冬暁(ふゆあかつき)に

その声が聴こえなくなっても

 去る12月5日の朝、母が急逝いたしました。



***



 私が書くエッセイに、母はほとんど登場しない。

 人前で語るべきことと、そうでないことに線引きをしていたら、自然にそうなった。私と彼女のいびつな関係など、語るに値しない──そう思っていたから。



 けれど、母の忌明けを迎えて、少しだけ気持ちが揺れた。色々と抱え込んでいた母への思いを吐き出して、自分に出来る範囲で消化してしまおうという気になった。

 浮かび上がる言葉を書き連ねることで、ざわざわとした心が静まってくれるかもしれない。父が亡くなった時、そうだったように。 


 だから、相方に呆れられながらも、夜遅くまでノートパソコンの前に座って書き続けた。 

 けれど、完成したエピソードを読み返してみたら、『アメリカ暮らしのエッセイ』としての内容も確かにあるけれど、母と私の関係について触れた部分をこの場で公開することに躊躇ためらいを感じた。




 そんなワケで、今回のエピソード『その声が聴こえなくなっても』は、タイトルはそのままに、短編エッセイ(https://kakuyomu.jp/works/16816927860119450576)として公開することにした。


 母が亡くなった日のこと。

 私と母のこと。ただし、さらりと話せる範囲内で。

 そして、コロナ時代に海外で暮らすということ。

 

 ご一読頂ければ幸いデス。 


(2022年1月29日 公開)

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