33話 魔力調整と筋トレ


その後。

イグニスの指導を受けるため、義経たち2人は、魔力の調整をする練習をさせられていた。


「いいか、貴様ら。魔力というものはイメージが大事だ。例えるならお前らは水の入ったタンクだと思え。要するに、蛇口は捻れば捻るほど水の量が強くなる。だが使い過ぎると水のタンクの減りも早くなる。空になったタンクは魔力切れと同じで使い物にならないが、魔力を補充するマナのポーションがある。が、今度は人間の電動力であるスタミナだ。いくら魔力があっても、体力が0なら使い勝手が悪い上に最悪死ぬ。」



イグニスは2人に紙を渡すと「というわけで今から筋トレだ。わたくしが考えた筋トレメニューを毎日してもらう。」と言った。


2人は筋トレのメニューを見るなり顔を青ざめながら「おい、イグニス。このランニングの距離は印刷ミスか?」と義経が訊くと、ことねも便乗するように「ちょっと待って、腹筋とかの回数もおかしくない?普通の人間はこんな量をこなさないよ、何かの冗談でしょ?」と苦笑いすることねに対し、イグニスは表情一つ変えず「冗談でそんなメニューを作るわけないだろ。それに体力作りは戦いにおいて一番重要だからな。とりあえずランニング25㎞、腹筋、腕立て、スクワットなどを軽く200回と生優しいトレーニングだろ。」と呆れていた。



「いや、それにしてもこの量はあり得ねえだろ!」


「そうだよ!それに俺は仮にもアイドルだよ、国民的アイドルの俺が筋肉ムキムキとかファン幻滅させちゃうよ!それにワイルドなアイドルならまだしも、俺は可愛い系担当のキャラを演じてるんだから、こんな筋トレメニューは断固拒否!やらせるなら義経1人にやらせてよね!」


「おい、俺はいいのかよ!」



2人の抗議を呆れながら聞いていたイグニスは「それなら心配いらん。この筋肉ムキならずの薬を飲めば、体力だけつくから安心しろ。」と2人に薬を渡した。


義経は怪しげに「なんだよ、このいかにもネットにある広告詐欺の物はよ。」と手に取りながら見ていると、隣で目をキラキラ輝かせながら「これって有名芸能人も御用達のやつじゃん!あまりにも人気すぎて入手困難なのによく手に入ったね。」と話すことねに驚きながら「マジか……今こんなのが流行ってんの。」と呆れるが、一応貰った薬を飲んで、早速体力作りに入った。


「まず手始めに、軽くランニングをしてから腹筋などを行なってもらうが。このトレーニング期間で少しでも弱音を吐いてみろ。その時は、連帯責任として、わたくしが死ぬ一歩手前まで貴様らの相手をしてやるから、絶対に無理だとか辞めたいとか言うなよ。」


イグニスが釘を刺すように言うと、2人は顔色を変えながら、……はい。と元気のない返事をした。

そして2人は軽くストレッチを終えると25㎞のランニングを開始した。


あれから15㎞走り続けた義経たちは、息を切らしながら脳内で、やめたい、帰りたい、限界、もう無理というワードが永遠と脳内に語りかけていた。

そんな時、ことねが足を止めると「なんで俺こんな拷問受けてるんだろ……。」と弱音を吐こうとすることねに義経は慌てながら「気持ちはわかるが、これ以上は何も言うな!」と目で訴えた。


すると2人の様子を物陰で見ていた人物が嬉しそうに「イグ兄って結構キツいトレーニングさせるよねー。かなり息が上がってる見たいだけど、2人とも大丈夫ー?」と現れたのはイザクだった。


義経は目を細めながら「茶化しにきたなら帰ってくれ。俺たちは暇じゃないんだ。」と言うと、イザクは2人にスポーツドリンクを渡した。



「別に僕は茶化しに来たわけじゃないよ。とりあえず水分は補給しないとダメだよー。それとこのスポーツドリンクは僕の愛情たっぷりのおまじないが入ってるから絶対に飲んでねー。」


イザクがそう言うと、ことねが「イザクくんってイグニスさんと似た美形だし、それに中性的な顔立ちでこの性格でしょ。絶対女子ウケいいし一緒にアイドルやらない?」と話すと速攻で「僕、アイドルに興味ないし。あんまり人間好きじゃないから遠慮しとくー。」と断られた。


義経はイザクの話を聞いて不思議に思ったのか「人間嫌いなら、なんで俺たちには良くしてくれるんだ?」と訊くと、イザクはクスッと笑いながら「そうだねー。僕ら悪魔しゅぞくは気まぐれな生き物だからねー。嫌いなものと好きなものは、はっきりと区別してるんだよ。だから僕は義経きみという名の人生を見てみたい。ただそれだけだよー。」と意味深な発言をするが、義経は余計意味がわからず悩んでいると、イザクは「それじゃあトレーニング頑張ってねー。」と言い残すと、地面の下に溶け込むように姿を消した。

義経はイザクが消えたあと呟くように「本当に訳のわかんないやつだな。」と口にしていた。



その後、義経たちと別れたイザクは、義経たちが訓練をしている広場へと来ていた。


イザクは優雅に寛いでいるイグニスの元に行くと「いくら筋肉を作る必要があるからって、あのメニューはないよー。そんな回りくどい事しないで、最初っから筋肉活性化の薬を打てば、魔力の質量加減だって教えられたんじゃないのー。」と話すイザクに、イグニスはフッと笑うと「イザク、私は人間が嫌いだ。特に人間の子供がな。だから敢えて奴らに地獄を味わせてやろうと思っただけだ。」と笑うと、イザクはイグニスに聞こえるように「イグ兄、性格悪ー。」というと続けて「ま、僕があげたスポーツドリンクに疲労回復のポーションを混ぜてあるから大丈夫だけどー。」と言った。


イグニスは驚くように「イザク、なぜそこまでする必要がある!我々悪魔が人間たちにされたことを忘れたわけではないだろうな。まぁ、わたくしを召喚した愚かな人間は殺してやったが、人間という生き物は醜くて卑劣な動物にすぎない。だからイザク、ここは兄である私に全て任せろ。」と話すが、イザクはイグニスの話など無視して、え、嫌だー。と返した。



いうことを聞かないイザクに、イグニスはもう一度言おうとするが、その前にイザクは話し始めた。


「確かに人間は身勝手で欲深いものばかりだよー、けど稀にどがつくほどのお人好しの馬鹿がいるんだよねー、それが自分にとっての最悪な結果になろうとも知らずに、本当に馬鹿だよねー。」



"イザク、貴方に知って欲しいの。人間には悪い人もいれば、良い人もいるってことを。もしこの先に信じられる人間が現れたのなら、力になれとは言わない、せめて……。"



「……最期まで見守っててあげて欲しい。」



イザクの言葉にイグニスは難しい顔を見せると、イザクは口角を少し上げ「そろそろ2人が戻って来る頃じゃない。」と言った。

イグニスは「いや、いくらなんでも鍛えられた冒険者でも……。」と言いかけたところで、遠くの方から見覚えのある2人の姿があった。


イグニスはイザクの方を勢いよく向けると「まさかスポーツドリンクに疲労回復以外の物も混ぜてはないだろうな!」というと、イザクは澄ました表情を見せると「だってすぐバテたから遊び甲斐がないでしょー。」と返した。


イグニスは、してやられたという表情を見せると、イザクは機嫌良く2人を出迎えた。



「2人ともお疲れ様ー、体調はどう?」



イザクがそう訊くと、義経はニッと笑いながら「イザクがくれたスポーツドリンクのお陰で、疲れも取れるし、なんか体調もすこぶる調子がいい!」というと、ことねも感謝するように「そうそう。イザクくん、君には本当に感謝している。途中までは地獄のようなランニングだったけど、あの悪魔のような鬼とは違って君はまさに天使だよ!」と言った。


イグニスはことねを睨むと「誰が悪魔の鬼だ。イザクが天使なのはわかるが、貴様らには地獄の筋トレメニューがまだ残っている。」というと筋トレのメニューの紙を出すと、イザクはその紙を奪い取った。


「イザク、それを返しなさい!」


イグニスがそういうと、イザクは「筋トレよりもまず、魔力の質量制限を勉強させるべきだよー、それに。」というと、イザクは持っていた紙を粉々にちぎり捨てると「こんな筋トレメニューよりも、もっといい訓練メニューがあるよー。」と言った。


「あぁあああああああ!!私が徹夜して考えた筋トレメニューがああああああああッ!!」


イグニスが項垂れている横で義経が「徹夜するとか暇人かよ。」と呆れていると、イグニスはすぐに立ち直り「いや、5分で考えた。どうすれば貴様らが地獄を味わえるか考えて徹夜しただけだ。」と答えると、義経は嫌な顔をしながら「性格悪りぃな、お前って。」と言った。


「それはそうと、魔力の制限ってどうやるんだ?」


義経がそう訊くと、イグニスはニッと嫌な笑みを見せると「聞き方がなっていないな。これでも私は貴様らの指導者。今後からは口の聞き方次第で教えてやらないぞ。」と言った。


するとイザクが2人に魔力の質量制限について説明し始めた。


「魔力っていうのはね、人間の体内にあるマナであって、それらは血液と同じように血管と同じく体内を巡っているんだよー。さっきもイグ兄が説明していた、タンクに入った水がマナだと思えばいいよー。」


イグニスは少し焦りながら「イザク、こんな馬鹿どもに教えることはないんだぞ。」というと、義経は「こんなアホほっといて説明続けて。」というとイザクは頷き。イグニスは「誰がアホだ、焼き払うぞ!」と睨んだ。


「それで、水の入ったタンクの蛇口を捻ると水は出るでしょー。それと同じように魔力を使えばマナの量も外に出る。つまりは蛇口を強く捻れば勢いも強いがタンクも無限じゃない。水を補充すればいい話だけど、現実はそうはいかない。いくら水が補充されようとも原動力である本体がそれに耐えられるかが問題。戦いで長期戦になれば精神と体力の問題にも繋がるから、なるべく魔力は制限させる。そしてここぞという時に一気に魔力を放出させ、トドメを刺す。

その為にも魔力制限はイメージが大事なんだよー。蛇口を捻るイメージで魔力を強弱使い分けるのがコツだよー。」



イザクの分かりやすい説明に納得したのか、早速試しに練習をしようとするが、イザクは義経に卵を渡した。


「この卵をどうするんだ?」


義経がそう訊くと、イザクは自分の持っている卵をイグニスに渡すと「イグ兄。僕には魔力がないから代わりに教えてあげてー。」というと、義経は驚いたように「え、でもさっき俺たちと別れる時、地面に消えって行ったじゃん。」というと、イザクは「うん、だからはないよー。」と返した。


イグニスはため息を吐くと「いいか貴様ら。一回しかやらないから、ちゃんと見て覚えろ。」というと、手のひらに乗った卵に魔力を注ぐと一瞬で卵からゆで卵へと変わった。


「あんまり変化がわからないが、卵からゆで卵になったのか?」


義経がそういうと、ことねは「いやいや、まさか見せかけでしょ?」というと、イグニスは近くにあったテーブルの角に卵にヒビを入れると、そのまま卵を剥き始めた。すると生卵だった卵は、ゆで卵へと変わっていた。


「これから貴様ら2人には、この卵に魔力を注ぎ込み、ゆで卵へと変えてもらう。一見簡単そうに見えるが、まあ、実践してみろ。」



イグニスがそういうと、ことねが申し訳なさそうに「あのー、すごく申し上げにくいんだけどなぜか俺だけ魔力を使うと激しい酔いに見舞われて挙げ句の果てには、嘔吐を催すようで、はい。」と涙目に訴えると、イザクが「もしかして右手の薬指にしているのは魔力を制限させる指輪だったりする?」と訊かれると、ことねは頷きながら「そう、俺たちエルフは人間と違って魔力を使い過ぎても死にはしないけど、その分身体に負荷がかかるんだ。この指輪もいい店で買ったのに効果が薄いんだよ、結構高かったんだよな……。」と残念そうにしていると、イザクは「そりゃあ、そうだよねー。だってそれ魔道具どころかただの指輪だよ。簡潔にいうと詐欺られたねー。」と教えてあげた。



イザクの言葉にことねは力が抜けたように座り込むと「嘘でしょ……俺の15万が…一瞬でガラクタになった。」と項垂れていると、イザクはことねに「ちょっとその指輪貸してー。」と言った。


ことねはガラクタ同然の指輪をイザクに渡すと「こんなレプリカ同然の指輪をどうするの?もういっその事、壊してもらった方がいいかもな。」と言うと、イザクは「壊すことなんてしないよー、ただこの指輪をそれ以上の価値のある指輪にするだけだよー。」というと、握りしめられた指輪にイザクの力を注ぎ込むと、指輪に埋め込まれていた真珠が淡い水色へと変化していた。


そしてそれを、ことねに渡すと「これで魔力が暴走することもなければ嘔吐を吐く心配もないよー。」と言った。

イザクにそう言われ、試しに指輪をつけて魔力を使ってみると、前まであった吐き気も嘔吐もなくなっており、スムーズに魔法を使える快適さに喜ぶことね。


「イザクくん、本当にありがとう!でも君、魔力はないのにどうやって指輪に魔力を注ぎ込んだの?」



ことねがそういうと、イザクは「それは企業秘密かなー。」と返した。

2人が卵に魔力を注ぎ込む訓練をしている横で、イグニスが「やり過ぎではないか。」というと、イザクは何がー?と惚けるようにいうと「アイツらに、そこまでする必要がないということだ。」と呆れるようにいうとイザクは「もしかして指輪を呪具に変えたことを言ってるのー?確かに僕は魔力がない分。呪力が物凄く強いよー。でもあの呪具は人に害をもたらすこともないし、危険な物じゃないでしょー。ただ、魔力と呪力は相性が悪いからねー。スキルを使った時に少しでも殺意の感情があったら、うっかり人を殺しかねないのは否定しないよー。」と話した。


イグニスはイザクの行動に悩まされながらも「あまり人間どもに関わってほしくないが、私が言ったところでやめないんだろ。」というと、イザクは「さぁ、どうだろうねー。」と曖昧な返事を返した。



その後、義経たちは何日か卵に魔力を注いでいるが、全てゆで卵になる前に爆発してしまい、上手くいかない日々が続いていた。


今日も夜遅くまで訓練していた義経は、休憩がてらリビングへ向かうと、リビングの部屋に灯がまだついていた。


(こんな夜遅くまで誰だ?桃たちか?いや、アイツらとはここ最近会っていないな。訓練、順調に進んでいるのかな。)



義経はそう思いながら中に入ると、何かの食べ物のいい香りが漂ってきた。


「お疲れ様ー、義経もビーフシチュー食べるー?」


イザクがそういうと、すでにリビングにいたことねがビーフシチューを美味しく頬張っていた。


「じゃあ、お言葉に甘えて貰おうかな。」



義経はそう言いながら席に着くと、出てきた本格的なビーフシチューに驚きながら、イザクが作ったのか?と訊くと、イザクは頷きながら「そうだよー、暇だったから簡単な料理を作ってみようかなーって思ったんだー。」と答えると、義経は呆れながら「ビーフシチューって簡単な料理じゃねぇだろ。しかもかなり本格的じゃん。」というと「そう?素材もあまり使わないから誰でも作れると思うよー。」と言った。



「マジか、どんな感じに作るんだ?」


義経がそう訊くとイザクは「そうだねー、まず牛肩ロース300gに塩胡椒を少々全体的に馴染ませてー、バター大さじ2個分を入れたら、食べやすい大きさに牛肉を入れて、焼き色がつくまで強火で焼くのがコツだよー。

そして小麦粉大さじ3をふり入れたら、木ベラでよくかき混ぜる。香ばしく色目がつくまで炒める、そして赤ワイン200mlを入れる。沸騰したら、固形スープの素を湯10カップで溶いて入れたら、ローリエを加えて、再び沸騰したらアクを取ること。その後に弱めの中火にしてふたをし、1時間~1時間30分煮てねー、その間、にんじんと玉ねぎとじゃがいもを切って、じゃがいもは水にさらして、おきアク抜きすること。

フライパンにバターを熱し、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを入れて油が全体にまわるまで強火で炒めてね。そして鍋に加えて、柔らかくなるまで弱めの中火で煮ることが大事。

鍋に最初に入れたローリエを取り出して、皮無しのトマト缶とデミグラスソースとウスターソースを入れて、炒めた野菜も加えて5、6分煮込めば完成だよー。ちなみに僕は最後に、お好みで生クリーム入れる派だけどねー。

あと隠し味にすりおろしのリンゴも入れるとまた違った味が楽しめていいよー。みんなも是非作ってみてねー。」と詳しく説明した。


義経は更に呆れながら「いや、普通の一般的な簡単な素材っていうのは3つ使った食材のことを言ってイザクのは完全に本格料理だよな。しかも随分と凝ってやがる。」と話している隣で、ことねは「美味しいんだから別によくない。」と一言感想を言った。


そしてイザクも「僕が本格的に作ろうとすれば2日はかかるよー、それよりも2人とも。魔力制限は捗ってるのー?」と訊かれると、義経は苦笑いしながら「それが難しくて、30パーの力を維持するのが上手くいかなくて最終的に卵が破裂するんだよ。」というと、ことねも同じく頷きながら「コツさえ掴めればいいんだけど、それが難しいんだよ。」とかなり苦戦している模様。


イザクは2人に「どれくらい維持できるの?」と更に訊かれると、義経は10秒と答え。ことねは5秒と答えた。



「じゃあ、あともう少し頑張れば。魔力も制限できるようになるねー。そしたら次の実戦が凄く楽しみだよー。」



イザクが嬉しそうに話すと、義経が「実戦ってことねと闘うのか?」というと、ことねは「えー嫌だよ。義経って陰湿な闘いしかしないし。」と嫌な顔をすると、義経は少しイラつきながら「誰が陰湿だ、ゲロ野郎。」と返していた。


「2人は闘わないよ。寧ろ協力して僕と闘ってもらうんだよ。」


イザクがそういうと、義経は「つまり2対1って事か。けどイザク、お前魔法は使えないんだろ。そんなの不利じゃねぇのか?」と心配する義経にイザクは「心配してくれるんだ、優しいんだねー。でもその心配はいらないよ。だって僕強いもん。一応手加減だけはしてあげるよー。」というが、義経は「実戦っていうのに手加減とは随分舐められたものだな。ある程度は本気でやってもらわないと訓練にもならねーだろ。」と煽るが、ことねは「義経は本気で闘ってもいいけど、俺は初心者モードの手加減アリでお願い!」と言った。


「おい、ヘタレ!男なら男らしく闘うのが筋じゃねぇのかよ!!」



「意味わかんないよ!それに痛いのは嫌だよ!そんなに闘いたいなら1人でやってよ!」



「お前プライドのかけらもねぇな!上等じゃボケ!俺1人……いや、これ協力制だから一緒に闘わないと意味ねぇだろ。」



「俺を巻き込まないでよ馬鹿経!」



2人のやりとを見ながらイザクは(怪我をさせるつもりはなかったけど、義経の希望通り、腕の一本や二本折ったところで後で治せばいい話だし。少し本気を出して闘おうかなー。)と思いながら「実戦が楽しみだな。」と口にするのであった。

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牛若丸様は今日もご機嫌斜め 斉宮二兎 @itukinito

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