第4話;悪役令嬢は、冒険者「アカネ」になる

長くなった


ーーーーーーーーー

<アメリア皇国>の王都から

50Km地点にある町ゲッディズ

町の西門近くにある<冒険者ギルド>に変わった格好の美女が現れた


黒い皮のズパンツにブーツ、

お腹の空いた紫のタンクトップに

黒に紫の縁取りの赤い花模様のついた上半身着物の様なのをその上に着、

お腹(シックスパック)が見えるように着崩して腰は丈夫な帯が巻かれており

脇には細い剣を帯に2本刺し

フードの付いた大きな濃いグレーのマントを着ている


髪は生え際は少し黒いがほとんどが白髪でポニーティルにしている

肌は日に焼けて浅黒く瞳は真っ赤で耳には綺麗な紫の宝石のピアスを付けている


ルナと念話


【ルナ】:・・・フィオナ様せっかく王都まで行かれたのに引き返したのは何故でしょうか?


(王都を見たら少しビビった・・・フィンドラス王国の王都の何倍かな?

高速で飛んできて暫く城壁に降りてぼーと眺めてたけど気が付かれてないよね・・・)


【ルナ】:光学迷彩で姿はしっかりかくれてましたよ、

魔力感知の鋭い者が居たら気がついているかもしれません。

アメリア皇国の王都の人口は100万人

フィンドラス王国の王都は40万人で

アメリア皇国の王都はこの世界で唯一の100万人都市です。歴史も1000年あります。

フィンドラス王国は黒魔女のせいで都市が一度滅んでいますので


(入場門の行列にもびびった、あれ夜までに終わらないだろうね、だから城壁の外にも、ろ店があったんだ、冒険者用の入場門かあるみたいだったから一旦何処かで冒険者登録しようと思って入場門無視するとまずいだろしね


・・・しかし、なんかじろじろ見られてるんですけど・・・)


【ルナ】:格好ですかね・・・


(え? 変? え~・・・・)




受付に着いて


受付「いらっしゃいませ御用は何でしょう?」

「冒険者登録をお願い,それと魔石等の買い取りお願いしたいんだけど」

受付「わかりました、この紙に必要事項お書きになりお持ちください、文字は書けますか?代筆も行っておりますが」

「文字は大丈夫」

受付「わかりました、買い取りは登録されましたらあちらのカウンターで行っております。」


(えっと、名前は・・・『アカネ』にしよう前世の幸せな自分にあやって、それと歯止め、盗賊の辻馬車襲撃の時殺された幼児を見て、娘と重なってちょっと我を忘れたんだよねやばいと思った黒魔女にならない為にも『アカネ』は歯止めになる)


【ルナ】:確かに切れてましたねフィオナ様


(あと年齢は18歳と下は、紹介状欄?)

「すみません、紹介状って何ですか?」


受付「国が認定したAランク以上の冒険者が開いている訓練道場の紹介状です。

あると本来FランクからなのがDランクらのスタートになり

実入りのいい依頼が最初から受けることが出来ます。」

「無いと絶対Fからなんですか?」

受付「その下に得意な物をかく欄があります、そこに書かれた内容によっては最高Cランクから始められます。その場合ギルド長の試験に合格が必要です。」


(紹介状があれば無条件でDランクでさらに試験を受けるとCランクからか・・・)


「ちなみにCランクで最初から登録した人居るの?」


受付「他国の冒険者を辞めてこの国で再度登録された元Aランクの方なら居ましたが、全くの未経験の人では居ませんね。ほとんど最高でもDランクです」

「分かりました」


(うーん・・・得意な物~わからない

魔法:殆ど全て

剣技:殆ど全て

体術:殆ど全て

魔法具作成:殆ど全て

料理:家庭料理

荷物運び:大概全て出来る

こんな感じかなぁ

パーティ組む時用かなぁ料理と荷物運びは

後は冒険者のパーティに所属する予定は無し!する気も無し!

と,こんなものかな?)


受付「得意な物殆ど全てですか?少々お待ち下さい。ギルド長に確認してきます。」


受け付け娘は奥に申し込み用紙を持って行った

しばらくして大男が現れた


受付「ギルド長、この方です。」


大男はギルド長だった

ジーとフィオナを眺めると


「試験は昼1時からだ」





受付「1時前には受け付けに再度来てください。冒険者登録前でも受け付けはしましたので買い取りは冒険者価格で行えます。どうされますか?」


「買い取りお願いします、無一文なので・・・・所で、」


見を乗り出して受付嬢に向ける


受付「な、なんでしょうか?」

「私の格好って変?皆じろじろ見てたから・・・」

受付「えーと、変わっては居ますがもっと変な格好の人もいますし、

見られたのはあなたが美しいからだと思いますよ。」

「美しい?私が?ツートンで変な髪色なのに?」

受付「髪は関係ないかと、レインボーカラーの人見た頃ありますし・・・」

「そっかよかった・・・」


(髪早く伸びないかな?)

【ルナ】:そんなに気になるのなら染められたら?

(染めるのもなぁ・・・)


髪が気になるフィオナだった、

買い取りのカウンターに移動した


買い取り受付;どれを買い取るんだ?

老齢の男が出てきて言った


フィオナは何もない空中に手を入れイアテムボックスから大きめの魔石を20個程だした


買い取り受付「!!収納魔法使えるんか?」

「あーはい、使えますよ珍しいですか?」

買い取り受付「この町では居ねえな、王都でも王宮付き魔法使い位だと思うぜ。

アイテムバックはあるけどよ、容量は小さい」


後ろの方で休憩している冒険者たちが騒いでいる


買い取り受付「鑑定してくるから、しばらく待っててくれ。」


そう言うと魔石を持って奥に行った

冒険者達がぞろぞろとこっちに歩いてくる


「お嬢ちゃん、冒険者なり立てで不安だろう?俺らのパーティに入らないか?」

半裸の入れ墨をした厳つい冒険者がそう言ううと

「いや俺らのとこに入りなよ女の子も居るしさ」

ちょっときざっぽいふりふりブラウスのちょっとキモいきざ野郎が間に入る

「おい!俺らのところ入れ、いい思いさせてやる」

高級そうな皮鎧を着こんだ冒険者が命令調ですごむ


「断る!、弱い奴と組むメリット無いし」


フィオナは即答した


高級そうな皮鎧が叫んだ

「おい!弱いとはなんだ!Bランクパーティだぞ!」


シュッ


風をきる音がかすかにしてフィオナの腰の刀がカチリと音を出した

ボトン、高級そうな皮鎧のベルトが切れてズボンが落ちて恥ずかしい姿に


「いまの剣が見えない人とは組めません」


見えたものは誰も居なかった

買い取り受付「待たせたな?どうした?」


「いえ、何でもありません、いくらになります?」


買い取り受付

「A級魔物の魔石が7個で金貨7枚(700万円相当)

B級魔物の魔石が5個で銀貨50枚(50万円相当)

C級魔物の魔石が8個で銀貨8枚(8万円相当)

だ、全部買い取りでいいか?」


「A級だって?それも大量に・・・」


おじさん達の間に動揺が走った


「全部お願いします。それと何処か良い宿屋知りません?」


買い取り受付「ここから中央に向かって左の通り沿いに「ユーラン」という高めの宿屋がある

安いのなら右の通りの「ゴラン」と言う宿屋が安くて安全だ」


「ありがと・・・」


おじさんたちがぼそぼそと話をしている

(盗品じゃないのか)とか(盗品でもAランクを倒す輩から盗んだ時点であの娘大物だろ)

(あの剣さばき、本物なんじゃ・・・でも若いよなあの娘)


(ちょっとじゃまだなぁ)

とフィオナは思った


おじさんたちがぼそぼそと話をしている方へ向けてかなりの殺気を送って


「どいてくれない?」


と言った、数人のおじさん達はすぐ避けてくれたが、何人かはズボンを濡らして尻もちついていた


(今は10時か後3時間後か、何か食べよかな女神スキルで全然お腹空かないけど・・・)


尻もちついているおじさん達を避けて外に出た、お金持ちになったので


「高級宿屋にしようっと、ふっかふかお布団♪・・・」


「ユーラン」に向かって歩いて行った





冒険者ギルドの中、呆けている冒険者に向かって買い取り受付の老齢の元A級冒険者の男が


「相手の力量を見抜けないならB級冒険者失格だな・・・」


と言った、おじさん達は何も言い返せなかった






歩きながらフィオナはつぶやいた

「レベルが分からないのは、やはりまずいと思うなぁ、あのレベルでBランクはどうかと思うわ、S級魔物討伐に駆り出される事もあるんでしょう?

真っ先に死ぬね・・・レベル25ってあのゲスC級冒険者と同じじゃん」


【ルナ】:そうですね後ろのC級冒険者のほうがレベル35で高かったですもんね


(ステータス読めないなら読める魔法具考えようか?)


【ルナ】:それは良いと思います、過大評価されて早死にする人が減ります。


(水晶に手をかざすと紙にコピーされるとか?プレートがいいかな?

冒険者ギルドに置くとか教会も有かな?お告げ風にするとか?どうしようかなぁ)


ざわっ


「おい!小娘待ちやがれ!


「?」

フィオナは呼ばれたのが自分か分からないので周りをキョロキョロした振り向くと男が二人道端に転がってこちらを見ている


「なにか用ですか?」

「用じゃねえよ何してくれてんだ!」

「?」


【ルナ】:そこの二人喧嘩してしてましたよ,フィオナ様その間を考えごとしながら二人を往なして通ってきたんです


「・・・ごめん邪魔した?どうぞまた初めて下さいでも往来でやるのはやめてよね・・・・じゃま!」


ちょっとまた殺気をだしておいた・・・

ちゃんとピンポイントで出していた、ギャラリーには子供も居たのでビビッて動けなくなっている二人をほっといて宿屋ユーランに向かった


ユーランは4階建ての綺麗な宿屋だったエントランスには花や調度品が飾られこの世界で始めて見る昇降機(エレベータ)があった.受付に向かった


「いらっしゃいませ、1名様ですか?」

「一人よ、しばらく泊まりたい、何日になるか分からないけど大丈夫かな?」

「はい大丈夫です、チェックアウトは24時間受け付けております。

・・・・ぶしつけではありますが今日は外に出られないほうがよろしいかと」

「ん?どうして?」

「先ほどの通りの喧嘩はこの町の悪名高い訓練道場の者たちで嫌がらせに来る可能性があります。宿内でしたら私どもがお守りいたしますので。」

「あー居るよね何処にでもそういう奴ら・・・私は大丈夫ですよありがとう、それに昼から冒険者試験があるので」

「そうですか、お気をつけてください。」

「ゆったりとくつろげる眺めのいい部屋をお願い」

「かしこまりました。1泊分は前金で頂いております。

銀貨10枚になります。別料金になりますが3階にレストランがございますまたご利用ください」


4-10と書かれた鍵をもらい部屋に向かった4階の角部屋だった

部屋を開けるとかなり広い、大きな天蓋つきのベットに重量感のある高級なソファセット窓からは町が一望出来た、町の家はほとんどが2階建て以下なので高い建物は宿屋と大きな石造りの建物くらいだ。


「なんか懐かしい感じ・・・またこういう部屋に住みたいな」


【ルナ】:お屋敷に戻りたいですか?


「それは無いかな?自由を手に入れたたらもう貴族には戻りたくないなぁ

王族にも二度と関わりたくないわ!

でも、拠点にするところ欲しいから、家買おうかな?魔法道具作る工房も欲しいし

あと・・・優しい伴侶が横に居てくれたらなぁ,無理か、私もう普通の人じゃないもんね」


【ルナ】:そんなことありませんよきっとフィオナ様を受け入れてくれる方がきっと現れます


「だといいなぁ

・・・何か食べようか、女神スキルでお腹空かないけど美味しい物食べたい!」


レストランに着くと給仕がやってきてメニューを渡した

「いらっしゃいませお一人様ですか?何がよろしいでしょうか?」

「うーん、・・・お勧めのランチコースで、昼から予定があるので早めにお願い」

「かしこまりました」


周りがざわついているのにフィオナは人事だと思い、気にしていなかった


しばらくすると料理が運ばれて来た

複雑な味のするものはとても久しぶりだったので顔がほころんだ

投獄中は塩スープにパン、訓練中は岩塩のみの味付けだったので

うれしくてしょうがなかった


「おいひぃ~っ」


周りで食事しているお客たちが

綺麗な娘がそれはもう美味しそうに食べている姿をみて

一気にファンになっていた


「ご馳走様でした。さて冒険者試験頑張るぞ(手加減を)」


周りのお客達は

冒険者試験?可愛いあの子を見に行こう


喧嘩を邪魔された奴らは情報を入手して、

冒険者試験?可愛いあの子に嫌がらせをしに行こう


レストランの観葉植物の影にいる

フィンセント・サンジェルマン宰相補佐に

隠密の魔法を掛けてもらったロベール第2王子は

(王都の城壁で草原で感じた魔力を察知してその魔力を追って来たら

なんと美しい人だ彼女だきっと彼女が草原の魔法使いだ

ドキドキする彼女に触れたい・・・・

冒険者試験?きっと凄い戦いになるのでは?よし!彼女の勇姿を見に行こう)


1時少し前に冒険者ギルドについたフィオナ

受付「お待ちしておりました、皆さんお揃いです試験場にご案内します。」

「試験受けるのは何人ですか?」

受付「アカネさんを合わせて4人です」


受付嬢について歩いていると木の廊下から細い石造りの廊下に変わってい来た


「何処に向かっているの?」


受付「ギルド裏手に有るコロシアムです。定期的に武闘大会が行われる本格的なもので障壁が張れるのSSランクの冒険者の戦いにも耐えられるコロシアムです。」

「へぇ~そんな所でいつも試験してるんだ」

受付「いえいつもはギルド内の訓練場です、ギルド長の気まぐれでたまにコロシアムで行います・・・着きました」


細い廊下を抜けると一気に視界が広がってローマの闘技場のようなコロシアムに出た


わあああー!!


「!なに?」


受付「噂を聞きつけた市民が見学に来てますね、なにか目立つことされたでしょう?狭い町ですのですぐ噂は広がるんですよ」


「えーと・・・なにかした?」


【ルナ】:訓練道場の二人が喧嘩している間を考えごとしながら往なして通ってきたでしょう?周りに結構観衆いましたよあの時


「あーあれか・・・」


コロシアムの少し凹んだところに挑戦者残りの

人とギルド長が居た


「そろったな、それではまず言っておく、この試験では紹介状は無効になる俺がお前はFだと言えば紹介状があってもFスタートだ覚えておけ」


「え?」


きょとんとした顔でギルド長を見て言ったのは、一番左にいる少年カイトだ


「なぜですか?紹介状があるのにそれは可笑しい!」

「紹介状持たせた師匠は試験を受けるなと言わなかったか?

受けたらランクが落ちる可能性があり道場の権威が落ちるからそう言うんだ。

ギルドでは俺に全てのランク付けの権限がある

たかがAランク冒険者の判断などなどあてにならんわ」

「君、そんなことも知らずに紹介状持ちなのに試験を受けるのか?端から駄目じゃね?落ちたんじゃね?」


隣の挑戦者ビルドが言った


「何を!」

「やめんか!始めるぞ・・・そこの好きな模擬剣をもってカイト中央に来い」


脇の方に籠があり、木製の剣がいろいろ置いてあった

カイトは大きめの両手剣を持って納得いかないような顔をして中央に立った


受付『さぁ~お待たせしました~冒険者試験第一試合は ゴーラン訓練道場のホープ「カイト」さあどこまでギルド長に迫れるか!ヨーイ始め!』


拡声器でいきなり解説を始めた受付嬢、会場は大盛り上がりだ!


(なになに?受付嬢おとなしそうだったのにいきなり何?)


カイトギルド長に剣をふるった・・・

が何度ふるってもギルド長はびくともしない

軽く模擬剣を振るっているだけだ。


(無理だろな・・・ギルド長SSランクのそれもレベル70って強い・・・

レベル10のカインしゃあねぇ

私ならせいぜいでEランクにするかな?)


ガキーン!カイトは10メートルほど吹っ飛んだ


「ランクE」


受付『おーとギルド長、カイトに「ランクE」を言い渡した~残念「ランクC」狙い無駄になった~カイト起き上がらない職員!回収してー

次は、ムランド村から冒険者目指してやってきたビルド!遠隔魔法が得意だ魔物討伐も経験済!期待が高まります!』


杖は自分のを使っていいのでビルドはそのまま中央に向かった


受付『ヨーイ始め!』


先制!「炎、我がもと集えメラ!」

ギルド長に炎魔法を放ったが剣で炎を切られた、炎は消えた

間せず炎魔法を打ち続けたビルドだったが、ことごとく炎は切られた

ギルド長は少し離れたところにいるビルドに一気に近づいた

それに瞬時に気が付き横に回避したビルドだったが

すぐ間を詰められ杖と模擬剣がぶつかった

ビルドは10メートルほど飛んで壁にぶつかって倒れた


「うっ・・・」


意識はあるようだが動けないようだった


(レベル20結構高い、連続魔法も上手!魔力も多いし、回避も結構好い!経験値積めば良い遠隔魔法使いになれそう~Cに近いDってとこかな?)


「ランクD、回避良かったぞ、すぐCになれる」



受付『おーとギルド長、ビルドに「ランクD」を言い渡した~将来有望な冒険者の誕生だ~ビルド動けない!回収~

さて3番目は、フルプレートの女剣士マイルド!体は小さいが闘志は大きいぞ!どんな戦いを見せてくれるのか!』


(この子貴族?レベルも20で高いけど剣士向きじゃないと思う、遠隔攻撃スキルあるのに勿体無いなぁ)


受付『ヨーイ始め!』


剣を構えじりじりと様子をうかがうマイルド、ゆっくりとギルド長の周りをまわって行く

ギルド長は動かない、後ろに来た時に短剣の模擬剣を投げた、それを瞬時に撃ち落したギルド長

その隙に一気に魔を詰め剣を振るうマイルド、だが直ぐに剣で受け止められた

マイルドは直ぐに間を開けるべくさがったが、直ぐに間を詰められた、すぐ横に避けて振るわれた剣を避けたが

再度詰められる、再度避けるときにまた短剣を投げた、だがそれよりも早く間を詰められ剣と剣がぶつかった、

10メートル吹き飛んだがマイルドは倒れず着地した、だがそのまま膝をついて息を荒げている

「参りました」

降参の声が響き見るとマイルドの手は小刻みに震えている


「ランクD、おまえ飛び道具の方が向いているんじゃないか?」


受付『おーとギルド長、マイルドに「ランクD」を言い渡した~健闘したマイルド嬢に拍手―

マイルドうご・・けるね、待避所に移動よろしく~

さて4番目は魔法すべてにおいて得意な美女「アカネ」!どんな魔法を繰り広げてくれるのか』


「アマリリス!(受付嬢)障壁を最大レベルで展開しとけ」

「!?え?」


フィオナは違和感を感じてギルド長を見た


「本気でやろうや」

「え~・・・」

「俺はSSランク冒険者ギンガット・フレームス、ここのギルド長だ」

「えーと・・・西の山奥から来た「アカネ」です」

「西の?まぁいいこっちは手加減なしで行く」


受付『障壁警戒レベルSSS展開しました!ヨーイ始め!』


今まで自分から仕掛けて来なかったギンガットはいきなり全速力でフィナに切りかかった


カキーン!

木製の模擬剣にはありえない音がした、

2人とも剣に強化の魔法を掛けていたからだ

十分人が殺せる強度だ

キンキンキン!

ギンガットの重い剣がフィオナに降り注ぐ

全て受け止めるフィオナだった


受付『剣の速度が速くて見えません!「アカネ」!全てのギルド長の剣を受け止めている!新人ではありえないレベルの高さ!』


「適当な所でランクくれません?」

「余裕そうだな、俺を倒せば終わるぞ」


剣を振るいながら会話する2人


ギンガットが剣にさらに魔法を展開する

フィオナは瞬時に空中に回避

フィオナの居たところの地面が爆ぜた

追うようににギンガットも空中に飛んだ

空中で交差する二人の影、カカカカキンカキンキン!

音も早くて解らない

しまいには交差するたびに爆発音までしてきた

観客席に爆風が飛んでくる障壁があるので爆圧が少し来る程度だが

そこにいる誰もが唖然といていた・・・・

新人がSSランクのギルド長と対等に戦っている


受付『えーと・・・全く見えません・・・どうなっているのでしょう?

凄い爆発です竜と戦っているようです!』


先に戦った挑戦者の3人も唖然としていた。


「しょうがないですね、死なないで下さいよ」


ドーン!


大きな爆発が起きた!大きな土煙その途端剣の音が止んだ土煙が徐々に収まってくる、空中に誰かの影があるフィオナだった地面に小さなクレーター、ギンガットがそこに倒れている手足がありえない方向に向いていた


「うわっやばい!」


フィオナはすぐギンガットのそばに降りた


「マイッタ」


弱弱しい声でギンガットは言った


受付『おーとギルド長が負けました!ギルド長になって初めての・敗・北・で・す・・・うっうわーん・・・ギルド長~』


泣き出したアマリリス(受付嬢)

フィオナはすぐギンガットの怪我を直しにかかった


「今の怪我だけじ無くて古傷?結構重症だったんだね後遺症?結構痛かったでしょう?」

「うっ解るのか?内臓と関節が大分来てるもう冒険は出来ない」

「エクストラルヒール」

「えっ?ぐえっぐおあうっ」

「ちょっと痛かった?でも治ったでしょう?また冒険出来るよ!」


受付『ギルド長~が踊ってる~頭逝かれた~』


「逝っとらんわい!」


わーっ

すごーい!かっこいー!二人ともすごーい!


「ランクB、悪いな俺の権限では、ランク付けはBまでなんだ」


受付『おーとギルド長、「アカネ」に「ランクB」を言い渡した~前代未聞ですこの町創設以来初めて新人冒険者からBランクが現れました~』


その日フィオナは冒険者「アカネ」になった

なぜかギルド長のおごりで町の大きな居酒屋に

「町創設以来初めて新人冒険者からBランクが現れた」

祝いと称してコロシアムに来ていた人たちと宴会が催された

フィオナは質問や求婚を適当にあしらいながらお酒を飲んで盛り上がった

歌も歌った、肩を組んでおじさん達と踊りも踊った

美女なのに高飛車な所が無く、強いのに偉ぶる所もないフィオナの皆もう大ファンである


夜も更け皆がつぶれた頃


「酔わないんだな?」


ギンガットはカウンターで一人紅茶を飲んでいるフィオナに声をかけた


「まあね、なんかすごく楽しかった~いい人たちだね、訓練道場の人たちも何かしてくるかと思ったけど結局一緒に飲んでたし」

「するひま無かったんだろう?

実はBランクにして謝らないといけないことがある・・・

近じかドラゴン討伐がある、近隣のBランク以上の冒険者が招集されることになってる申し訳ない」


「おーと早速ですか?

うーんいいんだけどさ、

Bランク以上でも足手まといが居ると思う、

そんな人たちは除外出来ないかな?

ギルド長も気が付いてるでしょ?」


「ギンガットと呼んでくれ、

本当にそうなんだ

言えるほど権限が無いのが悔しいんだ何時も、

ドラゴン相手に人に構う暇なんて無いからな、

何人ものBランクAランクの冒険者が死んでる」


「ギンガットが信じてくれるかわからないけど

人にはレベルがあるんだ」

「レベル?冒険者のレベルとは違うのか?」

「冒険者のレベルは依頼をこなした内容や

ランク上げの条件をクリアした者でしょう?

ドラゴン倒す能力無くても器用に条件をクリアした人間もいる

過大評価につながっているんだ」

「力が無く討伐には無理なBランクも居るのは知ってる」

「Bランク以降はレベルの条件を付けた方がいいと思うんだ」

「レベル教えてくれないか?」


「普通の人間の上限は50でアマリリスは35高い方だよ

ギンガットは70たまに上限超える人間が居るらしい」

「高いのか俺」

「高いよ、人間最高は80だからね」

「80・・・・お前は?」

「・・・・他言無用で・・・・」

「分かってる」

「今99」

「・・・人間じゃないのか?魔族?」

「人間でも魔族でもない変わった種族、言えないけど、でも皆の味方だからね」

「さっき踊っているときに背中に大きな傷が見えた、悪い!女性に傷のこと聞いて」

「いいよ、最近まで魔力を封印されてたんだ・・・殺されかけた、

その時の傷だよ、ま、その時目覚めて強くなったんだけどね」

「・・・恨んでいるのか?」

「んーどうでもいいかな?恨んでないと言えば嘘になるけど、自分で動いてどうこうする気は無いかなぁ」

「心広いんだな?」

「広いと言うより蔑んでる?逆に哀れに思ってる?、人を貶めてい得られるものに執着する醜い心に呆れる」

「苦労したんだな?」

「今は楽しいから・・・皆に会えてうれしい~」

「そう言ってもらえるとうれしいよ、ちょっと癖のある奴も居るがいい町だよここは」

「癖のあるやつ?ギンガット筆頭に?」

「おいっ」

「「あははは」」

2人で笑った


【ルナ】:良かったですねいい人たちで


(うん、楽しかった・・・ルナこれから私のことはアカネと呼んで、体作った時に間違えてフィオナって呼ばれたら大変)


【ルナ】:はい♪かしこりましたアカネ様


(うーんんっふっかふか、女神スキルで眠らなくてもいいけど寝るのは好き!きもちい~・・・・・ZZZZ)


ロベール第2王子は同じ宿屋の1階の部屋にいた、宴会を早々に抜けて部屋に戻っていた隠密の魔法が切れたからだ、

もちろんアカネは気が付いた、王子の心の中までは見えないが

(素敵だった~あぁ頬に唇に触れたい抱きしめたい)

「ん?寒気が・・・」
















-----------------------------------------


<フィンドラス王国>

クランドール伯爵家執務室

書類に走るペンの音が響いている


コンコンコン


ドアをたたく音


「ご主人様、ミストラル様がお見えです」

「・・・分かった」


ペンをペン立てに立て、書類を書類箱に入れると

眼鏡をはずし、こめかみを指で押さえた


応接室ドアを開けると黒いドレスに黒の大きなショールを掛けた老女が居た


「エレオノール・フォン・クランドール伯爵様お久しぶりでございます。」

「うむ、フィオナが居ないから封印をかけなおすことも無くなったのだがどうされた?」

「はい、少し気になることがありまして、大丈夫ですか?大分憔悴なさっているようだが」

「フィオナが死んだと言われて大分精神的にまいってる・・・妻はすっかり寝込んでしまった」

「フィオナ様の名誉回復はどうされるのですか?」

「回復はしたい・・・が、気力が・・・」

「フィオナ様は生きておられる、そう言ったらどうされます?」

「!何を!・・・根拠がお有りなのだな?」

「はい、ミレーヌ様もお呼びになりませんか?一緒に聞いていただきたい」


メイドに妻を呼びに行かせた、しばらくして顔色の悪いミレーヌが応接室に入ってきた

ミレーヌもフィオナの無実を信じていたいつも厳しくしてたが本当にこの夫婦はフィオナを溺愛していたのだ

もう少し違う接し方をしていれば母親には見捨てられたと勘違いしなかったものを


「先日私ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢に呼ばれまして邸宅を訪れましたの」

「なんでまたあの女!ミストラル様を?」

「王太子との婚約が進まないのを王と王妃に聞いてほしかったようですわ、王宮魔導師の私に」

「なんと的外れな、愚かなことを・・・」


ミレーヌは呆れてため息をついた


「確かに王宮魔導師ですが王陛下にそのようなこと私が聞けるはずもありません、きっぱりとお断りいたしました。」

「焦っているようだな、邪魔なフィオナが居なくなったからすぐ婚約できると思ってたんだろう、王や王妃に魅了の魔法は効かないからな」


ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢は王に自分の魅了が効かない理由が解らなくて焦っていた

自分より上の魔法使いに効かないことを知らないのである。

もちろんミストラルにも使っていた国一の魔法使いに効くわけがなかった


「そこでとんでもない物を見ましたの、フィオナ様の封印の腕輪の付いた左手がオブジェのように飾られていたんです」

「!なんだと!あの小娘ぶっ殺してやる」


伯爵にまわりに負の魔力があふれる


「フィオナ様は生きておられる確信いたしました。」


伯爵の負の魔力が小さくなった


「切り取られても手はとても美しく生きているようでした。フィオナ様の魔力が切れてない証拠です。」

「ああ、フィオナ手をなくしてさぞかし痛かったろうに・・・」


泣き崩れるミレーヌ


「もっと早く封印は解いておくべきだったと思います」

「しかし、言い伝えが」

「フィオナ様が黒魔女の生まれ変わりでも、あの方が我々や民を害することなどありましょうか?あの優しく聡明な方が」

「ミストラル殿はいつもそう仰っていたな、」

「そうすればこのような事態は避けられたのではと、ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢の悪意もっと早く気が付いていたのではと」

「いまさらだな」

「そうです、いまさらですでも生きていらっしゃる、それは確かです」


クランドール伯爵はそれからフィオナの無実の証拠とミッシェル・ブラウニ男爵令嬢の悪事の証拠集めを再開したのだった。












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