決闘 (4)

私は腹部に感じる鋭い痛みに耐えながら、優希の元へ向かった。

「優希、ごめんね。」

優希に向かって、優しく語りかける様に呟く。

「え?莉胡?」

そっか、そうだよね。私がいけなかったんだ。


ごめんね。か弱いあなたを私が守ってあげられなくて。

ごめんね。最後まであなたを応援してあげられなくて。

ごめんね。最後まであなたに近づく危機から

救ってあげられなくて。


ごめん、ごめんね。優希。


「佐藤先生、私はあなたを許さない」

「ううん、優希を殺そうとしたあなたを、絶対に許さない」


「だから、優希を殺すなら、私を殺せ。

私はお前を、絶対に許さない」


「…。その言葉を待っていたんですよ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る