五感ならぬ、六感で味わう「和」を召し上がれ!

「人見知り橋」を渡った先は、人とあやかしが暮らす不思議な街。
はてさて、一子一妖相伝の「冥菓道」とは――?

冒頭に登場する耳慣れない言葉に惹かれて読み進めてみれば、あれよあれよと展開していく「和」の世界。
蜜の色に、新茶の緑に、「朧桜」の緋色。
ニッキに、甘味に、金木犀。
色に味に香りに人にあやかしに、いにしえの念に現代の恋に父の想いに、五感も時空も混ざりに混ざって蠢き合う不可思議な世界で、魅力溢れるキャラクター勢が「冥菓」を求めて秘密を追います。

舞台は静岡県の三島市ですが、きっとどなたも、記憶の底にある古めかしい和菓子屋さんや、古い蔵を思い出すのでは?

華やかな世界観に、映像でも見てみたいな!と思いました。
そして…私はこの作者様のファンなのですが、この方は、相容れないはずのもの同士のミックスがとても上手いと確信しました。
混ざりそうで混ざりきらずに個性が生きる独特の融合…これぞまさに「和」の神髄だと思います。

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