第50話浮舟3

「薫はかなり強引じゃなあ、今回は」


「どなた譲りか知りませんが匂宮の不埒な行為に


中の君の例もありますので早めに手を打った」





「なるほど。薫はどこか間が抜けておるからなあ。


うまくいけばいいが・・・・・」





天空の二人は心配顔で地上を見つめておられます。





そうしたある日薫の君から中の君へののお手紙を


匂宮は見つけてしまいます。その中身で薫の君が


姫をかくまっていることがわかってしまいます。





何とかして会いたい。どうしても会いたい確かめたい。


と匂宮はいてもたってもいられずにお忍びで薫の君


のふりをして姫の寝所に侵入します。





姫は人違いだとは分かりましたがその手慣れた愛撫に


女の喜びが目覚め、もう匂宮のとりこになってします。





「ああ、無常。どうする柏木?」


「ええ、罪作りなあなたの血筋であられます」


天空で二人は後の悲劇の予感に、姫浮舟を憐れみます。





また日を改めてと宮は後ろ髪を引かれる思いで京に戻ります。


さあどうしたものか?薫の君も匂宮も京に姫を住まわすべく


急いで住居を準備しようとなさいます。





そうした二月の半ば宮中で詩を作る会が催され、お二人は参加


されます。薫の君の詩が宇治を偲ぶ内容だったのに気づかれた


匂宮は次の日雪の舞う中を馬で宇治へと駆けられました。





文はありましたがまさかこの雪の中ではと思っていたところへ、


泥だらけの格好で駆け付けた匂う宮、息を切らせ体からは湯気が


立っていました。情熱的な宮の御心に姫は身も心も宮のもとへ。

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