第3話;悪役令嬢,狩りをする

フィオナは筋肉好き


ーーーーーーーーーー

「居ないね~魔物、[迷いの森]は鬱蒼とした森って聞いてたんだけど、魔物の巣窟とも・・・」


【ルナ】:フィオナ様が一掃してしまわれましたからね、

森は殆どが魔樹だったので消えてしましました

、回復魔法を同時に土にされたので草原になってます


走っているのは草原、さわやかな風と草の揺れる音


「無意識にそんなこと自分がしてたなんて、しかし野生の動物がこんなに居るとは思わなかったな」


<ステータス簡易サーチ>で生き物の位置が感知出来る、ステータスの体力のみ見えるようにして走っている、時速200キロ程で


「草原じゃなかったらこのスピードで走れないよね」


【ルナ】:フィオナ様でしたらどんな森も回避の魔法で可能と思います。

もうすぐ浄化結界の端に着きます。


茜の剣道とのキックボクシングのスキルがこの世界で使えるか試したいと思っていた

剣はまだないのでキックボクシングの方を試したかった


「あっサーチに動物でない物が、敵が沢山出てる」


【ルナ】:魔樹ですね、浄化結界の端から[迷いの森]が再度始まってます、魔物も何体か感知されてますね

ここは街道から250kmは離れているので何をしても大丈夫です


「よーし!行くよ~」


手にボクシンググローブが現れた

[迷いの森]に侵入すると近くに居たゴブリンに向かい軽くこぶしを振りぬいた


ドッカーン!


ゴブリンは木端微塵になりその向こう扇状に100メートルすべてが破壊された


「・・・・・かげんが必要だね・・・・」


【ルナ】:・・・そうですね、魔石も木端微塵になってはお金になりません


いずれは町に行って冒険者になろうと思ったフィオナ、

何をするにもお金だ、

父からもらった金貨は

<フィンドラス王国>のものなので

多分死んだと思われているのに足がついては元も子もない

隣国<アメリア皇国>のお金が要るのだ

魔物の核にある魔石はお金になる、大きいものほど高くなり魔物も強くなる


「とりあえず体は動くみたい、

でも貧相な筋肉だなぁ・・・

上腕二頭筋がシックスパックが無い・・・

よし!鍛えよう」


【ルナ】:いや筋肉無くても強化魔法で十分強くなりますし、令嬢がそんな体にならなくても・・・


袖をまくり、腕を眺めてため息ついているフィオナにまさかと言った口調でルナが言った


「もう令嬢じゃ無いし!筋肉は美しいよ

この辺を拠点にしばらく手加減の訓練と筋肉強化しよう」


魔樹は浄化魔法を加減すると消えずに魔石を取り出すと

普通の木と同じように使えた、

風魔法と空間魔法を使い

切ったり削ったり運んだり

小さな小屋を作った。

土魔法を使い井戸も掘り

葉野菜の畑も作った

魔物や野生の動物も狩れるようになった

食事はしなくても女神スキルで死なないと言われたが

筋肉には栄養が必要だ!


2週間がたった


【ルナ】:フィオナ様その姿どうにかなりませんか?うら若き乙女がそのような姿・・・


チュートップブラに短パンで鼻歌交じりにストレッチをしている

少し日焼けをして黒くなってきたフィオナ

どう見てももう令嬢には見えない

服も素材があれば思う物が作れた綿花やゴムの木も見つけた


【ルナ】:背中の傷も消しません?

無数の傷もそのままですし、

それに日焼け・・・綺麗な白い肌が・・・


「ん~なんとなく消さない方がいい気がするんだよね、

日焼けは筋肉のためだよ黒光りする筋肉が美しいんじゃない

少しついたかな?服装はだれも見てないからいいじゃん」


【ルナ】:!!何か来ます、フィオナ様!!


「ん!?なにがか来るね

距離は浄化結界の端から100Km

ここからだと300kmってとこかな?

ちょっとした小隊だね武装してる

国境の村の方に向かっているのかなぁ

それともやはりこの草原かな?」


フィオナのサーチは半径500Km

1点集中すると500km先のものが

すぐそばにいるように詳しく見える

常に展開しても魔力が豊富にあるので減った気がしない


【ルナ】:浄化結界の中の草原、村人が何度か来てますもんね

でも大人は結界内に入れないから探ることが出来ませんからね


「邪な心が無ければ通れるのになぁ

毎回ビリッと来てるね~どんなにあくどい事考えてるんだか・・・」


【ルナ】:小隊の人は通れますかね


「通れそうもないな、

隊長はもしかしたら通れるかも

一人で来るかな?

ま、来ても会う気無いけど・・・」



<浄化結界>


フィオナが展開した浄化の魔法の最先端には

魔物の魔石が等間隔で置かれていた

その数、数十億、半径100Km以圏内にいた大量の魔樹と魔物の魔石である

魔石に込められたこの世界には無かった新しい魔法は


<浄化結界魔石>


で作られている、込められた条件を満たさないものはその中に入れないのだ

魔物なら浄化されて消失、

魔物以外だと邪な心があると気絶するほどの電流が流れる

野生の動物など善良な生き物なら通れる仕組みだ


此処を離れるときは

条件は緩くするつもりだが

まだここで訓練をしたいフィオナは

条件を逆に上げていた


これがあれば魔物や盗賊に襲われずに安心して生活出来るだろう

とんでもない物である、善良が条件だが・・・



国境の村近くの浄化結界最先端に

<アメリア皇国>の騎馬小隊が到着した


副隊長:「これが村人が言っていた異常ですか?見たこともない魔法ですね」


結界が光った目の前に文字が現れる


『善良な生き物のみ通ることを許す』アメリア語で流した


隊長:「!これは村人は言ってなかったな?・・・・誰か見ているのか?」


フィオナ:(はい、見てます)


1兵:「なんて書いてあるのですか?」


フィオナ:(え?文字読めないの?)


【ルナ】:識字率は<フィンドラス王国>の都心部でも庶民は30%、地方になると10%ですね低いです

<アメリア皇国>は少し高いはずですが1兵が読めなくても不思議ではありません。


隊長:「『善良な生き物のみ通ることを許す』だ、良い人間じゃないと通れないと言うことだお前らは大丈夫だろうな!」


1兵:「・・・・たぶん・・・・」


フィオナ:(こいつは無理だな、称号に<強姦殺人者>すごい凶悪犯じゃん、犯罪を見つけられない隊長は目が節穴?・・・)


隊長:「じゃぁ行くぞ」


バチバチバチ!


通れたのは隊長と副隊長、副隊長は通れたが全身に雷の火花をまとっている


隊長:「大丈夫か?」


副隊長:「どうにか、私も修業が足り無いようですね、さすが隊長まったく大丈夫そうですね」


フィオナ:(こいつ無理やり通った!魔法で結界張りやがった!腹黒さ満天なのに・・・)


副隊長:「馬だけ入ってますね皆気絶している様です・・・1兵は死んでますね・・・」


フィオナ:(え?・・・あぁ凶悪犯は魔物扱いになっちゃったみたい、消滅はしないけど・・・テロップ足しとこ)


『凶悪犯は魔物扱いになり死ぬ』


隊長:「新しい文字が・・・凶悪犯!?・・・副隊長後で調査せよ」


副隊長:「かしこまりました。

隊長、下を見てください、地面に多量の魔石が埋まっています。

村の子どもたちの言う通りですね、これから大量の魔力が感じられます。

子供たちの話だと取ろうとすると雷が走るそうですね。

どうしますか?2人で調査はきついかと」


隊長:「そうだな、気絶したものをこのまま置いておくわけにも行かないから調査は私一人で回る、お前は皆を見ていてくれ」


副隊長:「危険です何があるかわからないのに」


『中は野生の動物のみ、魔物は居ません:サービス:→草原の広さは直径200km』


隊長:「・・・見ているのか!教えてもらえないかここは何なのだ!」


『自分の目で見なさい、3日間自由にして良し、3日経ったら強制的にそこに送る、野生の熊には注意!副隊長はずるしたから強制排除』


副隊長:「なっ!」


瞬時に結界の外に転移した


『では3日後』


【ルナ】:どうなさるおつもりですか?


「宣伝!<浄化結界魔石>いずれ売り物にしようと思って、それも国に、ちょうどよかったわ小隊が来てくれて隊長が善人で」


【ルナ】:売り物ですか?大量の<浄化結界魔石>を作れるのですか?


「魔法で材料さえあれば作れる機械を作るつもり、

魔石はいくつか罠を森に作って自動的に採取できるようにしようかと

、今も浄化結界に触れて消えた魔物の魔石がアイテムボックスに溜まってるし

弱い魔物しか近寄らないから小さい物ばかりだけど

奥地に狭い浄化結界を作ってカモフラージュして狩る!ざっくざくに魔石が!」


【ルナ】:・・・考えますね~さすがです!


「契約が出来れば、お金が自動的に入って来るって訳、好きなことして遊んで暮らす人生~

街道に並べて行けば街道は超安全な道になるよ!道は一杯あるし

この国だけじゃないいろんな国に売るってのもいいかも~」



【ルナ】:そんなにうまく行きますかね?特殊な魔法ですので、何かに巻きこまれそうですね


「・・・うーん・・・ちょっと慎重に行こうか・・・」


3日後


結界のそばでキャンプをしている小隊の前に隊長が転移して来た


副隊長:「隊長!ご無事で何よりです。」


隊長:「ああ、報告書を書きたいから村まで移動しようか」


『隊長さんお疲れ様、どうだったかな?

この結界は3ヵ月後に条件を緩くして解放するので移民や調査隊連れてきてよし、

腹黒副隊長さんもずるしなくてもビリっくらいで通れるようになるよ、

通行できるかどうか判断できるプレート渡しておきます。

プレートの宝石が赤は通れません死にはしません結界に弾かれます。

黄色はビリッと来ますが気絶はしません。

緑になると余裕で通れます。

殆どの人が黄色です多分』


副隊長:「腹黒・・・・」


ざらざらと宝石のついたプレートが転移して来た100枚くらいだろうか

兵士がカードを拾うとほとんどが黄色になった副隊長も黄色だ隊長だけが緑になった


『感知範囲は3メートルです、これから3か月は緑の人も入れません』


全員のプレートが赤くなった




<キャンプしていた所から50Km離れた村の宿屋>


隊長(ロベール):「すごい世界だった、

魔物が一切いない世界って凄いな、

野生のウサギやりすを始めて見たよ、

遠くに熊も見た魔素に侵されてない熊も初めて見た

熊は私を見ると逆に逃げて行ったよ魔物ではありえない」


副隊長(フィンセント):「何者なんでしょうか?」


隊長(ロベール):「ポーカーフェイスのフィンセント・サンジェルマン宰相補佐、

そなたの腹黒を当てられたしな、凄いやつだ、神か女神か」


副隊長(フィンセント):「ロベール第2王子!・・・

殿下まで腹黒って・・・

何者であれ、あれだけの魔法の使い手是非取り込みたいと思いますね。」






【ルナ】:あの二人にステータス遮断の魔法がかけられてましたね読めませんでした。


「情報遮断の魔法だね、

たぶん触れることが出来れば見えると思うけど、

しっかり音声遮断の魔法使ってかなり警戒して話してるし只者ではないと思う」







それから3か月訓練を続けた加減はかなりうまく行き、

魔石もかなり集まった

そして、フィオナは念願の剣を手に入れた

鉄鉱石の洞窟を見つけたのでそこで剣の作成を試みた

2~3回失敗して4回目でそこそこ満足なものが出来た

<日本刀>


【ルナ】:その形は始めて見ます。綺麗ですね


「切れ味は抜群・耐腐食と無破断を付加してるからそう簡単に壊れないよ」


【ルナ】:対人戦闘も躊躇されるかと思いましたが結構ズバッと行きましたね・・・


「相手は盗賊だからね、

襲われているのを感知して駆けつけたらもう一人殺されてたし、

情けはいらないでしょう?

魔力覚醒してから少しそうゆう面で壊れた感はあるよ

やはりあの腕の切断は精神に来てるんだと思う

悪党は容赦しない!そんな感覚あるわ~」


3か月で身長がかなり伸び155㎝が165になっていた

念願の上腕二頭筋とシックスパックもかなり形になり、

満足そうなフィオナだった


【ルナ】:小屋はどうされますか?


「このままで、自動で掃除する風魔法はそのままかけておく

たまに来て畑の収穫するし、一度訪れた所なら移転魔法使えるからね」


フィオナは上空に風魔法で浮くと遠くにある<アメリア皇国>の王都に向かって空を飛んだ

ドーン!!

ソニックブームが聞こえる、空を見上げたものには細い雲しか見えなかった。







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