嘘、噂、嘘、噂

 「ちょ、ちょっと琴。あなた、自分自身の噂、知ってる??」


朝一番にそう声をかけてきたのは寿だった。私の噂があるらしい。何だろ?私なんかしたっけ。確かにお局様のお弁当に入っていた唐揚げを食べるとか、狸爺(もう先生って言うのめんどい)の背中にあえて名前入りガムテープ(My name is TANUKIJIJIーwwって書いた気が。)貼ったのもバレてないはずだし、、。


 「お、おい琴。信じたくはないが、お前ウチラに嘘ついてたのか?あの話、本当なのかよ。答えろよ琴!!」


お局様の顔が結構本気マジだった。?、何が言いたいのだろうか。噂?嘘?


「ああ、琴、知らないのね。自分自身の噂を。まあムリもないけど。」

「知らないなら話す。お前、坂木に告ってって言うのは本当か?」


!!!!

いや、違う。違うんだよ。どういうこと?誰がそんなこと、、。

事実私が悪いのかも。私は坂木と付き合ってた、という話を誰にもしたことがなかったのだ。でもなおさら、なぜそんな変な噂が、、??


「坂木のこと、入学当初は好きって言ってたくせに、最近は大っ嫌いって言ってた理由、そのことだったのかよ。そういうことなのか?琴。」

「いや、、いや、、違うの。その、、とにかく、とにかく違うの。」

「ねえ、これじゃあ味方につけないじゃない。琴、本当のこと話してよ。」


 これはお局様の唐揚げを勝手につまみ食いしたときよりも深刻だ、、。

そう小声でつぶやいた私だった。


「、、、ん?今、うちの唐揚げつまみ食いしたっつったか?」

「お局様!今そこじゃない!!」

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