ヒトラー、という人。

シャレじゃないですよ(笑)
 
これは、たぶん世界で一番有名な独裁者、アドルフ・ヒトラーの著書『我が闘争』を詳細に日本語訳したものです。
さいきん本場ドイツで七十年ぶりに再販され、ベストセラーとなったそうですが、なんとこれヒトラーが獄中で書かせたものなんですね。
俗世間から隔離された塀の向こう側、というのは創作活動に不可欠なインスピレーションの宝庫なのでしょうか? カクヨム作家のみなさま、執筆が進まないときは、おまわりさんに捕まってみるといいのかもしれません(嘘)。

序盤は……父子喧嘩がメイン。いや、マジで。父も頑固ならば子も頑固。相譲らぬ両者の姿は似た者親子の典型像ですが、我が子には安定した職についてほしいと願う父の気持ちもわからなくはない。
つーか、のちに何度か美術学校の入学試験で落ッこちることになるアドルフ少年。やはり父は正しかった?

少年時代のヒトラーは、けっこう社交的。悪さばっかするガキ大将だったようです。
それが後に世界を震撼させる独裁政治家になるわけですからヤンキー先生もびっくり!ですが、少年時代の葛藤が後の独裁志向を作りあげた、と解釈することもできるでしょうか?
反抗期につちかったエネルギーというものが、いかに人格と能力の形成に影響を及ぼすのか。そう考えれば、どこに人生のヒントが落ちているかわからないものです。いや、マジで(笑)。

これを読めばヒトラーの“人となり”がわかるかもしれません。興味のあるかたは是非、ご一読を。

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