第9話

(梅花が何か始めるようです)



私は最近悩みがある。


それはお風呂に入れないこと。


最初は濡れタオルで吹いたりして乗り切っていたが、最近ではそれも耐えられない。衛生が悪すぎるのだ。


悩みは風呂だけではない。


下世話な話だが、そもそも屋敷の中にトイレがない。

ならどうやってするかと言えば、「樋箱(ひばこ)」と呼ばれる小さい木の箱にするのである。


これは耐え難い苦痛。


だからどこの家も、常にそれら悪臭を消すために、香が焚かれていた。


平安って、思っていたよりも生活サイクルがしんどい。



酷く我慢の限界に達していた。



歴史を変えてでも、『水道革命』を起こす。



それが今私の思考の大半を占めていた。

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