんだ」

「まるで戦ったことが有るような言い草だな」

「まぁ・・・そうだね・・・この水晶の中の球体の魔石はドラゴンの魔石の玉(ぎょく)の部分だよ、ドラゴンの中でも弱いAランクの赤竜だったけど・・・」

「魔石の玉(ぎょく)を取り出せたのか!」


喰いついたのはフィンセント、

ばっと水晶を覗き込んで、言った

魔石の中には球体の玉(ぎょく)と呼ばれる所があり、

玉(ぎょく)だけの方がエネルギー効率が100倍近くになるが

取り出すのは困難でまず低級魔物の物では出来ない

成功したのは過去にS級以上の魔物で数回しか報告されていない


「赤龍を倒したのか!Bランクが・・・何人で?」

「えーと一人で・・・」

「バイジスク、アカネは俺よりも強いぞ!新人判定試験で圧勝されてしまったよ・・・Bランク以上の判定が出来たらSSS級と判定したね」」


そうギンガットが言ううと他の冒険者達が驚いていた


「どうやって取り出したんだ」


まだそこが気になるフィンセントだった


「一体と対戦中に、70㎞離れていた同じ種類の赤竜が2体来たんだよ」

「3体を一人で相手にしたのか?それで倒した?」

「うん、ちょっと焦って大分破損させてしまったけど倒して、収納に入れてあるよ」

「!龍を収納に?収納力は魔力量に準ずる!どれだけ魔力あるんだよ!もしかして3体とも?」


驚愕するバジリスク達だった


「ああ、1体は木端微塵にしていまったので2体のみだけど、売れるかね~

売れると思って破片も拾って来たんだけど・・・」

「高く売れる、竜なんてめったに狩られないからな・・・今回も数年ぶりの討伐隊だ」


そうギンガットが言った

ロベールはアカネを信用して戦闘能力がSランク以上の者とすることにした

フィンセントはまだ玉(ぎょく)が気になるようだが、討伐後にまた話を聞こうと思っていた


冒険者Aランク、Bランクの者は水晶で判定したがSランクの攻撃力持つ者は居なかった

出発前日までに集まったSランク上は招集Bランク以上200人集めた中でアカネ以外でたった25人だった

それでもSランク以上と言うアカネの言葉を優先するロベール

冒険者の中には怪訝な顔をするものは居たが、王家に逆らう者は居なかった

冒険者25人、騎士5人(戦闘能力がSランク以上)アカネとロベールとフィンセントの総勢33人で行くことになった


「収納使えるのでどんどん言ってね、入れちゃいますよ~大きなテント組み立てたままでも入るから~」


荷運びの人間が要らないのも人数が少ない原因でもあった

アカネの前に食糧やテント予備の武器や治療具、回復薬等の薬など、どんどん運ばれてくる


「えーと行きの分だけでいいのでこんなにいらないと思うよ~帰りは移転魔法で全員ひとっとびだからさ」

「!!なっに~移転魔法?全員?」


準備の手が止まる冒険者や騎士達


「転移魔石で魔法陣施した所ならどんなに遠くても移転出来きるからね~

王都の壁外に施しといたので一瞬で帰れるよ」


あっけに捕られる討伐隊だった

一人なら行ったところなら移転魔法石は無で移動出来るが、

大人数だと必要だった、王都城壁から少し離れた所に土を固めてスペースを作り、

魔石を配置して陣を作っていた200人くらいまでなら一気に移転できる

魔力がかなり必要なので今はアカネしか出来ない。


「行きは頑張って行きましょう~・・・あっ・・・馬に乗れない~・・・飛んでいくかなぁ」






山道を行軍していく討伐隊

アカネは皆の上を飛んでいる、警戒も方向確認も出来るので一石二鳥だった


「桁が違いすぎるよな・・・」


馬と徒歩で行軍している討伐隊の面々は、上空を見てつくづく思った


「休憩だ、アカネ!降りて来い」


ギンガットに呼ばれ地上に降りたアカネ

ギンガットの元に行こうとするといつもロベールに


「話がある」


と呼ばれ横に座らされていた、聞かれるのは警戒中の様子や討伐の手順の確認なのだがなにせ近い、体を寄せてくるのだ


(う~また魔力でなでられた~)


【ルナ】:すこし気持ちよさそうでしたが大丈夫ですか?


(うっ落ちそうだわ・・・生娘でもあるまいに私ったら)


【ルナ】:アカネ様は生娘でしょう?


(あっ!そうか生娘か私は・・・記憶は生娘じゃないけど)


魔力で撫でてくるのと同時にあの心地いい風の魔力も放ってくるから、

気持ちよくなっているアカネだった


(なまじ顔が好みだから尚更よね、あの整った顔とさらさらの緑がかった銀髪、綺麗な碧眼で見つめられるとまずいわ落ちそうだわ、心臓バクバク!)


ドラゴン生息地までは王都から1000㎞

警戒しながら道のない山を行った為4日かかって緑竜の生息地に着いた


その日は警戒しながら再度討伐手順の打ち合わせをした


「不測の事態が起こった時、必ず私の指示にしたがってね、プライドも体裁も無しだよ!命あっての物種だからね!」


そこだけは何度も言っているアカネだった


翌日、戦闘態勢に入る討伐対

防御力の高い剣士系を前に攻撃力の高い物を左右に配置

補助魔法系と遠隔攻撃系を後ろに、指揮官と護衛が最後尾につけている

アカネは前衛の真ん中だ


「攻撃開始!」


ロベールが号令をかけると

補助魔法系が前衛に強化と防御魔法を展開

遠隔魔法系が弱体の魔法と重力魔法で竜を動けなくしようとした

が、あっけなく弾かれた、

直ぐに遠隔攻撃魔法に切り替えて、炎系の魔法を放い続けた

竜が少しよろけた所に前衛が攻撃をかける

うろこが硬いため刃物がほとんど立たない


「うろこの下は弱い!うろこの向こうを攻撃するつもりで叩きつけろ!」


アカネが叫んだ

竜は奇声を上げた、手を振り回し、尾を振り回して攻撃を掛けてくる

ぎりぎりの所を冒険者や騎士達は避けている、氷のブレスも障壁を張ってぎりぎり防いでいた


攻防は30分以上続いた

かなり弱ってきた緑竜、そこに恐れていたものが現れた

新たな竜、それも上位種になる黒竜が3体も現れた


「黒竜だと!」


叫んだのはバジリスク、

黒竜は上空から前衛のバジリスク達めがけて飛来した


「全員後方に退避!」


叫んだのはもちろんアカネだった

バジリスクはもうだめだと思ったその時、体が浮いた気がした

気が付くと指揮官陣地に全員移動していた


「自分たちの周りに障壁展開!障壁張れないものは魔力を障壁に流して強化、教えた通しにして!」


黒竜2体を回し蹴りして遠くに飛ばして、1体を緑竜の上に殴り倒して、言った

殴り倒された黒竜は体制を立て直して障壁に向かってブレスを吐いた

障壁でふさがれたブレスしかし皆苦痛の表情をしていた

いきなり障壁の前に土壁が現れてブレスを防いだ、しかし土壁が赤くなっていく

ドーンと言う音がして土壁を壊してアカネが陣地近くに飛ばされてきた


「くっ~・・・・手加減難しいわ~」


その言葉に全員が耳を疑った

壁の向こうに黒竜と緑竜が倒れているのが見える、でもまだ生きているようだった


「アカネ・・・手加減って」

「ああ、粉砕するのなら一瞬で済むけど、素材欲しいし高く売れるんでしょう?竜のお肉って美味しいって聞くしさ、さてもう少し力加えてみるかな?4体相手するの面倒だし2体粉砕してもいいかなぁ」

「・・・ああ・・・1体でもかなり高く売れるぞ、黒竜の肉は絶品だと聞いた事がある・・」

「おい!キンガットなにを・・・」

「ふうん、黒竜か、じゃあ1体粉砕で3体採集出来るように頑張るかな?」

「お・おう、頑張れ・・・」


アカネが竜にむかって飛んだ


「おい、キンガットなんてことを言うんだ」

「バジリスク?あいつと戦うと解るよ桁が違うんだ、本当に」


皆は呆気にとらわれている

アカネは起き上がろうとしている黒竜を手加減なしで殴った


ドーン!

黒竜が木端微塵に吹き飛んだ、そのとばっちりで緑竜の肩半分も吹き飛んだ、緑竜は絶命した


「あっやばっ!強すぎた」


「黒竜のうろこはミスリル級の硬さのはず」


そう言ったのはバジリスク

遠くに飛ばされた黒竜がこちらに向かってきていた

ここにきて初めてアカネは刀を抜いた、それを見てギンガットが言った


「あいつずつと体術だった・・・」

「なんだあの剣あんなに細くて竜の相手になるのか?」


バジリスクとギンガットの会話に他の皆は黙って聞いているだけだった、障壁を張るので精一杯で余裕が無いのもある


「何か変だぞアカネの様子・・・」


気が付いたのはギンガット


「うっ・・・何?あっレベルが100になっ・・あ~」


アカネの体からまばゆい光の魔力があふれて来る


「やばい、何か暴送していく気配が、いやだだめ!」


アカネは自分を抱きしめるような恰好をした、体の周りを光の魔力が這う、そして背中から勢いよく光が広がっていった、ゆっくりと上体を起こしてすーと浮いたアカネ、光が背中から広がってそれがまるで羽の様だった、全てが金色に輝いていた


「「「「「・・・女神・・・・」」」」」


誰もが思ったその姿は神を思わせるほど美しかった

黒竜が迫ってくる


キェー!


光に包まれたアカネが空を駆ける

手に持つ剣が日に反射して光ると黒竜に向かって凄い速さで切りかかった

2体はあっという間に血しぶきを上げて落ちてくる


ドウンッ


すさまじい音が響いた


「アカネは!?」

「あそこ!黒竜の所」


黒竜の血だまりの中から光に包まれたアカネが立ち上がった

血まみれのアカネはゾクッとする怖い美しさがあった・・・

しかしそのまま、ぱたりと倒れた光がゆっくりと収束して元のアカネに戻っていく







気が付くとロベールの膝の上に頭を乗せて寝ていた

見るとロベールも、うたた寝をしていた


「顔は本当に好みだなぁ」


パチッとロベールが目を覚ました

2人はじっと見つ合う

ボッとアカネは顔を赤くした・・・

ニコッと笑いかけるロベール

アカネは起き上ったが、くらっとめまいがしてそのままロベールの腕の中に納まっていた

膝の上に座る形で抱きしめられてる


「顔だけでも気に入ってもらえてうれしいです、顔以外も気に入って貰えたらいいのですが?

体は大丈夫ですか?クリーンの魔法で綺麗にはしましたが、気持ち悪く無いですか?」

「近いです・・・顔近い!大丈夫だから、離して」

「まだ動かない方が良い」


少し顔を離して優しく言った


「皆は?」


薄暗くなってきた山の中

火の周りには2人しか居なかった


「竜の血抜きと、付近の警戒、竜の巣の調査をしている」

「皆は無事だったの?途中から記憶無いんだけど」

「全員無事だ、竜討伐で死者が居ない、重傷者も居ないのは初めてだそうだよ」


アカネの頬をやさしくなでるロベール


「傷が・・・治っているけど跡が残ってる」

「竜の手にあるとげとげで・・・跡は消えないようにわざとしてる」

「どうして?」

「分からないなぜが消したくないのよね、はは・・病んでるのかもね」

「アカネ・・・」


ロベールがぎゅっと抱きしめた、今回は抵抗せずにされるがまま腕の中にいたアカネだった

そのままアカネに顔を近づけるロベール、唇が重なる、首に腕を回すアカネそのまま口づけは深くなっていった

撫でるような魔力がアカネの周りを這う


「ウオッホン!」


はっとして離れる二人


「キンガット」

「そういうことは帰ってから見えない所でしてもらえますかね王子」


遠目で見ていた皆だが、代表してギンガットが言いに行く役目を頼まれたのだった

ぞろぞろと冒険者と騎士達が戻ってきた

光の現象の原因は覚えてないので分からないとアカネは誤魔化したが

覚えてないのは嘘ではないが原因はやはりレベル100のせいだろう


(ステータス見るの怖いわ~

あー・・・王子とキスしちゃった~

・・・どうしよう・・・

気持ち良かったどうしよう・・・)


横のロベールを見て赤くなるアカネだった


気絶したアカネは凄く熱かった

だれも触れることが出来なかったのにロベールだけ触れられた

なのでずっとアカネの面倒を見ていたのだ


<女神?現象>を皆に言いふらさないように言ったが

どこまで守ってくれるかは分からない不安なアカネだった

その晩は何故かロベールと同じテントに眠らされた、何もされなかったがなぜ?と不安で眠れなかったアカネ、まあ女神スキルで眠らなくても実際平気なのだが疲れたのは確かである


「じゃあごめんなさいロベール王子、収納しますので近くに連れてってください」

「ロベールで良いよ♪」


実は熱はまだ続いていてフラフラで歩けないのでロベールにお姫様抱っこされて収納する物の所に運んでもらっていた

竜や野営のテント等、収納に入れていく

そしてアカネとロベールの周りに集まるとアカネが魔法を展開、一瞬で王都壁外の転移魔法陣施に着いた


「一瞬か・・・凄いな」


報酬は後日払われるとと言うことでアカネも宿で待機することになった

熱は三日ほどで治まった


おっかなびっくりステータスを開いた


名前:アカネ『フィオナ・フォン・クランドール』『田中 茜』

種族:現生女神

年齢:18歳

称号:転生者、貶められた者、new神域を見る者


【レベル: 100/∞ 】

【体力: 1220000/1220000 】

【魔力: 35兆/35兆 】億以下省略

【速さ: 680m/1秒】

【知力レベル: 250/∞】


【光魔法:∞】

<回復魔法:∞><人体欠損部生成:∞><new生物生成:SSS>

【聖魔法:∞】

【闇魔法:∞】

【火炎魔法:∞】

【氷魔法:∞】

【水魔法:∞】

【風魔法:∞】

【土魔法:∞】

【雷魔法:∞】

【空間魔法:∞】

<収納:∞><空間移転:∞><new異空間移転:SSS>

【重力魔法:∞】

【精神魔法:∞】

【解析魔法:∞】


スキル:∞

<望むもの全て可能>


「・・・・うっそ!現生女神?・・・これって神になったってこと?・・・あれ?ルナ?返答が無い・・・」


<よくある質問>

<眷族呼び出し>


(違ってる眷族?また主張して光ってるし・・・)


【ルナ】:おめでとうございます100レベルですね「私も」進化してヘルプから眷族扱いになりました。

身体を作っていただいた折には精一杯お使いします。


「進化したの?私も?・・・とうとう人間どころか得体の知らない物になった感じだね~・・・」


【ルナ】:異空間移転もありますね凄いです、肉体があっても神の領域に行けますよ


「いや、行きたくないし」


【ルナ】:世界征服


「いや、しないし」









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

討伐に出発する前


マーベル「何を着ればいいか分からない?」

アカネ「ゲッディズのギルド受付嬢のアマリリスさんに、幾つか選んでもらって買ったんですが、こういうう時は何を着ましょう?」


『フィオナ』はメイドにいつも選んでもらってたし、『茜』はほとんどジャージだったので衣装には疎いアカネだった


マーベル「どれもピン来ないわね・・・私の着てみなさいよ、サイズは自動修正が入るから大丈夫よ」

アカネ「・・・こんなあらわな姿、戦闘に行くのに可笑しくないですか?」

マーベル「そんなことないよ~みんなに聞いてみればいいよ」

アカネ「えっ?ちょっとまって恥ずかしい・・・」


ギルドの会議室でマーベルと着せ替え状態のアカネ、

ギルドホールに押し出されて冒険者の前にビキニ姿のアカネが現れた

冒険者達は唖然として皆目が血走って来た

まだいたロベールも目を見開いてがん見した後、鼻血が・・・


マーベル「どう?みんな、可愛いよね」

皆「「「「やめてくれ、集中出来なくなる」」」」


結局ゲッディズでアマリリスに選んでもらった膝上水色のショートドレスに

部分的な皮鎧を着て膝下ブーツにマントと言うスタイルにした


しばらくアカネのビキニ姿が頭から離れない

ローベール含む男女含めた冒険者達だった

マーベルは男と変わらぬムキムキな筋肉していたのでみんな女扱いでは無いが、

アカネは程よい筋肉の結構グラーマーで腰が括れたとても女らしい姿だった。


アカネはしっかりマーベルの衣装も収納にしまった、


(海行ったとき着たいからもらっとこっと)


前世で海では普通にビキニだったアカネ、ビキニに抵抗は無い

後にまたロベールの鼻血がみれることだろう~





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