第4話 僕が秋葉で人気声優と出会う

 休日、柊介は部屋に閉じこもる。当然、人見知りで引きこもりなので

休日はどこにもでかけないようしているが、唯一出かける

場所がった。

 それが秋葉原だ。ここにはオタクが通う理由がある。だから

柊介も当然ここに来る。

 目当ては漫画やゲーム等で、回る店はいつも一緒だった。


 この日もいつもの様に店を回っていると、とある店で

イベントがやっていた。

 それは同人ソフトのイベントで、柊介が好きな

ゲームのイベントだった。

 そこにはステージがあり、すでに客がいっぱいで

柊介は後ろの方でそれを見る事にした。


 そして、柊介の一番好きなキャラのコスプレをしている

声優がやってきた。

 それはゴスロリキャラで、今人気のある声優の

黒川咲夜(くろかわさくや)だった。彼女は声優だが

コスプレも好きで、イベントにはかならずコスプレで

登場しており、そのキャラになりきっている。

 トークが終わり、曲が流れ、歌いだす彼女。中二病的な

歌詞にロックな曲調でイベントは盛り上がった。柊介も

心の中では叫んでいた。

 

 イベントが終わり、柊介も帰ろうとしていた。駅の

近くにまで来たが、ふと足を止めるといつもは

通らない路地があった。

 たまには知らない所を歩くのもいいと柊介は

その路地に入った。

 すると、そこには誰かがいた。


「あ!」

「!?ああ、見つかったか」

「えっと、キミ」

「もしかして、私を知らない人?」

「いや、知ってます。さっきもイベントみ、見ました」

「そっか。まぁ見てくれたのはうれしいわね。でも

騒がないでもらえるかな?ちょっと遊びたいからさ」

「遊びたい?」

「そ、せっかく秋葉に来たのに自由に買い物も

できなんだよ。いくらいそがしてくても買い物ぐらい

させてほしいわ」

「もしかして、逃げ出してきたとか?」

「ま、そんな所ね。そうだ!せっかくだし一緒に

どこか回らない?私のファンなら私と一緒になんて

うれしいんじゃない?」

「た、確かにうれしいですけど、ぼ、僕なんかじゃ」

「まぁ確かにキミさえない恰好だね。でも、私のファンなら

良い人だろうからね」

「えっと、黒川さん?」

「ああ、私の事は咲夜って呼んで。名前の方が

好きだし」

「は、はい。咲夜さん」

「まだ固いな。キミ、もしかして人見知りのオタク?」

「はい」

「そっか。なら、私が明るくしてあげよう。ファンを

大事にするのもアイドルの仕事だからね」


「ありがとうございます」

「じゃぁ行くぞ少年」

「あ、あのキャラだ」


 咲夜は色んなキャラの声を出したりしながら柊介を

楽しませた。

 柊介も突然の出会いの超驚いていたが、彼女の

ペースにのまれ、普通に友達の様な感じで秋葉を

廻った。


 夜になり、咲夜も帰る事にした。


「今日はありがとうな。私に付き合ってくれて」

「い、いや、僕のほうこそ。まさか、自分が好きな

声優さんと会えるなんて思ってもみなかったですから」

「ふふっ!ここは秋葉よ。色んな人に会える機会も

あるわ。特に私達みたいな人とね」

「そ、そうですね。それじゃ僕は」

「あ!せっかく会えたんだから、これあげる」

「!?これ、電話番号」

「そ、まぁ公表しないって約束できればだけど

できる?」

「はい。絶対しません」

「よろしい。じゃぁまた時間があったら遊ぼうな」

「はい。それじゃ」

「じゃぁな」


 咲夜は帰って行った。まるで夢の様な時間だったと

お思いながら柊介は家に帰った。

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