第7話 精の出る料理

「鰻が食べたいな…」

 頭の中は鰻の蒲焼きでいっぱいだ…。

「鰻が食べたいのか…? 精力をつけて何がしたいんだ! 」

 ん? 鰻って夏バテ予防だよね? 俺の知識って間違っているのか?


「鰻にそんな効果あるの? 良い香りだったから食べたくなったんだけど…」

 そういって氏康ちゃんを見つめると彼女は頷いて、鰻を指差す。

「あれを食べると色々と元気になるみたいだ…。母上も父上とするときには食べさせていたみたいだ…」


 確かに自分の親のことだもんね、顔赤くするのは当たり前だよね…。

「じゃあ俺の場合は主とする時になったら食べれるんですね? 」

 そういうと氏康ちゃんは顔を真っ赤にして

「今はまだダメだぁ~」

 と言って却下されてしまった。


「今は、ってことはいずれ食べれるんですね? 俺は待ってますからね♪ 」

 そういうと氏康ちゃんは

「知らん! 知らんたら知らん! 小太郎の馬鹿者! (でも大好きだ!)」

 といって部屋を飛び出していってしまった。

 最後に何か呟いていたけど聞こえなかった…。


「からかい過ぎたかな? 」

 その日の夕飯は梅干しと玄米だけだった…。

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