第5話 道端に産まれた子

ある日

路上に積み重なった袋の群れに

目が行った

本来のスペースを飛び出し

私の歩いていた歩道を

半分程侵食するやつら

半透明な袋の中には

廃棄物がダマになり

包まれている

物によっては中身が飛び出し

体調の悪かった私に

さらなる不快を与え

体調不良を助長する

気分が悪くなるし

機嫌も悪くなる

中身を狙って

生ゴミには

烏が降り立ち

金属類には

街の住人が群がる

視覚を刺激する醜悪

嗅覚を刺激する悪臭

これらが街に散乱している

これらは時と場所を選ばず

また人間のいる限り

なくなることはない

常に人と共にあり

切っても切れない関係

子は親に似るという

我々人間から生まれ

街に育てられ

やつらはああなった

まさに人間と街の生み出した

不快な子

それがやつらだ

人間がこの街で享受する

快楽娯楽の真逆にあり

それは産まれるべくして

生まれるもの

私の目の前に横たわる

汚れた群れは

無機物でありながら

私に何かを訴えていた

何かはわからない

だがこのまま燃やされるのを

待つ時間はやつらには

とても辛いことだろう

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