第3話 クラスメイト

「おい、どうした?今日の怜の制服やけに新しくないか。」

幼馴染みの水科輝が俺の制服をじっと見つめる。

まぁ、無理もない。高二の五月に新品の制服を着る人など滅多にいない。

「妹が、勝手に、俺の部屋に入ってきて色々…」

俺は、すぐさま笑いに変える。そんなキャラじゃないのだが。なにせ、自分の妹が男装途中で興奮させ、美少女と謳われる妹が朝から嫌らしいことをされたなど死んでも言えない。

「ああ、もしかして、ミチルちゃんか?美玲ちゃんはそんなことしないもんな。」

本当、男は、軽い。まぁ、俺も男だが。かわいい女の子が、発情するなどあり得ない。それを俺は、信じていたかった。

「なぁ、今度さ、お前の家に行ってもいいか?久しぶりに生美玲ちゃんが見たい。」

下心ありありだ、輝。まぁ、俺だって美玲が妹では、なかったら、見たいだろうが。

「何だって。水科が、美玲ちゃんを見に、日影の家に行くって。」

いつから聞いていたのか、写真部の変わり者が、輝を押しのけ、俺の周りを囲む。左から、

百合好きの、更科翠。彼女募集中と公言する、橘紅志。常によい被写体を探している、朝比奈碧斗。

「俺、行きてーよ。日影いいか?」

「美玲ちゃんって彼氏いんのかな?」

この二人好き勝手言いやがって。

「美玲ちゃんみたいな女と付き合いてー。」

おい、輝、お前。

「一度でいいから、遊びてぇ―。」

橘、お前が一番、欲深い。こいつら、正気か?兄の前でセックスしたいっていってるものではないか。そんな欲を俺の前で言うなよ。俺のいないとこで言えよ。周りの女子ひいてるし。「今度、日影の家に行く人」

『はーい。』

勝手なことしやがって。俺は、一発、輝を殴ろうとしたが、チャイムが鳴り響いた。

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