第17話 卵かけご飯(TKG)

「おい起きろ小太郎! ご飯じゃ! 」

 そういって氏康ちゃんが俺の身体を揺すってくる…。

「まったく小太郎は…。昨日だって小太郎からしてくるのを待っていたのに熟睡しおって! 」

 薄目で氏康ちゃんの顔を見ると彼女は頬を膨らまして俺の頬を引っ張ってくる。


「起きているんだろ? さっきより寝息がわざとらしいぞ! 」

 どうやら狸寝入りはバレていた。

「もう少し寝て…、グフゥッ…ちょっ、主! 何でボディープレスしてくるんですか!? 痛いですから! 」

 

 氏康ちゃんは大の字になって俺の上に飛び乗ってくる。

「なんだ、その『ぼでーぷれす』って?忍の技か? 」

 そっか、横文字はマズイか…。

「はい、倒れてる相手に全身で押し潰すように飛び掛かることをボディープレスと言います…。痛かったです、主」

 そういうと氏康ちゃんはケラケラと笑って隣の部屋へ行ってしまう。


「待ってくださいよ…」

 そういって俺も隣の部屋へむかう。

「小太郎、今日のご飯は豪華だぞ! 」

 お膳には菜っ葉の漬け物と長ネギの味噌汁、麦飯それと鶏卵が置かれていた。

「TKG! 」

 久し振りにガッツリ飯を食べた気がした…。


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