あれから と これから


あれから約2年が経った、

街でたまたま顔を見かけた

声をかけられる距離だった

声をかけずに離れていった

はずだった


声をかけないと負ける気がして、

だれとの闘いかは分からないが

何かに負けそうな気がして、

左肩に どん とぶつかった

あいつ は 驚いた顔の後に、

酷く寂しい顔をした

あいつ は あたたかい目をしていた




あれから約2年ぶりに話をした、

元気?久しぶり、いま何してるの?

話といってもたわいも無い

カンタンな挨拶のような感じだった

あいつ の 表情以外は そうだった


わたし は ずっと笑っていた

いつも通りに笑っていた

笑い方は少し気持ち悪くなったが、

いつも通りに笑っていた

はずだった




あいつ は いきなりこう言った、

ずっと、ずっと、会いたかった

ずっと、ずっと、話したかった

どうしていきなり離れていったのか

どうしていきなりいなくなったのか

あいつ の 言葉を聞いた途端

わたし は また、笑えなくなった


あの時、離れていったのは、

あの時、いなくなったのは、

あの時、笑えなくなったのは、

あの時、伝えたかったのは、

たくさんの言葉が頭に浮かんだ

目の前から声が聞こえた




「 ごめん、行かなきゃ 」





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