第5話:「アカネ」王子様と出会う

王子様が直接アカネと会います


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「父上、姉上、見つけました !草原の魔法使いを」


王宮会議室で職務放棄で注意されていた第2王子が言った

部屋にいるのは


王、ギルバート・フィル・フランバート50歳


王位継承権筆頭の第一王女、エリザベート26歳<王名代>


エリザベートの夫、将軍フレデリック・フィル・ガジェット伯爵29歳


第1王子、マキシミリアム22歳<騎士団総裁>(婚約者有)


第2王子、ロベール21歳<騎士団副総裁>


第3王子、グランデル20歳<魔法省総裁補佐>


第2王女、アルビナ18歳(婚約者有)嫁入り準備中


宰相、ブライアン・テール・グラファン伯爵55歳


宰相補佐、フィンセント・サンジェルマン公爵嫡男21歳


魔法省総裁、ライラック・マーマレード(爵位無女性)


教会総裁、ドルイド・テール・バルドス公爵


貴族会総裁、ドンファン・フィル・バートン伯爵


他数人の貴族、公爵2人子爵3人男爵2人 王宮騎士団長1人


総勢20人で、国の行く末を会議中である

オブザーバーとして王妃のミストラル聖母が王の後ろに座っている

5人の子の母である。この国は一夫一婦制である。


「詳しくお話ください」

宰相のグラファン伯爵が言った


「先日、草原探索の準備に城壁の詰所に居た所、大きな魔力を感じました。

それが草原で感じた魔力と同じだったのです。

フィンセントに隠密の魔法と情報遮断の魔法を掛けてもらい馬を走らせて離れていく魔力を追いました

全く姿が見えなかったのですがそこに居るのは解りました。

王都から50Km地点にある町ゲッディズでその気配は止まり気配を追うとなんと美しい女性が

もうそれは美しくて可愛くて、ギルド長に勝つくらい強くて惚れました、彼女に求婚します!」


「ちょっと待て!恋の話なのか?草原の魔法使いが?ゲッディズのギルド長に勝つって彼はSS級冒険者だぞ!」

ギルバート王は暴走気味なロベール第2王子に言った


「草原の魔法使いならありえますよあの強大な魔法を使うものに敵うものなど居ないと思いますよ」


ロベール第2王子が当たり前のように言う


「『アカネ』は新人でB級冒険者になりました、近じかドラゴン討伐ありますでしょう?それの指揮を私に任せてはもらえませんか?」


ロベール第2王子の下心は見えるが最初からそのそのつもりだったマキシミリアム第1王子は訝しげにロベール第2王子を見ている


「新人でBランクとは凄いな、近隣の町の冒険者ギルドにはドラゴン討伐の件は通達はしてある、ちゃんとまとめるように、出発は先発隊の報告を待ってだいたい2週間後の予定だ」


そう言ったマキシミリアム第1王子


「グランデル 第3王子には草原の調査と今後の展開を試案してもらう、姉上よろしいか?」


さらにマキシミリアム第1王子が続けた


「貴族会の方にも何人か調査に参加して貰って案を出してもらった方がいいわね、案は沢山あった方がいいわ」

「かしこまりました、貴族会からも出しましょう」


貴族会総裁、ドンファン・フィル・バートン伯爵がそう言うと皆うなずいた





「そうだフィンセント・サンジェルマン、彼女の捜索はどうなっておる?遺品も無いのか?」

「はい、<フィンドラス王国>のフィオナ・フォン・クランドール伯爵令嬢は見つかっておりません」

「失態だったなダーゼン村(国境の村)ではなく国境に騎兵を待機しておくべきだった、保護出来なかったのが悔やまれる」


フィオナの事をそう気にかけたのは宰相のブライアン・テール・グラファン伯爵だった


「練れ衣なのは端から見ても明かなのだろう?フィゼン男爵」

「はい、大物貴族の子息以外の学生は皆気が付いていました。

でも何か訳の分からないものが暗躍していて怖くて黙るしかなかったですね

残念ながら学年が違い、彼女を遠くからしか見たことが無いので容姿は良く解りませんが、

とても美しい方だと聞いております」


フィゼン男爵はちょうど断罪が行われた時期に留学していたのであった、フィオナの1つ下になる

この国は彼女を手厚く保護するつもりだった、彼女の才媛はこの国の中央にも知られていて、その力を貸してもらおうとしていたのだ


「訳の分からないものが暗躍か、

世界暗殺集団が動いているのかもな?世界征服を狙っていると言うじゃないか、

テロも起こしているらいしいしな、遠くの国の話ではなくなって来ているか・・・・、

将軍フレデリック、警備の強化を」


そう王が告げると皆暗い顔になっていった


「よろしいか?ギルバート王よ」


そう切り出したのは 魔法省総裁ライラック・マーマレード


「魔素が抜けたその草原、フィオナ・フォン・クランドール伯爵令嬢が行方不明になった所と近いのは偶然じゃろうか?」

「ライラック殿それは、ロベールが言う『アカネ』という冒険者がフィオナ・フォン・クランドール伯爵令嬢じゃないかと言うことか?それは~・・・」


宰相のブライアン・テール・グラファン伯爵はそれは無いだろうと思った


「ロベール!お前はどう思う?『アカネ』を直接見てきた者としては」


王が聞いた


「ゲッディズでは町創設以来初めて新人冒険者からBランクが現れた」

その祝いと称してコロシアムに来ていた人たちと宴会が催されました。

彼女は楽しそうにお酒を飲んで盛り上がっていました。

歌も歌ってたし、肩を組んでおじさん達と踊りも踊っていました。

高飛車な所が無く、強いのに偉ぶる所もない、けれど彼女のその姿は令嬢とはとても思えません

が、さりげない仕草や立ち居振る舞いは、田舎の娘にも見えませんでしたね、

それに、フィオナ・フォン・クランドール伯爵令嬢が巨大な魔力を持っているとは聞いたことが無いと思いますが・・・」


「それが、私は<フィンドラス王国>のミストラル王宮魔導師と最近会う機会がありました。

彼女がフィオナ・フォン・クランドール伯爵令嬢に長年に渡り、魔封じをしてきたことを聞いたのです」


「魔封じだと?何故だ」

「彼女か黒髪赤目の黒魔女の容姿で生まれて来たからです」

「なんとまだそんな迷信を信じているのか?」

「もしそれが何らかの原因で魔封じが解けて、覚醒したのだとしたらあり得ると思います。」


皆黙ってしまった、実際宴会していたアカネを見ていたら絶対令嬢などとは思わなかっただろう、ロベールに恋する欲目が出ていたのは確かである。

結構下ネタやおじさん達をからかったり結構かなり、酷く下品だったアカネである



「くしゅん!」


【ルナ】:ほこりでも吸い込みましたか?


(あー私風邪も引かないんだっけ?・・・きっと誰かが噂(うわさ)してるんだ)


がらがらがら

幌馬車に揺られて王都に向かっているアカネだった


【ルナ】:一っ飛びに行けますのに・・・


(馬に乗れたらなぁ・・・

まぁ、のんびりと行くのもいいよ~

でも、ギンガットってば、颯爽と馬に乗って行っちゃった~)


幌の後ろを少し開けて過ぎてゆく景色を眺めていた、何故かどの馬もアカネにお腹だして転がってしまうので乗れ無かったのである


(王都周辺は、魔物も盗賊も定に討伐されてるから、出ないし暇~)


【ルナ】:あの隊長いましたね


(いつの間に居たんかな?気が付いたら宴会場にいて、同じ宿屋で・・・つけられたかな?)


【ルナ】:魔力探知の能力高いんでしょうね?情報遮断の魔法は相変わらずでしたね


(どんな身分の人だろうね、容姿はめっちゃ好みなんだけどね~、貴族っぽいし貴族なら関わり合いたくないかな?)


【ルナ】:興味持たれたんですか?良いことです


馬車で2時間弱で王都に着いた、入場門で降りて並んでいる一般の入場者を横目に冒険者用入場門から王都に入ったアカネ

まず冒険者ギルドに向かった


「おう!着いたか・・・」


ギンガットがギルドに着いたアカネに手を振って呼んだ


「いいよね~馬・・・乗りたかった、なんで馬~」


大きなグレーのマントは変わらないが

チェックの短いスカートにチェックのベスト白いブラウスに

悔しそうにしている姿も可愛いと思うギンガットだった、

首を振って奥さんを思い出しながら顔を叩いた


「1週間以内に出発するらしい、遠征軍の隊長はロベール第2王子騎士団副総裁、副隊長はフィンセント・サンジェルマン宰相補佐だ、二人とも若いが優秀な方々だ」

「意見言うことって出来ないのかな?例のレベルの件・・・」

「出発まで多分会えない、王族だしな、ドラゴン生息地行く間に話し合いはしていくが、その時にはメンバーは揃って居るからな」

「話したいなぁ・・・」


「話をしましょう」


「!!ロベール第2王子!?」


ギンガットは声の主を見て叫んだ

奥のギルド内にある食堂の椅子にロベール第2王子とフィンセント宰相補佐と数人の騎士か座っている


(隊長だ・・・げっ・・・ロベール第2王子?・・・王族!うわぁ関わりたくない~)


【ルナ】:王族とは驚きですね


「腹黒、副隊長まで・・・」


【ルナ】:声でてますアカネ様


(うわっやばっ)


フィンセント宰相補佐がじろりとアカネを睨んだ

おもわずギンガットの後ろに隠れた

その姿も可愛いと思う周りの男たち


「何か仰りたいことが有るのでしたら聞きましょう、マーベルギルド長、会議室使わせてもらえるか?」

「構わないけどさ王子様、朝からずっと食堂占拠して何かと思えば待ち伏せだったんかい!言ってくれたら、来たら知らせてやったものを・・・」


もすごい顕わな姿のグラマーな王都のギルド長、SSランクの冒険者だマーベル、レベルは62

ギンガットの後ろから様子をうかがいながら、


「出来たら、呼べるだけのSランク以上の冒険者も呼んでもらえないかな?Sランク以下には内緒で」

「?、解ったフィンセント、すぐ呼んでくれ」

「分かりました今所在が解っているのは12人ほどです」

「頼む」


フィンセント宰相補佐は部下らしき人に指示を出していた

部下は冒険者ギルドを出て行った


「どうして?そんなにすんなり聞いてもらえるの?」


何故か王子の前に出れないアカネ、直にまじまじと見るのは初めてだが、

何かや得体の知れない物をロベール第2王子から感じていた

ギンガットの後ろから言ったアカネ


「草原の魔法使いに今回のドラゴン討伐について意見は聞きたいと思っていたのでね」

「草原の魔法使い?私のこと?」

「フィンセントの腹黒さを知っているのは私と宰相くらいだよ、はははは」

「殿下・・・・」


フィンセント宰相補佐は複雑な顔をしていた


「私は魔力感知に優れており魔力でそのものを探したり区別できます。犬の嗅覚より優秀ですよ」

「私の事を「腹黒」と言うのは草原の魔法使い位ですよ失礼な!」


2人のやり取りをボケッとみているアカネだった


「改めまして、私は アメリア皇国第2王子、ロベール・フィル・フランバート、騎士団副総裁を務めております、

継承なしでロベールとお呼びください、アカネ殿」

「宰相補佐、サンジェルマン公爵嫡男フィンセントです。よろしく」


2人がアカネに丁寧な挨拶をした、周りに数人いた冒険者や部下の騎士達はとまどっていた

王族が若い冒険者の娘に敬意を表して挨拶しているのだ


しかしアカネはギンガットの後ろに隠れたままだ


「よろしく」


と手をだすロベール

でも何かに怯えるようにギンガットの後ろから出ないアカネ


「おい!アカネどうしたんだ殿下が握手求めているのに、さすがに失礼だぞ」


ギンガットはアカネをたしなめた


(結構重症だったんだな・・・

私、王族と聞いただけでこんなに怖いなんて、違うのにあいつらとは違うのに・・・怖い)


【ルナ】:アカネ様・・・・


「すみません、王族の方に、前に酷い目にあったためちょっと、思い出しまして」

「アメリア皇国の王族の者がどんなことを?それは忌々しきことです」

「あ!いえいえここの王族の方では無いので、ちょっとトラウマになって居るだけで、アメリア皇国の方々にはまだ何も・・・」

「・・・・」


フィンセントがじっとアカネのほうを黙って見ていた

アカネはゆっくりとギンガットの後ろから出てきて、ロベールに手を伸ばした

手が触れるとロベールから何かが流れてきた、やさしい風のような心地よい何かが

アカネいきなり泣き出した


「どうされました?大丈夫ですよ私はあなたに危害など加えませんよ」

「ちがっ、・・・ちょっと思い出したら・・・」

「よっぽど酷い目に遭われたのですね・・・大丈夫です、『守る』とは私より貴方の方が強いと思うので言えませんが、私がずっと横に居ます支えます、大丈夫ですよ」


そう言ってアカネを優しく抱き寄せた

周りは目を凝らして見ている

ロベールの腕の中でしばらく泣いているアカネ、ロベールの抱きしめる力が強くなった

すると、ばっとアカネはロベールから離れてギンガット後ろにまた隠れた


バコッ

フィンセントがロベールをどついた


「最後、欲望が駄々漏れだ、ばかやろう」

「いやぁ可愛くて可愛くて」


(びっくりした、魔力で体を撫で回されるとは思わなかった!)


【ルナ】:すごいですね求愛にこういうう方法もあるとは・・・



「アカネ、落ち着いたか?」


ギンガットが言った


「すみません、泣いてしまって」

「いつでも私の胸を貸しますよ」

「あ、いえ、それはもう・・・」


それだけ欲望だだもれにしてたら普通の女性はよってこないだろう、と思う回りの者たちだった

ロベールが言った<私がずっと横に居ます支えます>プロポーズにも聞こえる言葉は皆スルーしていた


(しかし、抱きしめられてた時、すごく最初は気持ちよかったな、いい匂いしてたしコロンかなぁ)


【ルナ】:もしかして恋ですか?よろしいと思いますよ善人なのは結界が証明してますし


(恋ってまさか・・・まだ怖いとも思ってるし・・・)




(接触したのでスキルが見えたわ)


名前:ロベール・フィル・フランバート(アメリア皇国第2王子)

種族:人間(女神の子孫)

年齢:21歳

称号:慈愛の王子、高潔の王子、NEWアカネに求愛する者


【レベル: 65(65)/70(+30女神特典) 】

【体力: 500000/500000 】

【魔力: 10000000/10000000 】

【速さ: 25m/1秒 】

【知力レベル: 70(75)/70(+30女神特典) 】


【光魔法:7】

【聖魔法:7】

【火炎魔法:7】

【氷魔法:7】

【水魔法:7】

【風魔法:10MAX+5】

【土魔法:7】

【空間魔法:10MAX】

【精神魔法:10MAX+5】

【解析魔法:10MAX】


スキル:9/10

・情報遮断:高

・魔力感知:高++

・慈愛放出:高

・レベルアップ1.5倍速:高

・自動異常回復:高

・精神汚染無効:高

・縮地:高

・会心の一撃:高

・体力上昇:高



(何?(女神の子孫)って)


【ルナ】:1000年前にこの国を立ち上げた王の王妃が女神族でした。

この国では神殿で創造主の女神様と同様に王と王妃、二人が祭られております。

この国は王妃を敬い聖母として慕ったためここまで発展したと思われます。

女神族の子孫はなかなか居ませんのでこの国の王族は貴重な方々です。


(女神って黒魔女の他にも居たんだね・・・でも<NEWアカネに求愛する者>ってなんなのよ・・・)


アカネは顔を赤くした







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フィンセントもその後握手したのでステータスが見えた

その時ロベールが嫉妬の目を向けていたのをスルーしたフィンセントだった


名前:フィンセント・サンジェルマン(公爵嫡男)

種族:人間(女神の子孫)

年齢:21歳

称号:ロベールの参謀、腹黒


【レベル: 68(68)/70(+10女神特典) 】

【体力: 550000/550000 】

【魔力: 5000000/5000000 】

【速さ: 10m/1秒 】

【知力レベル: 70(72)/70 (+10女神特典)】



【闇魔法:10MAX+5】

【火炎魔法:7】

【氷魔法:7】

【水魔法:7】

【土魔法:5】

【雷魔法:5】

【空間魔法:5】

【精神魔法:10MAX+5】

【解析魔法:10MAX+5】


スキル:7/10

・情報遮断:高

・隠密:高

・レベルアップ1.5倍:高

・自動異常回復:中

・精神汚染無効:高

・会心の一撃:高

・体力上昇:高



【ルナ】:女神特典は血の濃さや、隔世遺伝によるものです。その血の濃さによって補正数値が決まります。


(フィンセントも王家の血筋なんだ・・・ロベールは直系だから多いって事か・・・)


【ルナ】:記録によると人間で100レベルは行ったものは居ないようです、補正があってもそこまでたどり着くのは難しいみたいですね、でもロベール様の歳でレベルアップのスキルもあるので、今のレベルからなら有りえるかもしれません。100レベルで何かが起こると言われておりますが、何が起こるか記録にありません。


(え?私ももうすぐ100レベルなんだけど、何か起こる?)


【ルナ】:女神族の者でも100レベルになった者が居ないので、記録にありません。

私の持ち合わせのヘルプ内の情報にも乗ってませんお役にたてず申し訳ありません。

今まで女神族は皆貴族や上位の地位の者として生まれた為、そこまでレベルが上がることが無かったのです。


(私が異常って事か、婚約破棄事件が無ければ私もここまでレベルは上がらなかっただろうからね・・・・

どうなるのか何か、ちょっと怖くなってきたな・・・・)











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