それより以前のことは何も知らない

生き物とも言えないような

雲の切れはしのような浮遊物

存在を許されたとき支配者は言った


 『私が創りし最初の君よ

 私と共に世界を創ろう』


それが長い長い旅の始まり


支配者は世界を創り続けた

何度も何度も創っては

違うまた違うと嘆き壊した

何を求めているのか分からない

けれどこの存在はいつも支配者と共にあった


どうすればいい

そう問われても

何の力もないちっぽけな存在には

どうする事も出来ない


ただここにいる

何故かは分からない

ただここにいる


いろんな世界を生きてきて

いろんな存在に会ってきた

皆みじかい存在だった


もし支配者が

理想の世界を創る事が出来たならば

こんなにも寂しさを

感じる事はないのだろうか


一人きりは嫌

けれども支配者の様に

‘寂しい’と呟く事が出来ない

想いを表現することが出来ない



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