第11話 勝鬨!

「ただいまぁ~」

 氏康ちゃんが待っている小沢城の天守に着くと、そこにはソワソワしている氏康ちゃんが居た。

「おぉっ! 帰ったか! 大丈夫か? ケガは無いか? 」

 そういって氏康ちゃんは心配そうに俺の身体をペタペタと触ってくる。


「うん、大丈夫だよ。それより戦の方は大丈夫? 」

 そう尋ねると氏康ちゃんは頷いて

「あぁ、小太郎のおかげで奇襲は成功して上杉を討ち取る事が出来た! 褒美は何が欲しい? 」

 褒美か…。考えてなかったな…。

 う~ん、今回の戦で疲れたから温泉に行きたいなぁ~。でも独りだと寂しいし…。

「主と一緒に温泉に行きたいです」


 うん、これなら氏康ちゃんも疲れがとれるでしょ! うん、一石二鳥だね!

「わっ、妾と一緒に温泉にだと!? 」

 やっぱりダメだったかな? まずい、顔が真っ赤だ…。怒ってるのかな?

(どっ、どどどどうしよう!? こっ、これって逢い引きの誘いだよな? 妾で良いのか

? 妾は、こっ、小太郎が良いなら妾の処女を小太郎にあげても…。いや、小太郎に貰って欲しい! けど小太郎は妾で満足してくれるのだろうか…)

「ダメですよね? 俺が独りだと寂しいからって主と二人で行きたいだなんて…。分かりました。それじゃあ今のは聞かなかっ…」

「行く! 行くぞ! 小太郎と一緒に温泉に行くぞ! 小太郎、絶対に行くからな! 小田原に戻ったら直ぐに支度をしろ! 箱根に行くからな!」

 俺と氏康ちゃんは二人で箱根の温泉に行くことになった。

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