第2話 美人妹 美玲

さて、どうする。この血、今洗ったところで乾くわけもない。このシャツ合わせて二枚もっているのが不幸中の幸いというところだ。

コンコン。誰かがドアをノックする。

「お兄様、もう七時を過ぎていますわ。遅刻してしまいます。」

ドア越しから、ミチルの双子の妹、美玲の声。

美玲は、容姿端麗、才色兼備の完璧妹。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の例である。

「お兄様、聞いてますの?朝食の準備なら、私が済ませましたわ。遅刻を。」

「ごめん、今、ちょっと、手が離せない。」

俺は、美玲の言葉を遮る。

「何か、ありましたの?」

美玲は、勝手に、俺の部屋のドアを開ける。

そんな美玲と目があってしまった。ヤバい。

「お兄様、どうしてこんなに血が。しかもズボンにも。私が舐めとってあげます。」

また、始まった。美玲の痴女ぶりが。こんなこと、俺とミチルしか知らないが。

美玲は、俺のズボンを下ろそうとする。

「おい、ちょっと待て。それは、やめろ。ズボンの中に手を入れるな。」

美玲は、俺の言葉を気にせず、俺の股間をわざとさわってくる。もし俺が童貞ではなかったらおそらく勃っていただろう。でも、嫌とは、言えない。あー。外側からとてつもない温かさが…。

「お兄様の血、美味しいですわ。でももう固まってしまいました。残念です。」

美玲は、本当に、ズボンについた血を舐めた。小さな舌で。固まってはいながら、何度も何度も。そう、美玲は、俺に対してだけは、淫乱だ。強いて言うなら、俺専用サキュバス。望んではいないのだが。俺は、ため息をつきながらこのせわしない朝を過ごした。

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