第5話 僕の前?で二人の攻め合い?

 休み時間。柊介が自分の席でゲームをしていると

ゆいがやってきた。

 この光景はもう何度あるのでこのクラスでも

あまり騒がなくなったが、男子達はやはり美少女の

ゆいを見ている。


「これ、やったことある?」

「あ、これですね。ありますよ。もうクリアしてます」

「本当に?私、最近やり始めたんだ。だからちょっと

迷っててね」

「ああ、ここですね。これなら」


 柊介は普通にゆいと会話している。まぁそれもゲームの

会話だからできる事だが。

 そんな風に話していると、また別の女の子がやってきた。

 それは吹奏楽部の部長の奥井香澄だった。


「やぁ浅倉くん。っと誰かと一緒にいたのか」

「部長さん」

「部長さん?」

「えっと、吹奏楽部の部長してる奥井香澄先輩です!

部長さん、こっちは二年生の」

「朝比奈ゆいだな。知っているよ。二年で美少女が

いると三年でも噂が流れてるからね。まぁこの学園は

男子の方がじゃっかん多いいからな」

「そうなんですか。すごいんですね朝比奈先輩って」

「まぁね。でも、あなたが私以外に知り合いがいるのも

驚きだわ。しかも三年生なんて」

「本当だな。私もだ。ということはキミも彼の性格を

把握してるぐらいの仲なのだな」

「そうですね。まぁまだ知り合ったばかりですけど」

「それは私も同じだよ。それで浅倉くん。放課後なんだが」

「ごめんなさい先輩今日は彼、私に付き合ってもらうので」

「そうか、それならしかたないな。じゃぁ明日にでも

また部活によってくれ」

「部活って浅倉くんが?」

「ああそうだよ。彼はピアノ演奏できるからね。できれば

部に入ってもらいたいんだ」

「へぇ浅倉くんそんな事できるんだ」

「い、一応です。それにアニソンやゲーム系の方

ぐらいですけど」

「それなら私のゲームの音を作ってもらおうかな」

「私のゲーム?」

「ええ。私、ゲーム作ってるんですよ。将来は

プログラマーになって、自分のゲーム会社を作るのが

夢ですから」

「意外だな。キミ見たいな子もゲームとが好きなのか」

「ゲーム好きに見た目も何も関係ありませんよ。私達に

とってゲームは一番の娯楽ですから。ね!浅倉くん」

「そうですね。僕はゲームが一番好きで、次に音楽で

あとはアニメと漫画、ラノベですね」

「ふむ。初めて自分の周りにそういう趣味の者が

いたな。噂には聞いていたが」

「部長さんはやっぱりそういうのは好きじゃないんですか?」

「いや、嫌いではいな。アニメの映画とかはたまに見るし

音楽も悪くないと思っている。まぁそこまではまったり

まではいってないが」

「まぁ普通はそれぐらいですね。でも、私達はこれが

一番ですからね。だから、今日もゲーセンに行くんですよ」

「ゲーセン?ゲームセンターの事か。彼は大丈夫なのか?

人前とかは苦手だろ」

「そうですけど、ゲームならなんとか。まぁやっぱり

人が多い所は苦手ですけどね」

「なら、私も行こう」

「部長さんが?」

「いんですか?部活は」

「ああ、それは大丈夫だ。音の勉強と言えばな」

「音の勉強?」

「ゲームも音楽はあるだろ?私は色んな音楽が好きでね!

だからいい音なら聞いた方がいいからな。それが

理由なら皆納得する」

「そうなんですか。えっと、朝比奈先輩は?」

「・・・・・・まぁいいですよ。でも、私達について

これますかね?オタクの私達に」

「そこまではいけないが、楽しむとしよう」

「・・・・・・」


 何か二人の空気が重いのはそこにいた他のクラスメイトは

気づいていたが、当に本人は気づいていない。

 そんな感じで放課後、柊介はゆいと香澄の三人で

駅ちかのゲーセンに向かった。


 店の中に入る三人。二人は普通にしているが香澄は

初めてゲーセンの中に入った。


「これがゲームセンターか。色々音が混じってるな」

「当然ですよ。今では音ゲーも普通に置いてありますからね!

じゃぁその吹奏楽部の部長さんの為にこの音ゲーを

やりましょうか。いいよね浅倉くん」

「えっと、いいですけど、実はゲーセンではあまり

僕もやってないんです。手だけのならいいですけど、足を

使って踊ったりするのは苦手なので」

「ああ、確かにそうかもね。でも、これも楽しいから

やってみましょう」

「それならキミが見本を見せてくれ。私達は見てるよ」

「一人じゃ盛り上がらないけど、まぁいいですよ。じゃぁ

二人共見ててね」


 そう言ってゆいはダンス系を選び、ゲームを始めた。初めは

ゆっくりだが、しだいに音が激しくなり早くなる。

 それでも間違えずに踊るゆい。彼女は運動神経も

抜群だった。

 そして一曲やりとげた。


「ま、こんなもんかな」

「すごいです朝比奈先輩」

「ああ、たいしたものだ。それにこのゲームもすごいな。足の

パネルに合わせると画面の奴にも現れるなんて」

「今のゲームは本当にすごいんですよ。だから楽しいんです」

「なるほど。なら私もやってみるか」

「奥井先輩なら普通の曲でも選んでいいですよ」

「そうだな。ならこの曲にするか」


 香澄は有名な曲を選んだ。それは難しいレベルの

曲だ。初めてやる香澄には無理だろうと二人は

思っていたが。

 最初のイントロでやはりつまづくが、徐々に

香澄は慣れ始めた。


「なるほどこういう感じか」


 香澄の踊る姿に二人は見惚れていた。それに気づいた

ギャラリーも一緒に騒ぎ出した。

 そして、香澄が踊り終わると拍手が沸いた。それに

ゆいが気にして、今度は二人の対決する感じで

勝負が始まった。

 一気に盛り上がり、周りはまるでステージを

見るかの様だった。

 そうして勝負はわずかだが経験のあるゆいが勝った。


 三人はその後もゲームをして楽しんだ。それから

コンビニにより、駅に向かった。

 

「二人共、今日は楽しかったよ。私は今まで音楽以外では

あまり楽しいと思えるものがなかったのでな。すごく

いい経験だった。私一人では絶対できなかったよ」

「ま、まぁそれならよかったわね。こられて」

「部長さん、また一緒に来ましょう」

「ああそうだな。それに、朝比奈くん」

「なんですか?」

「彼と一緒だと楽しいな。キミはすでにそういう

気持ちなんだろ?」

「!?それは」

「まぁ今はまだかもしれないからな。でも私も

少しだが彼に気はあるよ。それだけは教えておいて

おこう」

「そうですか」


 香澄とゆいは柊介に聞かれない様に話していた。

 それから三人は解散し、柊介も初めて団体?

で遊ぶ事ができて楽しかった。しかも、美少女の

ゆいと、美人系の香澄と一緒だ。他の男子からみたら

絶対恨まれる程の二人と遊んだことを柊介は

ずっと忘れないと誓った。

 そして、それをいつも見ているネットの

とあるサイトに少し言葉を変えて、日記の様に

書いていた。


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