第16話 戦いの後…

「起きた! 起きた!小太郎! 小太郎! 」

 泣きながら氏康ちゃんが俺に跨がりキスをしてくる。

「うつけ! このうつけ者! 妾がどれだけ心配したと思ってるんだ! あんな、くのいちにやられて!小太郎は妾の忍だ! 天下一の忍だ! だから妾が いいって言うまで死ぬな! 」

 そして再度キスをしてくる。

「これは命令だ! 命令違反は根切りだからな! 」

 氏康ちゃんは涙目で俺を見つめてくる。


「死んでるのに根切りにするって言われても困るんだけど…」

 俺に跨がる氏康ちゃんに笑いかけると氏康ちゃんは顔をムスッとさせて俺に頭突きをしてくる。

「それぐらいの気概でやれってことだ! うつけ! でも相手の忍も凄かったな…。何処の忍だろうな…」

 鳶加藤か…。接点があるのは…。

「上杉か武田か…」

 北の上杉・武田、西の今川、東の里見…。

「内と外、両方気を付けなくちゃな…。内通者が居なきゃ主がこの宿に泊まること知るはずがないから…。街道も人目につかないように移動したし宿に入るときは裏口だったからね…」


 どうやら問題は山積みの様だ…。だけど今は…。

「ちょっと疲れたので寝かしてください。主…」

 そういって瞳を閉じると

「あぁ、ゆっくり休んでくれ♪ 私の大事な人」

 そういって氏康ちゃんは俺の唇にキスをして降りてくれた。



 

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