第17話 いざゆかん!!


「武器は決まったから、次は防具じゃな。」


3歳児の体型に合う防具なんてあるのか?

造った人変態じゃない…?


「と言っても嬢ちゃんにピッタリ合う防具なんてねぇだろ?」

「無いから造るんじゃ!」


…多分この場合は変態じゃないよ!うん!


「まあ護衛でお主が付いとるんじゃ。簡易的なものでよかろう?」

「…怪我させたらレーナに殺される。」

「あー…、ちゃんとした物を造るかのう…。」


レーナさんってここまで影響力あるの?!

怒ったら怖そうだし…、怒らせないようにしなきゃな!


おじさんは私のサイズを簡単に測り奥に入っていった。

奥は工房なのか?散らかってるらしいけど。


「あ、」

「どした?嬢ちゃん。」


あの人の名前わかんないや、聞くの忘れてた


「あの人の名前ってなんですか?」

「あいつか?あんなのおじさんでいいぜ?」

「誰がおじさんじゃ!お主もおじさんじゃろうて!」


奥から何か(まあ私の防具だろうけど)を持っておじさんが戻ってきた。


「わしの名前はユニスじゃ。ちなみに種族はこの辺りじゃ珍しいかもしれんが、ドワーフじゃよ。」

「ユニスさん、よろしくお願いします!」

「うむうむ!どっかの誰かさんと違っていい子じゃのう。」


改めて挨拶をすると空いている手で頭を撫でられる。この世界に来て、いろんな人に撫でられるけど…、そんなに撫でやすそうな頭してるのか?


「で?嬢ちゃんの防具は出来たのかよ?」

「できとらんかったら戻ってこんわい。」


「ほれっ」と見せてくれたのは、黒のラバータイツみたいなピチッとした生地に、金属かな?何か薄い青みがかったプレートが胸や肘など部分的についている物だった。


「おおー!カッコイイです!」

「ちなみになんじゃがのう?下はズボンかスカートどっちが良い?」

「スカートの方が慣れてるので、できればスカートがいいです!」


「了解じゃ」と言いユニスさんはもう一度奥に戻った。が、すぐに戻ってきた。


「こんな感じでどうかのう?」


戻ってきたユニスさんはさっきの防具の下半身の部分に青い布地のプリーツスカートを縫い付けて戻って来た。


「かっこかわいいです!これがいいです!」

「プレートの部分少なくねぇか?ケチった?」

「失礼じゃな!この布地も強化布で出来ておるからそう簡単には破けんわ!」


強化布?よくわかんないけど多分強化された布だね!


え?そこは誰でもわかるって?気にすんな。


「ならまあ大丈夫か。嬢ちゃん、試しに着てみるか?」

「いいんですか?!」

「良いぞ?着ないと細かい調整もできんでな」


そう言われて部屋の隅にあった着替えるスペースに入り着替えようとした…が、


「すみません、着方がわかんないです…」

「あー、ちょいと待っておれ。」


ユニスさんはまた奥に引っ込んだ。

なんだろう?奥に誰か別の従業員でも居るのかな?



ユニスさんは女の人を連れてすぐに戻ってきた。


「待たせたのう。わしの妻じゃ!」

「どうも。うちの旦那が世話になってますね」


奥さん居たのか!奥さんもドワーフっぽいな。


「娘っ子じゃからな。着方はわかるじゃろ?頼んだぞ?」

「はいはい。えっと、ネフィリアちゃんだったかしら?ささ、こっちにおいで?」


ユニスさんの奥さんに手を引かれ、奥のちょっとした小部屋みたいなところで着替えされてもらった。


途中通過したユニスさんの作業場はすごかった。何が凄いかって…、とにかく凄かった。


「ほら、出来たわよ!可愛いわね!」

「ありがとうございます!」


凄かったなーっなんて思ってたら着替え終わっていた。着方はなんとなくわかったから、次からは一人で出来るよ!


それにしても…、ピッタリ!すごーい!!


「じゃあ戻りましょうか?」

「はい!ありがとうございます!」


いえいえと、また私の手を引いてヨシュアさんとユニスさんのいる所まで送ってくれた。


「うむ、いい感じじゃな!きつい所とかは無いかの?」

「ピッタリです!とっても動きやすいです!」

「うむ!じゃあ防具も完成で良いかの?」

「はい!」


最終的に私の装備品は軽装で、青みがかったハーフプレートアーマーと竜骨の杖、さらにユニスさんの奥さんがくれた、薄地のローブとなった。


「なあ、ちなみに防具のプレートってよ…」

「お主の予想通りドラゴン素材じゃよ。」

「俺の金だからって…、全部で幾らだよ?」

「杖と合わせて、ごにょごにょ…じゃよ」

「あー、まあ大丈夫か。」


ヨシュアさんの懐事情ってどうなってるの?

四次元ポケットなの?


高そうだけどヨシュアさん払えるって言ってるしこれも貰っておこう!!

貰えるものは貰っておかないと、後で後悔することになるからね!


「てかそのドラゴン素材、俺が狩ってきたやつじゃね?ほら、前の晶竜の…。」

「……、材料は企業機密じゃて。」

「絶てぇそうだろ!ちょっとは安くしろよ!」

「それよりお主はよ行かんか。遅くなるとその分危なくなって、レーナ嬢に怒られるぞ」


あ、この素材ヨシュアさんが狩ってきてくれたやつだったのか。


…ドラゴンスレイヤーってそんなにホイホイドラゴンのこと狩れるの?凄いな。どうりでで懐が潤ってるわけだ…。


「やっべ!金は今度払うから!嬢ちゃん、出発でいいか?」

「はい!大丈夫ですよ!」


ヨシュアさん、話しそらされて値段交渉のこともう忘れてない?

ユニスさんもうまく逸らせたって顔でニコニコしてるし…ヨシュアさんって単純?


「よし!じゃあ森へ出発だ!」

「はい!!!」


まあとりあえず今は森だ!レベリングだ!


待ちに待った、冒険者だあー!!!





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